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世の中の素敵なモノ・コトをもう“ひとひねり”して、アップグレード Produced by SUNSTAR
Category:

特集記事

QAISインタビューPickUP TREND特集記事

「デザイン」に寄り添い、知恵を絞って具現化する。
エンジニアリングプロデューサー 
MJ氏

by twistdesign 2021年5月26日

PR QAIS

金属加工の世界に入ったきっかけは何でしたか?

私が社会人になって最初に入社した会社が金属加工部品の製造会社でした。大手メーカーの金型加工部品を製造するメーカーです。そこで私は、当初生産技術をやっていましたが、途中から商品開発や、新規事業開発の仕事をするようになりました。新しい取引先を見つけて、新しい事業を創造するというのがミッションでした。そんな中で、当時世の中には無い、全く新しい素材でPCを開発したいと考えていたApple社と出会いました。当時のPCメーカーは、ほとんどがプラスチック製のPCを製造していました。Apple社の当時のCEOのスティーブ・ジョブズ氏や、当時のクリエイティブのトップであったジョナサン・アイブ氏が、Appleユーザーに全く新しい体験をさせたい!ということで、彼らは、スケルトンに続くクールな素材として金属材料の採用に目を付けました。今では多くのパソコンメーカーが金属ボディを採用していますが、当時は未だ金属を外装に使うことはコストと加工技術の面で難しいとされていました。当時のApple社はチタンのノートパソコンの開発に挑戦しようと考えていたそうですが、アメリカや中国には開発できる製造会社が見つからなかったため、日本にやってきたところでした。

私は、Appleより相談を受け、特にMacbookやiPodの金属筐体の製造方法について様々な提案や技術サポートをさせて頂きました。その後もアルミのノートパソコンや、ステンレスやアルミのiPodの開発にも携わりました。とくにアルミを筐体に使用したiPod miniはどのメーカーもAppleのデザイナーが満足する製法を見つけられずにいましたが、私達のチームは唯一製法方法の開発に成功し、量産に至りました。

独立してからは、Appleのような製品の外装を作りたいというお客様からのご要望が多くて、そのご要望に応えるために、クライアント企業やデザイナーのイメージに沿ったものづくりをご提案する必要がありました。前の会社では、製品の外装だけを開発して量産するということを主に行ってきましたが、独立してからは外装だけではなく、中身のこともやって欲しいというご要望がありましたので、構造設計や基盤開発も含めて、製品の全体をアレンジし、お客さまにご提案するようになりました。

SUNSTAR社のQAIS-air-のデザインと開発秘話についてお聞きしたいと思います。

私がプロダクトデザイナーからのデザインを受けて常々考えていることは、「CMF」を常に意識して、製品の価値を高めるということです。「CMF」とは、COLOR(色)、MATERIAL(素材)、FINISH(加工方法)のことです。

一つ目のCOLOR(色)の視点ですが、例えば、以下のカラーサンプルは、QAIS-air-03で使用した「ロワイヤルレッド DD01ARR」ですが、これを見本にした理由はQAIS-air-03が曲面を持った製品であり、曲面に塗装を施した時に美しく見える見本としてこの写真にあるサンプルを参考にしました。また、屋内と屋外の両方で見え方の評価を実施しました。曲面への塗装のこだわりとその表現方法などを常に意識して考えていきます。


🔺屋外(外光を受けた印象の確認)


🔺屋内(陰影で異なる表情を確認)

二つ目のMATERIAL(素材)の視点ですが、QAIS-air-を開発するにあたって筐体を金属ボディにしたいというのがありました。尚且つ、デザインそのものが極めてシンプルで、つなぎ目のない構造を求められました。胴体部分は、簡単に言えば板を巻いて溶接すれば簡単で安価ですが、その方法ですと塗装した後、表面に光が当たったときに溶接をした後や表面の歪みが見えてしまい、美しい外観をつくることができません。そういう加工をしたくないということで、ボディ部分はつなぎ目加工がない形で作ることになりました。

最後に、FINISH(加工方法)の視点ですが、あのサイズのパイプを単純に使おうと思っても、板厚が厚くないと製造ができないのですが、QAIS-air-01は壁にかけるスタイルであったため、重くすることができませんでした。つなぎ目を使わずに加工するため、長い間議論を重ねましたが、最終的に繋ぎ目のないパイプの板厚を切削することとしました。また、両サイドの円盤部分の加工についても、加工するとどうしても加工時に発生する歪みやショックラインという筋状の線が発生したりします。もし加工時に変形が生じると、光が当たった際にどうしてもラインが見えてしまうので、綺麗に加工して仕上げることに苦労しました。

 

QAIS-air-のデザインを実現する上で、どのような苦労がありましたか?

単純に形を似せて作るのは難しいことではありませんが、どの角度から見ても美しい外観を作るというのは非常に難しいことでした。QAIS-air-03に関しては上のドーナッツの部分は作るのがかなり難しかったです。製品の下の部分も実はアルミ合金で、これも板を絞って加工しているのですが、SUNSTAR社からのリクエストで、上が光沢感を出すので、対照的にするべく、マットな仕上げ加工にしました。この表面の仕上がりに関しては、Appleのノートパソコンボディのプロセスと全く同じプロセスで作っています。そのため、プレス加工でこういった形で作った後に、サンドブラスト(※)を施し、アルマイト処理(※)で皮膜をつける処理を行い、さらにちょっと光沢を与えるために化学研磨の処理を入れ、仕上がりとしてはAppleのノートパソコンの仕上がりに近い感じに仕上げるように作ってあります。製品の上部は塗装、下部はマットな仕上げで金属感のあるアルマイト処理と上下が対照的な仕上げを施した外観は、Appleのノートパソコンとはまたひと味違う美しい仕上がりになっています。

 

※サンドブラスト:工業的な加工技術で表面にスチールやセラミックスなどの硬質な粉末を吹き付ける加工法。

※アルマイト処理:自然な状態では柔らかいアルミニウムを酸化皮膜でコーティングし、強度を高める工業技術。

 

デザインへのこだわりとして光沢感のある塗装の依頼も受けました。なぜそのような依頼をいただくのかと言うと、光沢感のある塗装ができているプロダクトは置き場所によっては、天気によって反射する日の光の具合が毎日変わり、ちょうど良い陰影が出てきたり、毎日違う表情が出てくるからです。これも実は難易度が高い依頼でした。塗装は一般的な方法ではあるものの、外観不良が発生しやすいというデメリットもあります。例えば、塗装は簡単にいうと塗って焼くだけのことですが、塗装時の環境がクリーンでなければ、塗装面に細かいゴミが付着したりぶつぶつした面ができるなど美しい表面をつくることができません。特にSUNSTAR社のQAIS-air-のような光沢のある製品は、ツーコートといって2回塗装を行なっているので、より不良が出やすくなっています。2回塗っている理由は、下地になる色をつけた後に、さらに表面に光沢を持たせるようにもう一度塗装しています。塗装の業界ではこれをツーコートツーベイクと呼びます。これを行うにはきちんとした設備と作業者の高いスキルが必要とされます。QAIS-air-は、光沢のある綺麗な仕上がりを要求されていますので、塗装屋さん泣かせのものでもあります。出来上がったものは確かに美しいですが、実はハードルが高く至難の業の連続なのです。

 

QAIS-air-が製品になった感想をお聞かせください。

QAIS-air-03のフォルムはぱっと見た感じ脱臭機には見えず、美しいインテリアのようです。一方で、ユーザビリティを考慮した非常に扱いやすい商品に出来上がっていると思っています。また、SUNSTAR社が狙っていたマルチフォーミング(※)も実現できていると思っています。QAISの基本コンセプトである「インテリアに溶け込む」ために、いろんな形で、いろんな場所に設置していただけるような可能性を持った製品だと思います。

マルチフォーミングの例として、QAIS-air-03は時計になったり、スタンドになったり、ペンダントライトになったりなどいろんなアイデアがあると思います。従来の空気清浄機ですと、こういった使い方はできないと思います。SUNSTAR社も外観に関してはそれだけデザイン性にこだわって作っていらっしゃるので、お部屋のインテリアとしても全く違和感のないデザインになっていると思います。いろんな室内環境で使っていただければ、空間デザインに対して邪魔しない、どちらかというと空間に対して優しいデザインであると思っています。

※マルチフォーミング:一つの製品で様々な使用シーンを想定する事。QAIS-air-は、除菌脱臭機として卓上に設置する方法から、時計やランプといて使用することも可能となっている。

 

MJさん、ご自身のプロフェッショナリズムへの考え方をお聞かせください。

例えば、Appleはデザイナーが創り出したデザインに対し、そのデザインをどうしたら実現できるのかという一点だけに集中して商品を作り上げます。私はそのような社風のお客様の中で仕事をつづけてきたことが影響しているのか、クライアントやデザイナーから難しいご相談を頂いても、決してネガティヴに考えず、どうやったらできるのか、わからないことはまずやってみるということを意識して仕事をさせて頂いています。

商品においてデザインは非常に強い力を持っている重要なファクターだと思っています。そして、我々エンジニアはデザイナーが求めるデザインのままを具現化するということが大事なことだと思っています。デザインの良さとただ美しいというは別もので、同じ品質のものが安定的に製造し、一定の品質のものがお客様へお届けすることが必要で、そのためにはものづくりに関するさまざまな知識が必要とされます。そういう意味において、素晴らしいデザインとそれを形作るものづくりの技術は常に両輪で、その両輪がバランス良く交わらないと最終的に出来上がりの良し悪しがずいぶん変わってしまうのだろうと思います。

当然コストの面も大切であり、仮にお金をたくさんかけた場合、いくらでも良いものは作れると思うのですが、そうではなくて、一定の知識やアイデアによって、市場に受け入れられる価格にできるだけ合わせていかないといけないと思います。そう言う意味においても良いプロダクトを生み出すには知識や経験が必要とされているのだと思います。

2021年5月26日
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PR QAIS

PickUP TREND特集記事プロダクトデザイン

アートで社会に問い、デザインで社会と共有する。
インダストリアルデザイナーで、NPO法人「まもるをまもる」
代表理事の大浦イッセイさん

by twistdesign 2021年4月2日

PR QAIS

本日は、SUNSTARの空間除菌脱臭機「QAIS」のプロダクトデザインを手掛けられた大浦イッセイさんの事務所に伺いお話を伺ってきました。大浦さんは、健康・医療関連のデザインをメインにインダストリアルデザイナーとしての活動をされている一方、NPO法人「まもるをまもる」の代表理事を務められています。大浦イッセイさんのこれまでの仕事のご経歴や、健康・医療関連のデザインに注力されるようになったいきさつ、SUNSTARのデザイン性の高いユニークな空間除菌脱臭機として、現在多くのユーザーから支持を集めている「QAIS」のデザイン秘話、これからのライフスタイルへの考え方など、様々なお話をいただきました。

 

―はじめに、大浦さんの簡単なご経歴と、今どんなお仕事に取り組まれているのかお聞かせいただけるでしょうか?

家業がグラフィック関係の仕事で、幼い頃から強制的にグラフィックや文字のデザインを学んでいましたが、20歳の時に金属アートの世界に飛び込み、26歳の時に金属で巨大な作品を造る金属彫刻家として独立しました。当時からコンピュータCADを使って金属作品の設計や、店舗の設計を行っていましたので、プロダクトデザインの仕事もその範疇にありました。今から思えば金属を使って自分を表現していた頃は、こんな加工や細工は誰にもできないだろう!自分が創った美しい造形はどうだ!といった、社会に対しての自慢や社会への問いで、誰に届けるというものではなく、自分は何者だというアピールをしていたように思います。一方で、店舗設計やプロダクトデザインの仕事は、誰に届けるのか、誰に喜んでもらうのかが決まっていて、そのユーザーと共有できることを考えなければ仕事にならないということで自分のやりたいことが通らないという葛藤がありました。今は、価値を決めて相手を決めてその相手と共有することが「デザイン」、自分が何者で、自分はこんなことができるけど、こんなことがしたいんだけど、みんなはどう思う?といった見えない相手、社会への問いが「アート」であると言語化し、アートとデザインの役割をしっかりと分けています。

アートとデザインを融合した代表作としては、2010年に立ち上げたパーソナルブランドのGreenJacket-Sportsというサングラスブランドがあります。私がサングラスに関わり始めたのは1999年で、サングラスでGood design賞を何度も獲得させていただいたり、日本インダストリアルデザイナー協会の会員になったのも、幅広い分野の方々との出会いもサングラスがきっかけで、今私がこうして活動しているのはサングラスに出会えたおかげだと感謝しています。健康・医療と結びつく仕事を始めるようになったきっかけは、メディカル・ヘルスケアのデザインコンペの審査をさせていただき、医療現場の中にたくさんの課題があることを知った時でした。その時に、医療現場の課題に対して「デザイン」で解決できることがたくさんあると感じました。それからは、どっぷりと「健康・医療×デザイン」というテーマにすっかりハマりましたね。最初に医療現場の課題に取り組んだのがアイガードでした。曇って視界が悪くなること、着け心地が悪いことを素材と形状のデザイン提案を行い製品化しました。医療現場にデザインが関わることでより多くの命が救えたり、命を救う側をまもることができると想い、医療・健康関連のデザインを中心に活動しています。

 

―お仕事を進める上で、特に力を入れているポイントはなんですか?

 

先にもお話ししたように、私が仕事をする上で、デザインとアートの関係は常に意識しています。「社会に問うこと」をアートだと言いましたが、問題かどうかも気づいていない、言語化すらできない、されていない段階でそれらを何かの素材や技法を使って表現することもアートであり、一方で、「可視化された価値を誰と共有するか」をデザインとしていますので、実際のビジネスを進める時には、バリュープロポジションキャンバス(VPC)(※)というフレームワークを使ってゲインとなるところをアートで、ビジネスモデルキャンバス(BMC)(※)というフレームワークを使って可視化し共有するところはデザインとして仕事を進めるようにしています。医療機器の場合は、「使う人(医療従事者)」「使われる人(患者)」「買う人(経営者)」「売る人(ディーラー)」これらの4者がBMCの「誰に」にあたるため、それぞれを満足させるのは難しく、どうしても「使う人」と「買う人」の満足度が優先されて「使われる人(患者)」にとっての満足度が軽視されがちで、「患者中心のデザイン」という医療機器として本来あるべき姿から離れてしまっているのが現状で、そういったことからも、ゲインをしっかりと言語化し、構造の改革も含めたデザインを常に目指しています。

※:VPC:自社の製品やサービスと顧客のニーズとのあいだのずれを解消するためのフレームワーク

※:BMC:顧客に選ばれる、自社で実現が可能な強いビジネスモデルを組み立てていくためのフレームワーク

 

―QAISのデザイン発想の原点について教えていただけますか?

デザインの最初に行う仕事が共感で、これがデザインでは最も重要な原点になります。そのためにまず医療現場の中で悪臭で困っていること、それをどう解決しているのかを医療従事者の方々に集まっていただき、ワークショップを行いました。この情報をもとに、どのような価値を誰と共有するのかを仮説を立てて決めています。QAIS -air -01は、医療・介護の施設での使用用途を考えてデザインしていますので、床に置くのではなく、壁や天井に常設することを想定したデザインとしました。一方で、常設ができない施設や、空間を除菌脱臭したいそれぞれの場所に移動できる移動式も需要があり、別モデルでQAIS -air -02をデザインしています。また、QAIS -air -03に関しては、生活空間での使用用途を考えてデザインしていますので、生活に必要な照明であったり、時計機能であったりを搭載したデザインを提案させていただきました。また、フォルムのデザインについては、サンスター技研さんの背景が高精度な金属加工ですので、筐体をプラスチックではなくハイクオリティな金属製というところに拘っています。QAIS- air -01のデザインであれば、通常はコストの問題で金属板を曲げて筒を作るのですが、QAIS- air -01の筐体は、アルミの大きな押し出し材を別注で成型し、その筒の外径を旋盤加工で切削して造っていただいています。これが、サンスター技研さんのコアバリューを最大に生かした「普通の家電」の類には属さない、造形としての価値を持った商品となっているところで、サンスター技研さんの技術力を広く社会に知ってもらいたいという私の想いが、QAISのフォルムのデザイン発想の原点となっています。

 

―QAISの1番のウリはなんですか?

やはり「カラダがよろこぶ空気」と言えるところですね。金属製であるが故の造形の美しさと、金属製だからこそ菌やウイルスが付着しても、メンテナンスすれば完全に除去できるというところも含め、他社の製品では語れないワードであり、サンスター技研さん独自の光触媒技術と相まって、カラダがよろこぶ空気に菌やウイルスが含まれているわけないでしょ!という私の個人的な想いも含め、「カラダがよろこぶ空気」が1番のウリだと考えています。おそらく、この美しい造形をオール金属に拘って造っている除菌脱臭機は、世の中にSUNSTARさんのこの「QAIS」だけだと思います。他に類をみないこの価値はインテリアとしての価値も高く、機能面からも造形面からも「カラダがよろこぶ」に相応しい製品に仕上がっています。

 

―大浦イッセイさんの今後のライフスタイルへの考え方をお聞かせください。

とにかくこれからも、これまでの失敗や成功の経験を活かして、社会のためになること、次世代のためになることができればと想っています。それが今の生業となっている健康・医療のデザインであったり、守ってくれている人を守るというコンセプトで2018年に法人化したNPO法人の「まもるをまもる」の活動でもあります。今年は、「地域で命を守ってくれている人たちを地域で守ろう!」と言うコンセプトで立ち上げたプロジェクトに取り組んでいます。このように、構造化できていないことを社会に問いかけることも一つのアート活動であり、これからの人生も、社会でまだ構造化されてないことを可視化して問いながら、次時代の構造を構築する一員として、ライフワークとして活動し続けることができればと想っています。

 

大浦イッセイ:

1987年に金属彫刻家、表現家として独立。金属モニュメント、金属オブジェ、空間デザインなどを手がけ、
2002年からはインダストリアルデザインに関わり、現在は、健康・医療関連のデザインを主に手がける。2015年からは、「いのちのためにデザインができること」をソーシャルデザイン活動のドメインとし、医療従事者を守るためのNPOを立ち上げるなど、健康・医療に関わる社会的な活動に尽力している。

https://ja.wikipedia.org/wiki/大浦イッセイ

 

2021年4月2日
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PR QAIS

PickUP TREND

クリエイティブな世界観で日本の食シーンをリードする。
代々木八幡PATH オーナーシェフ 原さん

by twistdesign 2021年2月20日

PR QAIS

 

本日は、フレンチ料理と渋谷らしいストリートカルチャーを兼ね備えた、代々木八幡のビストロ「PATH」に訪問しました。オーナーシェフである原さんは、「PATH」以外にも渋谷の「Bistro Rojiura」、白金台の「LIKE」の2店舗のオーナーとしても活躍されています。優しく気さくなお人柄と、料理に対してクリエイティブな世界観を持った、とても魅力的な方でした。そんな原さんに、3店舗の経営に至るまでの経緯やご経歴、SUNSTARの空間除菌脱臭機QAIS の使い心地や、使った感想について、お話をお伺いしました。

 

 

 

 

―料理の世界に入ったきっかけは何でしたか?

学生の頃、音楽であったり、アートであったり、飲食、インテリアなど様々なものに興味がありました。周りが将来を考えて就職活動をしている時に、私は自分のやりたいことが捨てきれないことに気づきました。昔から「カフェカルチャー」というものに憧れがありました。カフェなら、好きな音楽を流せるし、アートを飾ったり、自分の好きなインテリアにすることができるので、自分がカフェ経営をすれば、自分が好きなカルチャーを捨てなくて良いということに気づき、いつしかカフェ経営を目標にしていました。当時から、カフェ巡りをよくしていたのですけれど、そこで気付いたのは、どこに行っても出される料理が「カフェ飯」という感じで、カフェの雰囲気は良いのですが、本格的な料理を楽しめるカフェは少なかったように思います。その頃から、美味しいご飯が出るカフェがあればいいなという気持ちを持ち始めました。そこで私は、しっかりとしたレストランで「本物の料理」を学び、そこからカフェらしいカジュアルに落とし込んだ料理を創りたいと考え料理の世界に入りました。まずは自分の料理人としての実力をつけることに集中して、フランス料理を中心に見習いシェフとして学ばせて頂きました。その根本には、自分がシェフとして料理の技術を身につけることで、ブレない軸がある店を持てるという考えがあったので、必死になって勉強していましたね。

 

―原さんのこれまでのご経歴をお聞かせいただけるでしょうか?

大学卒業後は、会社に就活せず、フランス料理店で働かせてもらいました。今考えればすごくラッキーな事でしたが、いきなり電話して、そのタイミングでちょうど欠員が出るということで、採用いただきました。後から聞いた話によるとオーナーシェフたちは、私がすぐ辞めると思っていたらしいですね。その間にビストロやカフェ、ミシュランの星付きレストランなども経験し、フレンチ料理は計8年勉強しました。そして30歳の頃、独立したいと思い、「Bistro Rojiura」をオープンすることになりました。

「Bistro Rojiura」を開店した最初の一年は、お店は東急ハンズから近いのですが、路地裏にある一角の店だったので見つけられにくく、皆さんに店を知ってもらうまでは苦労しましたね。そんな頃、運良く雑誌Hanakoの特集として取り上げていただきました。さらに、その時の編集長が私たちの料理の盛り付け方のアイデアを気に入ってくださって、表紙を飾ることができました。それが起点となってだんだんとお客さまが増えて行きました。

「PATH」は、私自身、昔から朝ごはんに拘っていて、美味しいコーヒーとパンを買って仕事に行くことが多かったんですよ。その時に考えていた「朝ごはんが美味しいお店があれば最高だな」というアイディアがきっかけですね。偶然にもそのときに、フランス3つ星レストランのシェフパティシエを任されていた後藤が日本に帰国し、独立を考えているというので、相談に乗っていたんですよ。そこで意気投合して、二人で美味しい朝ごはんが作れるカフェを作ることになりました。最初は、近所の人がクロワッサンとコーヒーだけ買ってくれて、数人でお店を回せればと思っていたんですよ。けれども意外にも、本格的な朝ごはんに対しての需要が高く、今では毎日多くのお客さんが訪れてくださっています。

2019年には「PATH」の時の同じようなアイディアがきっかけで、好きな音楽を聴きながら美味しいお酒が飲めるお店というコンセプトで白金台に「LIKE」をオープンしました。お店の中に演奏できるスペースがあり、ミュージシャンやアーティストとコラボレーションすることができるのですが、ありがたいことに、現在多くのアーティストから出演依頼の問い合わせをいただいています。ですので、現在は3店舗のオーナーを務めさせて頂いています。

 

 

 

 

―どの店舗も雰囲気の良い素敵なお店ばかりですが、そのクリエイティビティは原さんご自身の世界観を再現しているのですか?

基本的には自分のやりたいことをやっています。けれども、スタッフの個性も生かしたいので色々な機会を与えて、新たな刺激をもらうことも大切にしています。実際にスタッフから面白いアイディアが出る時もたくさんあるありますよ。「PATH」でもスタッフが考えた料理を採用することはたくさんありますし、みんなで楽しくやることが一番ですね。そうやって自由に、楽しく仕事していると案外面白いアイディアが思いつくんですよ。なので、自分の世界を基準にスタッフ達の個性を生かしながら、そこで思いついたアイディアや発想を再現している感じですね。

 

 

 

―QAISをお使いいただいた感想をお聞かせください。

この「PATH」の店内には食材を発酵させている場所があるんですよ。そこで少し発酵臭がしていたんですけど、その匂いがクリアになった気がします。お店は非日常を味わえる空間であるのが強みだと思うので、見た目がいわゆる家電らしいものは置きたくなかったんですよ。お店の内装にも強いこだわりを持っているのに、そこに一つ家電があるとやっぱり雰囲気が合わないじゃないですか。けれども、QAISは自分が主役ではないけど他のインテリアであったり、雰囲気を立てることができる、目立ちすぎないデザインなのでかっこいいと思います。この洗礼されたシンプルなデザインが今の時代にとてもマッチしていると思います。

 

 

―QAISの一番の強みはどんなところにあると思われますか?

やっぱり今の時代は空気清浄に対して需要が高いじゃないですか。なので、しっかりと機能面が充実しているところが一番なのではないでしょうか。私自身、見た目も拘りますけど、やはり機能面を一番重視しますね。例を挙げると、アウトドアブランドがなんであんなにかっこいいかって、使用用途の全てを網羅した機能的でいて、あのデザインを保っているからだと思うんですよ。なので、このQAISも、デザイン性が先に注目されがちですが、しっかりとした機能性を持って、それでいてこのデザインであるということが1番の強みだと私は思います。

 

 

―QAISは、どのような方にご愛用いただけそうでしょうか?

まずは、機能面から考えると、病院などのプロの現場で使われてもいいと思います。そしてやはり、家具やインテリアにこだわりがある人ですね。家電感は出さないけど、しっかりと機能があるものを求めている人にはぴったりだと思います。個人的な意見なんですけど、今後このようなタイプの家電がスタンダードになるのではないかと思っています。従来の家電だったら、デザイン性を重視するか、機能性を重視している家電が大半ではないでしょうか。そこで、お洒落なだけではない、しっかりと使える家電が出れば、多くの人が使うと思います。私が、飲食店を経営しているので、その視点から意見を言うと、飲食店には香りを楽しむ面もあるので、そこは賛否両論あるかと思います。なので、飲食店関連の事務所などにはいいんじゃないですか。事務所でも食材がストックされていることがよくあるので、やはり食材の匂いというものは感じるんですよ。なので、清潔な環境で作業をしたいと考えている飲食店関係の方々にもおすすめできますね。

 

 

 

―原さんの今後のライフスタイルへの考え方をお聞かせください。

一言で言うと、自分がやりたいことをやりたいですね。独立して、雇われの時と変わったことは自由度の違いなんですよ。けれど、本当の意味の自由になるためには、私がいなくてもお店が回るためのスタッフの教育や、経済的な余裕を持つことを怠ってはいけないと思います。これはまだ私も達成できていないので、日々小さなことを積み重ねて、努力していきたいと思います。また、最近はコロナなどの影響から、健康について考えることも多くなりました。これも自己管理のうちの一つだと思うので、日常生活から特に気にするようにしています。そうは言っても、プロである以上、ビジネスとしても成功させることは前提だと考えています。私たち職人は、技術力の向上に力を入れがちであるけれども、プロである以上、それを生業にできないといけないような気がします。なので、誰にも真似出来ない追求する心を忘れず、経営も技術も両立させて行きたいですね。

 

 

 

原太一 1981年生まれ。
「Cuisine[s] Michel Troisgros」など都内のレストランやビストロなど数軒で修行後2011年に渋谷「Bistro Rojiura」をオープン。
2015年にフランス「Maison Troisgros」の元シェフパティシエの後藤と共同で富ヶ谷「PATH」をオープン。 2019年に多国籍料理レストラン、白金台「LIKE」をオープン。2020年に家庭でもできるPATHのレシピをコンセプトにYouTubeチャンネル「PATH HOME COOKING RECIPE」をスタート。

 

 

2021年2月20日
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PR QAIS

QAISインタビュー

愛犬と暮らす豊かな暮らし マーケティング会社経営C.M.さん

by twistdesign 2021年2月8日

PR QAIS

海外からの訪日客を対象に、様々な「日本の魅力」を伝える仕事をされているC.M.さんのご自宅に訪問しました。C.M.さんは、インバウンドマーケティングを行っている企業や自治体に対するマーケティングの会社経営者として活躍されています。C.M.さんはとても可愛い12歳の愛犬ジンジャーちゃんと一緒に暮らしていますが、今回の取材では、実際にインタビュー現場にジンジャーちゃんも参加していただきました。そんなC.Mさんに、ペットとのライフスタイルや、SUNSTARの空間除菌脱臭機QAIS の使い心地や、使った感想について、お話をお伺いしました。 

 

―はじめに、C.Mさんの簡単なご経歴と、今どんなお仕事に取り組まれているのかお聞かせいただけるでしょうか?

今はこのようなコロナ禍の時期になってしまって、状況が変わってしまったのですが主には、日本を訪れた外国人観光客に対して、日本の魅力を伝えるためのPRコンサルティングの仕事をしています。具体的には、「日本の魅力」を前面に出している自治体や企業と一緒に、日本のブランドを知ってもらい、ファンになってもらうために活動をしています。そして最終的には、もう一度購入したいと思っていただけるように、リピーターになってもらう仕組み作りをしています。企業イメージを構成する上で必要不可欠であるブランディングから始めて、販売促進をしているのですが、やはり高付加価値商品であれば、CMなどを使わなくても、いいものは口コミで伝わるんですよ。なのでいかに、その商品の特徴であったりアピールポイントをPRしていくかに特に注力しています。

 

―ご自身のビジネスをする上で、特に力を入れているポイントはなんですか?

やはり、お客様とのコミュニケーションですね。端的にお伝えすると、訪日のプロセスには、「旅前」、「旅中」、「旅後」という3つのプロセスがあります。「旅前」では、日本のブランドが他の製品とはどう違うのか、その特徴を知ってもらい、訪日の際の買い物リストに入れてもらえるように心がけています。また「旅中」では、ホテルや、店舗など、訪日客がよく訪れる場所に、商品を置いて、訪日客の「旅中」の身近なところで接点を持ってもらったり、商品を購入することができるということをアピールします。そうすることで、誰でも手の届くところで購入することができることを知ってもらえるので、効果的なマーケティング方法になることがあります。そして、「旅後」にはその商品のファンになってもらい、リピーターになってもらえるような仕組み作りを考えます。現在、コロナ禍で「安心」「安全」に対しての価値は高まっているので、しっかりとその商品の魅力を伝えれば、惜しみなく消費していただけることが多いです。

 

 

―QAISをお使いいただいた感想をお聞かせください。

使ってみて分かったことですが、空気がきれいになった感じがして、気分が良くなりました。加湿器のように水蒸気などが出るわけではないので、目に見える効果を感じにくいですが、見た目がオシャレなのが気に入っています。また、ファッション性があり、様々な使い方ができる木目細かさに、「日本らしさ」というものが感じられてとても興味深いです。やはり、日本の魅力が詰まった商品は海外にも人気なので、ぜひ海外の方にも一度経験して欲しいと思いました。コロナの状況で生活者も生活空間の「空気」への関心も高まっていると思いますし、富裕層ほど、このような商品は需要があると思います。

 

―QAISの一番の強みはどんなところにあると思われますか?

すぐに思いつく点が二つほどありまして、一つ目はデザインですね。同じ価格帯のものであればファッション性がある方がいいじゃないですか。特に従来の空気清浄機であると、形や大きさはある程度決まっていて、家電製品というイメージが強いと思います。それに比べてQAISは、全く型にはまっていない新しい形の空気清浄機だと思うんですよ。なので、オブジェとしても使えて、それぞれのご家庭に合わせた使い方があっていいと思います。例えば、私はQAISが時計になったり、かべにかけたりできることで、室内のオブジェになることが気に入っています。このような空気清浄機は他にはないですよね。二つ目は、加湿器などのように水蒸気が出ない分、パソコンなどの家電の近くに置ける点ですね。先ほど目に見える水蒸気などがないので効果を体感するのは難しいと言いましたけど、このような点ではとても強みになると思います。特にリモートワークの普及で、自宅でパソコンを使った仕事が増えてきたと思うので、その際にも皆さん安心して、清潔な環境で作業ができるのではないかと思います。

 

―QAISは、どのような方にご愛用いただけそうでしょうか?

私の周りには愛犬家が多いんですよ。特に東京は赤ちゃんよりペットの数の方が多いので、ペットを飼っていて匂いを気にしているご家庭には特にオススメできますね。ペットを飼っていない方でも、これからの時代には、空気洗浄は必須になってくるので、場所を取らず、インテリアの一部として欲しい方にもオススメできます。他にもカフェなどの少しセンスが良い空間で、人が集まる場所にもピッタリですね。あとはお母さん方には特にお勧めします。家庭内でのコロナ感染を心配していて、それと同時にインテリアにもこだわりがある方も多いと思うので、そのような親御さんは、是非使ってみるといいと思います。

 

―C.M.さんの今後のライフスタイルへの考え方をお聞かせください。

このご時世で、思い通りに行かないことが多く、世の中は疲れきっていると思います。今まで常識であったことが、常識ではなくなる時代になっていると思います。学校や仕事などの様式がガラッと変わって、新しいスタイルについて行くことに疲れている人は多いのではないでしょうか。だからより今後、人生の豊さや、ストレスフリーである生活が大切なのではないかと感じています。なので私自身、新たな自分のスタイルを確立させて、この大きく変化した時代の環境に馴染みながら、個を失わないように自然体で生きていきたいです。ペットはそのような意味では、本当に癒しになります。寝るときも起きている時も一緒で、本当に人生を共に歩んでいる気がします。この可愛いジンジャーは私を助けてくれる存在なので、ペットとの生活を人生の一部として大切にしていきたいです。

 

詳しくはこちらへ↓↓↓

2021年2月8日
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PR QAIS

特集記事

総合ファッションカンパニー、ベイクルーズ社が取り組むACME(アクメ)事業とジャーナル スタンダード ファニチャー事業とは?
株式会社ACMEプレス 勝山龍一

by twistdesign 2020年10月27日

PR QAIS

ベイクルーズはファッション事業を中心に、フード事業、ライフスタイル事業、フィットネス事業と生活者のライフスタイルに関わる様々な事業を手掛ける企業です。同社は、「衣食住を通じて人生の楽しみを提案する」という経営理念を掲げており、その中の「住」に関係する事業を手がけるグループ会社がACME(アクメ)です。今回はACME(アクメ)社の広報を担当されている勝山さんに、ACME(アクメ)ブランドのコンセプトや魅力、また同社が手がけるライフスタイルブランドのジャーナル  スタンダード  ファニチャーについて幅広くお話をお伺いしました。 

 

―はじめに、ベイクルーズについてお聞かせください。ベイクルーズはどのような事業を手掛けられていますか?

 ベイクルーズは、現在の会長の窪田が1977年に立ち上げたファッション企業ですが、「あらゆる生活シーンに楽しさや喜び、驚きや感動を提供していきたい」という考えのもと、アパレルの枠を超えて、カフェ等の飲食事業、家具やインテリア事業、フィットネス事業等、ライフスタイルに関わる、幅広い事業を展開しています。例えば、ファッション・アパレル事業では、「ジャーナル  スタンダード」、「エディフィス」、「イエナ」などのブランドを扱っています。カフェ、飲食事業では、「ジェイエス バーガーズカフェ」、「LUKE’S  LOBSTER」、「フリッパーズ」などを扱っています。また、私の所属する家具・インテリア事業では「アクメ ファニチャー」「ジャーナル  スタンダード  ファニチャー」のブランドを取り扱っています。他にフィットネス事業では、自由が丘の「カーディオ・バー」などがあり、「衣食住」に関わるライフスタイル全般に事業領域を拡大して取り組んでいます。社員数はグループ全体で約5500名、店舗数は約490店舗となっています。

 

―ジャーナル スタンダードはどのようなブランドコンセプトを持っているんでしょう?

もともと私たちベイクルーズグループには、メンズの専門ラインの柱として「エディフィス」、レディースの専門ラインの柱として「イエナ」がありました。1997年にベイクルーズで初めてのメンズラインとレディースラインが一体となって展開されるブランドとして「ジャーナル  スタンダード」が立ち上がりました。「ジャーナル」という言葉は、新聞という意味であり、新しい流行を提供するという意味があります。一方で「スタンダード」は、流行に踊らされずベーシックなアイテムを提供するという意味があります。この二つの相反する提供価値が「ジャーナル  スタンダードブランド」の基本的なコンセプトとなっていて、私たちは、その両方の価値をお客様へ届けようと考えています。ブランドの世界観としては、アメリカンな雰囲気で、時代に踊らされず、しかも世界的な流行りを敏感に取り入れ、創造的なファッションで常に注目を浴びるような商品を作り出したいと考えています。

ジャーナル  スタンダードのターゲットユーザーは、主に20代の後半から30代後半の都会に住む、流行への感度が高い一人暮らしやDINKS層を中心に考えています。

 

―ジャーナル  スタンダード  ファニチャーのコンセプトについてもお聞かせください。

「ジャーナル  スタンダード  ファニチャー」は、「ジャーナル  スタンダードブランド」が提案する家具及び、ライフスタイル雑貨のお店です。家具、雑貨はもちろんのこと、テキスタイルを中心にホームファニシングなども取り扱っています。さまざまなシーンでのライフスタイルに関するコーディネートを提案しています。特に、ヴィンテージを今の時流感で解釈し、開発したスタンダードなオリジナル家具と、トレンドが感じられる国内外の旬なブランドを組み合わせたスタイルを提案しています。

―ファニチャービジネスのベイクルーズ社中での位置づけはどのよう位置づけされているのでしょうか?

ベイクルーズグループのファニチャービジネスは、1990年代のACME(アクメ)社の事業買収から始まっています。ACME(アクメ)社は、もともと東京の渋谷区大山で創業された会社です。アメリカの西海岸へのミッドセンチュリー時代のヴィンテージ家具を買い付けて、コンテナで日本に輸送し、買い付けたヴィンテージ家具をリペア(修理)して日本市場向けに売っているビジネスを行っていました。今でもこの伝統的な仕事のやり方は生き続けています。当時のACME社のオーナーが現会長の窪田と出会い事業売却を持ちかけましたが、ACME(アクメ)事業に将来性を感じた窪田は、ベイクルーズで家具事業を展開する決断をしました。これが、ベイクルーズのACME(アクメ)事業の始まりです。その後、「ジャーナル  スタンダードブランド」として「ジャーナル  スタンダード  ファニチャー」のビジネスをACME(アクメ)社の中で手がけるようになり現在に至っています。ベイクルーズの生活空間ビジネスはACME(アクメ)社が運営しており、ACME (アクメ)社の中で、「アクメ ファニチャー」と「ジャーナル  スタンダード  ファニチャー」の二つのブランドを展開しているという構成になっています。

―ジャーナル  スタンダード  ファニチャーと、アクメ ファニチャーのブランドの違いを教えてください。

「ジャーナル  スタンダード  ファニチャー」のターゲットは、20代後半から30代半ばの一人暮らしやDINKS層を中心に考えています。「アクメ ファニチャー」は、30代後半から、40代を中心にファミリー層や、こだわりのある富裕層を中心に考えています。いずれもアメリカのミッドセンチュリーテイストを提案したブランドになりますが、「アクメ ファニチャー」の方がやや高価格帯の提案を行っています。オーセンティックな質感を重視した価格設定をしています。

 

―なるほど、それでは、今後の勝山さんが考えるブランドの展望を教えていただけるでしょうか。

新型コロナの時代に入って、お客様の住環境への意識が高まっているようで、自宅にいながら、家具を買うお客様が増えました。おかげさまで弊社のECサイトでお買い上げいただけるお客様も非常に増えております。今年の10月から私はACME(アクメ)社の広報担当だけでなく、吉祥寺の「ジャーナル  スタンダード  ファニチャー」の店舗の店長としても、お店に立たせていただき、お客様と日々コミュニケートして接点を持たせていただいていますが、お客様と会話する中で、いろいろなアイデアが出てきます。これまで、「アクメ ファニチャー」は目黒通り店の1店舗に集約し、残りのACME Furniture(アクメ ファニチャー)店舗は「ジャーナル  スタンダード  ファニチャー」の屋号へブランド転換しました。また、アクメ ファニチャーは、アクメ ファニチャーの刻印が入った家具ブランドとして「ジャーナル  スタンダード  ファニチャー」の店舗でも取り扱っていく形へ転換しています。今後はさらにお客様への提供価値をあげていけるよう様々なアイデアを実行に移していこうと思います。

2020年10月27日
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話題のサンフランシスコ創業スタートアップ b8ta:後編
カントリーマネージャー北川卓司(きたがわたくじ)

by twistdesign 2020年9月17日

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b8ta Japanは2015年にサンフランシスコで創業されたb8taとベンチャーキャピタルEvolution Ventures(カリフォルニア州サンフランシスコ、創業パートナー・シャージール・ハサン氏)の外資系企業です。「サービスとしての小売(RaaS:リテール・アズ・ア・サービス)」と呼ばれるソリューションを提供している会社です。

前回に続き、今回はそんな話題のサンフランシスコ創業スタートアップb8ta Japanカントリーマネージャー北川卓司さんの個人としての仕事への取り組み方から、今後の生活スタイルまで幅広くお話をお伺いしました。

 

―暮らしの中のデザインとは何でしょうか? これまで北川さんのご経験として、暮らしを豊かにするアイデアや考え方について、北川さんが考える意見や方法があったら教えてください。

私は歩き回るのが好きなので新しい商業施設などにもよく見に行きます。最近では、新しくできた宮下パークなどオープンしてすぐ行ったりしました。昨今はコロナ禍で難しい状況ですが、新しい商業施設があればまずは行ってみます。街の変化を敏感に感じ取るようにしています。実際に影響のある施設があれば、まずは実際に足を運び、肌で感じるようにしています。

 

―北川さんは普段の仕事の中で、世の中のトレンドやニーズの変化をどうやってとらえていますか?どんなところで、どんな方法で仕事上のアイデアを得ていますか?

トレンドはネットから調べたりすることが多いです。また、是非出品いただきたい企業様は社内の全社員が参加したスラックなどを活用し、チームで情報共有を図るなどして新たな情報を得るようにしています。また、今はコロナの影響で海外にはいけませんが、海外にはよく行く方だと思います。最近ではミネアポリスやサンフランシスコなどにも行きました。前職の本社があったことから、イギリスなどにもよく行く機会がありました。Zoomなどのオンラインツールでは、現地ことを深く知るのには限界があるので、その土地に実際に行って、肌で感じたことを大切にしています。

 

―当サイトは「デザイン」をテーマにしています。北川さんなら、自由に暮らしや生活をデザインできるとすれば、どのようにされますか?

私は、以前より室内空間と屋外空間の両方で使えるものに興味がありました。例えば、室内空間と屋外空間の両方で使えるものとしては、スマートフォンやパソコンぐらいでは無いでしょうか。例えば、アップル製品は、そのようなデザインプロダクトの代表例だと思います。もし私が自由に何かをデザインできるなら、そういった室内と屋外で使えるものをデザインしてみたいと思います。私は、肌身離さず使っているものに特に興味があります。 

 

―コロナ禍の状況において、リモートワークが進んでいます。郊外に住むことに関してどのように考えをお持ちでしょうか?また、そのような状況下において、b8taの出店戦略を考えると、今のb8taは、新宿や有楽町など、都心の中心的な地域にあるかと思いますが、例えば、鎌倉などの郊外でもあってもよいのでしょうか?

 私はビルの真ん中に住みたいタイプではないです。都会に住むよりも、川や公園があるようなエリアの方を好みます。かといって、東京から離れるのは交通の便も気になります。コロナ禍の状況においてライフスタイルのパラダイムシフトが起きてきているとは思っております。私の場合は、郊外に住むのもアリだと思いますが、今は、お店や会社に通勤する必要性があるので状況によってですね。

b8taの出店戦略についてですが、出品したい方が出品したい場所にあるかどうかをb8taでは大切にしています。出品したい企業は、一般にはトラフィックの集まるエリアを好むので銀座、渋谷、新宿などが対象となります。地方にニーズがあれば鎌倉のようなエリアも出店の対象エリアになることも考えられます。あくまでお客様のニーズ次第ですね。仮に、六本木ヒルズの会員制ラウンジのような、年収1億しか入れないラウンジが存在し、その中に出品したい企業様が存在したとします。出店する企業のニーズがあれば、そうした店舗をオープンすることも検討の対象にはなります。個人的に好みかどうかというより、出店したい方がいるかどうかがまずは大切だと考えております。

 

 

―本サイトをプロデュースしているGUMの歯磨きで有名なサンスターが、『「お口」「カラダ」だけではなく、「生活空間」から健康に。』というテーマを掲げ、『カラダがよろこぶ空気。』をコンセプトとした脱臭除菌システム『QAIS -air-』を発売しました。こうした取り組みをどう思われるでしょうか。

在宅勤務が長くなる中で、脱臭除菌はいろいろな場所で使え、持ち運びできるサイズはいいですよね。昼間は生活空間のリビングや、寝る際は寝室など、どこでも使えるのは、今の時代にマッチしている商品かと思います。コロナで室内にいる時間が長くなっているので、室内環境を整えることは重要だと思っております。部屋の中の空気が実は屋外の空気よりも汚いと言われる時代なので、私も空気清浄機は常につけています。掃除機であれば、ロボットを使うなどすると、すごく楽ですよね。テクノロジーの発展で、生活が豊かになることは、素晴らしいことだと思います。

一方で、こう言った新しいコンセプトの製品を体験してもらうのが強みのb8taですが、脱臭除菌など目に見えないものはデモンストレーションが難しいので、これが課題になるかと思います。出店いただく企業や生活者のニーズを丁寧に拾いながら、課題解決できればと思います。

b8taでは、店舗スタッフの気づきなどもメモして出品企業へチャット機能などでフィードバックしています。お客様の生の声には、たくさんのヒントがあります。アンケート調査を取るにしてもコストがかかります。お客様の抱えている悩みや買わない場合は、どんな理由で買わないのかなどを分析する必要があります。例えば、カラーバリエーションでも、3色好きか聞いて、3色全てがお客様から不評であれば、開発の設計でカラーバリエーションの設計が間違えている可能性も考えられます。そうしたお客様からのインサイトは常に大切にしています。

 

―いま、北川さんが個人的に気になっていること。興味をもっていることは何でしょうか?

直近では、コロナ禍で体験型ストアをオープンしたわけですから、日本のマーケットにb8taを受け入れていただけるかは一番気になっています。一人でも多くの方にいい経験だったなぁと感じてもらえるように、日々オペレーションも改善を重ねています。気になっていることは多々ありますが、コロナ禍で活動や発表の場が限定的になってしまったアーティストの皆さんを何か支援できることができないかは考えています。せっかく都内でも有数の好立地に店舗をオープンしましたので、何かしらの形で作品を展示できるような試みを近いうちに試してみたいと思います。

2020年9月17日
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話題のサンフランシスコ創業スタートアップ b8ta:前編
カントリーマネージャー北川卓司(きたがわたくじ)

by twistdesign 2020年8月28日

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b8ta Japanは2015年にサンフランシスコで創業されたb8taとベンチャーキャピタルEvolution Ventures(カリフォルニア州サンフランシスコ、創業パートナー・シャージール・ハサン氏)の外資系企業です。「サービスとしての小売(RaaS:リテール・アズ・ア・サービス)」と呼ばれるソリューションを提供している会社です。

今回はそんな話題のサンフランシスコ創業スタートアップb8ta Japanカントリーマネージャー北川卓司さんにコンセプトや魅力、ご自身のキャリア論まで幅広くお話をお伺いしました。

 

―b8taのコンセプトについて詳しく教えてください。

弊社b8taはベータと読みます。2015年にアメリカ、サンフランシスコで創業しまして、1号店はパロアルトと言うサンフランシスコから南に40分ほど車で行ったところでオープンしています。現在では、アメリカに3店舗、ドバイに1店舗、日本に2店舗の直営店を展開しています。

弊社のミッションは、「Retail Designed for Discovery」で、日本語にしますと「リテール(小売り)を通じ、人々に新たな発見をもたらす」と言うものです。いわゆる販売を主目的に置く店舗ではなくて、新しい発見とか体験をしていただくスペースを作っていきたいと言うのが我々のミッションです。

ビジネスモデルは、「RaaS (リテール・アズ・ア・サービス)」と呼んでいますが、日本語にしますと「サービスとしての小売り」とご説明しています。店舗内には、1区画約60センチ x 40センチが、合計約100区画、店舗毎にご用意しています。こちらに出品いただく一連の流れを、オンラインで一元的に管理するサービスになっています。

オフラインで出品するに当たって、通常であれば、仮にお店を自社で作る際には施工、デザイン、スタッフを採用してトレーニングするのが一般的ですが、それら全てをサービスとして弊社で担当させて頂き、オフラインの出品を手軽にご利用いただけるビジネスモデルとなっています。

また、行動データを取るため天井にカメラがたくさん付いているのも特徴です。来店者数、年齢層、性別などのデモグラフィックデータ、他の出品ブランドとのベンチマーク、出品区画の前を通った客数や5秒以上立ち止まった客数、商品をデモンストレーションした客数を出品者にデータでフィードバックしています。もちろん、お客様に関する商品の意見や反応などの定性的なデータもフィードバックしているのですが、それら全てをまとめて月額のサービスとして提供するビジネスモデルとなっています。

 

 

―創業の経緯を教えてください。

弊社は、シリコンバレーで始まったサービスです。そもそも創業者達の出身は、Googleが買収したネストと言うスタートアップ企業です。彼らの創業時のエピソードとして、当時、彼らが開発したプロダクトが素晴らしいものだったのですが、実際店頭に足を運んで見たところ棚の下の方の、箱に入れたまま陳列されていたというエピソードがあります。

そのプロダクトというのがスマートホームなどの、これまで世の中に無い新しいコンセプトのものでした。そちらのプロダクトは実際に手に取って試さない限りは、その商品の本当の良さが分かりません。彼らは、これと同様の問題を抱えている企業がいくつもあるだろう、そのような新しいコンセプトの商品をディスプレイできるような店舗を作ることで、課題解決ができるであろうと考え、事業が始まりました。

シリコンバレーという土地柄でガジェット系のスタートアップがすごく多かったため、市場からのニーズとマッチしたので大きく成長することができました。

 

―なぜb8taは日本へ上陸したのでしょうか?どのような目的があったのでしょうか?

日本への上陸に関しては今回、アメリカ、ドバイに続き3拠点目です。2016年、オープンから大体1年後、日本からシリコンバレーに視察に行く企業が増えて、その視察コースにb8taを加えていただける機会が多くなりました。どうやら日本の方はb8taの扱う商品も好きそうだし、ビジネスモデルにも興味をお持ちの方が多くいるのだなと、創業者達はその時から感じていました。そういった背景から、日本を目指そうかと言う事になりました。日本進出のタイミングは、2020年の東京オリンピック前が良いのではという決断をしました。

 

―日本以外に展開している国はどこでしょうか?アメリカと日本のb8taの違いはあるのでしょうか?

基本的には全て一緒で、ミッションの通り、新しい発見をもたらすことを第一にしていますが、日本特有の特徴もあります。例えば、商品選定の間口は狭めずにしていこうとしています。結果として、IoT系のガジェットから、BtoC向けのコスメ、靴などのアパレルまで幅広い商品を備えています。なぜかというと、一人でも多くのお客様に新しい発見を提供したいと考えているからです。店舗の中の商品にバリエーションを持たせ、多岐にわたる様々なカテゴリーを雑多に陳列することで、面と面、線と線が結びつき、特別な新しい発見が創出された結果、空間自体が面白いものになると考えています。

 

―アメリカや日本では、b8taはどんな企業とどんなコラボレーションをされているのでしょうか。

Googleとは、アメリカや日本でもコラボレーションしました。日本では、b8ta Tokyo – Yurakuchoのエクスペリエントルームと呼ぶ半個室に出品いただいています。。アメリカでは、トレラーを改造し、グーグルのスマートフォームを楽しめる空間を作りました。西海岸でサンフランシスコからラスベガスまでの道中にある、b8taの店舗をまわるツアーも実施したことがあります。

 

―企業側がb8taとコラボレーションを行うにあたって、どんなことに気をつければ良いでしょうか。

オフラインのイベントが現在はやりにくい状況ではありますが、今後はイベントからコラボレーションを積極的にやっていきたいと考えています。

最近のアメリカの事例では、オンラインのキュレーションサイトと一緒にコラボをし、サイト上に普段は並ぶ商品がb8ta店舗内に集結しました。他にも、フランスのアクセラレータの扱っている商品をサンフランシスコのお店に並べ、アメリカ参入の際のインサイトとして利用してもらうなどもありました。

 

―生活者は、b8taにどんなことを期待すれば良いでしょうか。

新しい発見と体験を期待していただきたいです。一般にご自身の興味のあるメディア以外に触れることはオンラインでは限界があるのではと考えています。グーグルなどで検索すればするほど、自分の興味のある分野に最適化されていくことになるかと思いますが、自分の興味のアンテナが働かない対象との偶然の出会いに期待する場合は、紙媒体や実店舗などになるのではないでしょうか。b8taでは、同様の発見と体験を是非期待していただきたいと思います。

 

―北川さんのこれまでのお仕事の経験談を教えていただけますか?b8taのどこが気に入って、参画しようと考えましたか?

数年前に、日本にb8taが参入するかもしれないという話を聞く機会がありました。その際は具体的な話は聞きませんでしたが、ついに昨年の夏に日本へ本格参入することが決まり、是非話をしたいという相談をb8taから受けました。

参画しようと思った理由は幾つかありますが、特に過去の自分の経験からフィットしている点と会社の掲げるミッションに共感できたのが大きな要因です。

小売業界は全体が厳しい状況にあるかと思います。組織で見ると、大企業は部門で業務が分かれがちであると感じていました。前職の外資系家電メーカーでは部門間での業務の細分化が課題でしたが、b8taであればガジェットだけでなく小売全般に波及できる可能性を持つビジネスモデルの将来性にも魅力を感じました。

 

―日本ではどのように展開しようと考えていらっしゃいますか?

日本市場に向けて、シンプルな空間づくりで統一感を増やしていきたいと考えています。例えば日本の伝統工芸品がその中に入ってくるのは十分考えられると思います。アメリカ本社のブランドガイドラインに厳守して店舗づくりを設計していきますが、もし、何か理由があれば、日本の店舗でも柔軟に対応できるような体制にしています。

2020年8月28日
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インテリアコーディネーターの最前線:後編
小島真子(MAKO) 株式会社Laugh style代表

by twistdesign 2020年8月11日

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インテリアコーディネーターとしテレビや雑誌など多数のメディアにも出演されているMAKO(小島真子)さん。株式会社Laugh style代表としてモデルハウスやサロン、オフィス、ホテル、個人宅のインテリアコーディネート・スタイリングをベースに、近年では法人企業とコラボレーションして商品や店舗のプロデュースを行われています。今回はMAKOさんに、インテリアコーディネーターとしてのキャリアやそのやりがい、自宅のインテリアをアップデートするコツなどについてお話を伺いました。

 

―インテリアコーディネーターとして、「豊かな暮らし」とはどのようなものだと思いますか。

暮らしの豊かさというのは、心の満足度や暮らしの充実度からくるものだと思います。モノによって豊かさを感じることもありますし、人との関わりにおける豊かさというものもありますよね。たとえば、自分のお気に入りのマグカップで好きなコーヒーを飲むことで充実感を得て豊かさを感じることもありますし、家族と一緒にバルコニーでご飯を食べるのが楽しみという人もいる。どちらにしても空間というものが関わっていて、切っても切り離せない関係にあると思います。結局「暮らしの豊かさ」は心のありようだと思うので、そのために空間をつくっていくことが重要だと思います。食卓にちょっとしたグリーンを置くとごはんも美味しくなるとか、使いやすいスタッキングチェアを使って家族との時間を楽しむようにするとか、空間に注目して暮らしの豊かさを創り上げていくことができると思います。

心理的に充実することが暮らしの豊かさになっていくと考えると、「ていねいに暮らす」というのも大切なことだと思います。最近は時短が流行りですし、スマートスピーカーの「アレクサ」に頼めばいろいろなことが簡単に出来ますよね。けれど全部システムなどに頼ってしまうと生活を楽しむ部分もなくなるかもしれないと思っています。たとえば身体的にハードルがあるのなら自動カーテンを使えばいいですが、元気な人なら「朝起きてカーテンを開け、朝日をあびる」ようなことが、ていねいな暮らしやさらには豊かな暮らしにつながると思います。七夕などの季節の行事も食卓の中に少し取り入れたり、家族みんなで楽しむ時間を持つのも大切ですね。ていねいな暮らしをじつげんするためには「気づき」が重要だと思っています。すべてを自動にしたり他人任せにしてしまうと、自分の視点を変えたり、新しいコトや好きなことに対する気付きを得ることが難しくなると思います。

豊かさのためには、さりげないことでも毎日の暮らしに変化をつけていくことも大切だと思います。トイレの芳香剤をかえたり、飾る花を変えたりとか。たとえば壁紙でも、賃貸やアマチュアの人でも使えるような商材も最近ありますよね。そういうことで少しの変化を起こしていくのも大事だと思います。自分がいる空間に興味を向けてあげると、豊かな暮らしへのヒントが得られるのではないでしょうか。心の豊かさは毎日がすべて同じだと生まれないと思います。すこしでも気持ちを上げたりするために、変化をつけることが必要ですね。

 

 

―本サイトは「デザイン」をテーマにしていますが、インテリアコーディネーターとして自由にデザインしたいと思うことはありますか?

ふだん、お仕事でコーディネートするときに、お客さんから依頼されてつくった施工例というのは、わたし自身のデザイン・作品ではないと思っています。仮に依頼主が予算だけくださって、自由にやっていいとなれば作品といっていいかもしれませんが。

結局、コーディネーターというのは、お客さんがつくりたいものイメージしているものを掘り出して組み立てる役割なので、自分が好きなものだけを創り出しているというのとは少し違いますね。実際、組み立てたときに100%の状態でつくってしまうと、住む人が飽きてしまったりその後に変化をさせづらくなる。インテリアコーディネートにおいては「ヒトが住むこと」というのが最も重要だと思うので、住む人による変化が当然ありますし、人のエッセンスがコーディネートを最終的に完成させると思っています。そういう意味では、ふだんのお仕事でも住む人が何も出来ない完成されたインテリアということではなくて、住む人が心地よく味付けできてその後の人生や時間の中で変わっていく余白があるようなデザインを心がけています。

余白があって、心地よい空間をつくってあげると、住む人も思考が変化して「こういうのは合うかな?」などご自身で考えるようになります。コーディネーターの自己満足のために完璧につくるよりも、住む人が考える余白・変化の可能性を残しておいてあげたいと思うので、自分の好きなだけのデザインというよりもお客様の心地よさに合うデザインというものをつくっていくことが楽しいですね。

 

―いま、多くの企業がデザインの価値を見つめ直し、新しい取り組みにチャレンジしようとしています。

本サイトをプロデュースしているGUMの歯磨きで有名なサンスターが、『「お口」「カラダ」だけではなく、「生活空間」から健康に。』というテーマを掲げ、『カラダがよろこぶ空気。』をコンセプトとした脱臭除菌システム『QAIS -air-』を発売しました。こうした取り組みをどう思われるでしょうか。

 

サンスターさんといえば歯磨き粉や歯ブラシなどオーラルケアが代表的な商品だと思います。今までの商品はある程度マーケティングを重視して販売されている商品なのかなと思っていたのですが、今回のQAISという商品は会社の思想を大切にして、それを広めたいというような考えのあらわれた商品なのかなと思いました。日用品のメーカーさんが、ちょっと領域を飛び出して空間に関わる商品を考えることは面白いと思いました。視野が広がっていて、新しい挑戦のようで面白さを感じましたね。

QAISをみると、あえて従来の空気清浄機のような価値提示ではなく「カラダがよろこぶ空気。」というキャッチコピーで、差別化・インパクトを出していると思いました。今まで無かったような表現で価値を表してあって、すごく考えられたコンセプト・ブランディングだと思います

 

―MAKOさんのお仕事の中で脱臭や除菌の課題が出ることはありますか。

ふだんのお仕事の中で、臭いや除菌に関するニーズは多くありますね。いまは室内にペットがいるのは当たり前ですし、ほとんどのお宅が脱臭機や空気清浄機などをお持ちですよね。やはり人の家というのはそれぞれの臭いがします。ペットのいるご家庭は臭いが気になることは多いですね。リフォームの際にアロマや芳香剤のおすすめを聞かれることもあります。それだけ、空間の中で臭いや除菌ということを重視する人も増えているのかなと思います。

 

―MAKOさんがいま興味を持っていることは何ですか。

最近はいつまでも若々しくいられるにはどうすればいいだろうかということに興味があります。取材やTVの収録など人前にでるときは、メイクさん入ってくれますが、時間がかかるので大変なときもあります。とはいえ自分でヘアメイクを用意するのも大変なので、お化粧以外にも老いを感じさせないような工夫に興味がありますね。芸能人の方は肌を若々しく見せるための美容法やさまざまな工夫を試している方もいらっしゃいますが、どちらにしろベースを自分でつくっていかないといけないですよね。野菜をしっかりとったり、食べすぎに注意したり、元気のもとになる栄養素をしっかり取ったり、というようなことに興味があります。肌のケアのしかたや、筋肉・体作りなど、意識していますね。最近はWebやYouTubeなどの動画で沢山の情報がありますが、自分に合う方法が何なのか、取捨選択して取り入れていきたいと思っています。

具体的に変えたことでいうと、私はもともとアルコールが大好きだったのですが、最近は控えめにするようになりましたね。アルコールとして飲んでいた量を水にかえるようにしたいと思っています。体の変化なのか、アルコールを飲んだ後は寝起きが悪くなったり途中で起きたりするようになってしまったので、毎日晩酌したり酔ってしまうような飲み方はやめました。あと、食生活でいうと、フルーツはできるだけとるようにしていますね。納豆とキムチなどの発酵食品も積極的にとっています。野菜はもともと好きなので、お肉よりも野菜たっぷりの食事がおおいです。基本的には塩コショウとオイルなどを使って、シンプルな味付けを心がけていますね。炭水化物もカレーなど大好きなのですが、バランスよくとっています。仕事上、テーブルコーディネートすることもあるので、料理全般をある程度できるようにしています。

 

―仕事に関連して、最近興味があることはありますか。

「ワーケーション」というビジネスに興味がありますね。ワークとバケーションの造語で、旅するような感覚や旅先になるような場所で仕事をすることなのですが、今後どのように広がっていくのか興味があります。観光としての広がりもありますし、ホテルや観光地が協力してどのように事業展開していくのか興味がありますね。たとえばアウトドアメーカーのSnow Peakさんもワーケーションの取り組みをされているようなので、アウトドアとコラボしたりすると面白いかもしれないですね。

 

―在宅時間が長くなっている今、インテリアでできることはありますか。また、在宅ワークを始めた人に、おすすめの工夫はありますか。

まず単純に、いらないものはキレイにしましょう。お家時間が長くいと行動が制限されますよね。さらに物が多すぎるお宅だと、その場所が自分にとって居心地が良くなくてストレスになってしまう。やはり物が積まれているよりは、スッキリしている方がよい空間になるので、片付けから手を付けると良いと思います。物を整理してスッキリしたら、アロマで香りを変えたりするのもいいかもしれません。また、自分が常に目にするところや同じ家のなかでも自分の場所に変化をつけてあげると、気分転換になっておすすめですね。

在宅ワークでもご夫婦がふたりとも自宅で働いている場合、男性が個室にこもっていて、女性の方がダイニングやリビングで仕事をするという方の声を聞きました。とくにダイニングなどで仕事をしていると、皿洗いの残りが目についてしまったり、ちょっとした家事に気がついてやってしまったり、仕事と家事の境目がなくなってしまうようです。生活空間のなかで仕事をしているときは、空間をうまく区切るのは大切かもしれません。

スペースが限られているお宅では、例えばリビングのソファーをフラットソファーにして、リビングスペースとダイニングスペースを物理的に区切ってしまうとか、家具の配置によっては工夫ができると思います。部屋の一角に90cmくらいのデスクとパーテーションを設置したり、壁面に設置するライティングビューローなどの家具で工夫することも可能だと思います。通勤や時間でうまく区切れないところを、簡易的なパーテーションを設けるとか視界で物理的に区切ってしまうことで、在宅ワークの環境も改善できると思います。家具メーカーも在宅ワーク向けのスペースづくりを意識した家具を発売しはじめていたり、アフターコロナ・ウィズコロナの時代にお家のスペースづくりも変わってくるかもしれませんね。

 

MAKO(小島真子)さんプロフィール
株式会社 Laugh style代表 インテリアコーディネーター

モデルハウスやサロン、オフィス、ホテル、個人宅のインテリアコーディネート・スタイリングをベースに、近年では法人企業とコラボレーションして商品や店舗のプロデュースを行う。
日テレ『ヒルナンデス』、TBS『Nスタ』、テレビ東京『インテリア日和』他、ラジオ・雑誌・WEB等数多くのメディアに出演。また、『積水ハウス』等法人でのセミナーや、『日本経済新聞』等への執筆活動など幅広く活動中。

2020年8月11日
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インテリアコーディネーターの最前線:前編
小島真子(MAKO) 株式会社Laugh style代表

by twistdesign 2020年7月20日

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インテリアコーディネーターとしテレビや雑誌など多数のメディアにも出演されている小島真子(MAKO)さん。株式会社Laugh style代表としてモデルハウスやサロン、オフィス、ホテル、個人宅のインテリアコーディネート・スタイリングをベースに、近年では法人企業とコラボレーションして商品や店舗のプロデュースを行われています。今回はMAKOさんに、インテリアコーディネーターとしてのキャリアやそのやりがい、自宅のインテリアをアップデートするコツなどについてお話を伺いました。

―はじめに、インテリアコーディネーターとはどのようなお仕事なのか教えてください。

ひとことでインテリアコーディネーターといっても、いろいろなタイプの仕事があります。家具屋さんなどで家具を販売されている方もいれば、展示場やハウスメーカーなどで内装材を決めるコーディネーター、家をつくる過程で内装などのお手伝いをする方、セミナーや専門学校での講義を中心にインテリアコーディネートを教えている方もいます。その中でも、わたしは何かに特化しているというよりも、全てをやっているという感じですね。新築のお宅なら壁紙や床材の内装材を決めるお仕事もありますし、リフォームのご相談に乗ることもあります。店舗や住宅のインテリアコーディネートをしたり、一緒に家具屋さんに行って家具の選定をお手伝いしたり、セミナーなどで教えるお仕事をすることもあります。インテリアコーディネーターは、「空間」という観点で生活を豊かにするお手伝いをする仕事だと思っています。

お客様は多岐にわたっていて、一般のご家族や、店舗・サロン・飲食店のオーナーやクリニックの先生などが多いですね。セミナーやイベントであれば広告代理店や企業の方からの依頼も多いです。家具メーカーからのご依頼もありますし、商業施設で住まいに関するイベントをやる際にゲストでお話をすることもあります。

―たとえば新築の家のコーディネートの場合、どのような仕事の流れになりますか。

新築の場合、間取りはハウスメーカーや設計士さんの時点で決まっていることが多いです。間取りがきまると次の段階として室内の内装材を決定していくことになりますが、主に床・壁紙・天井などの大きな面積の他、床の幅木や天井の廻り縁、ドア本体やドアの取手など、多くの細かな部分も決めていくことになります。
そのような内装材の選定部分の際に、コーディネートのご依頼を頂くことが多いです。
建築スケジュールにのっとって、お客様とコーディネーターが一緒に相談しながら決めていくのですが、上棟時にはほぼ内装材の決定をしておくようなスケジュールになります。
壁床などの内装は既に決まっていて、家具だけのプランをご依頼いただくこともあります。その場合はご依頼から2週間くらいでご提案することが多いですね。

―家具のコーディネートをするときは?

お問い合わせがあった時点で、お客様の予算とお部屋のイメージやお好きなテイストをうかがいしてお見積りをお出しします。そこでマッチすれば、実際にお会いするときにご希望のテイストをベースに詳しくヒアリングしていきます。お子様の有無やペットがいるかどうか、日中は留守にしていて夜過ごすことが多いかどうか、仕事をしているのか、生活リズムなど、その人のライフスタイルによりレイアウトや選ぶ家具を決めていきます。住む人の生活を理解していないと満足いただけるコーディネートにならないので、ヒアリングは重要ですね。私らしいコーディネートというのはもちろんあるのですが、ニーズをきいてお客様に合せた提案をしていくことも重視しています。

―インテリアコーディネーターにはどんな人が向いているのでしょうか。

マメで体力ある人が向いていると思います。おしゃれな仕事のイメージがあるかもしれませんが、実は結構ハードな仕事です。例えば家具が納品された時に位置が悪ければ自分で重量のある家具を持って動かす必要がありますし、車両誘導や掃除など泥臭い仕事もします。意外と気づかないポイントとしては、周囲のお宅やお店への気遣いですね。納品や作業の際に周囲のお宅にご迷惑にならないように気遣いをしたりする必要もある。個人のお客様なら今後のご近所付き合いもありますし、法人なら売上や評判にもかかわってくることなので、室内だけではなく周囲への影響にも気配りできることは必要かと思います。

インテリアコーディネーターに向いている人としては、いろいろな要素があると思いますが、お部屋や装飾、ファブリックやアート、家具が好きな人は多いですね。もともと家具屋さんから、フリーでインテリアコーディネーターになる人もいらっしゃいますね。家具屋さんによるが、自社だけでなく他社メーカーの商品に詳しいような場合、独立される人も多いのではないでしょうか。また、情報収集のために展示会やレセプションなどにこまめに出かけたりする必要もあります。
お客様とイメージを共有する力も重要ですね。コーディネートをつくる際には、まずお客様にヒアリングします。いただいたイメージや言葉をもとに、家具や事例の写真を使いながら具体的なイメージ共有をしたり、3Dイメージでプランをお見せします。人によってはイメージをビジュアルでお見せしても、色やテイストについてご本人の好き嫌いをなかなかうまく言語化できないお客様もいます。空間認識も人によって差があるので、実際に作り込んだ結果、お客様のイメージしていたものと異なったり、認識の齟齬が発生することがあります。イメージ共有のための表現力や、お客様のご要望を理解する力も必要だと思います。

―インテリアコーディネーターのやりがい、面白さとはどんなところにありますか?

私はもともと部屋が好きなのですが、家具や照明などに特定のものに対してものすごいマニアックなわけではないんです。ただ、インテリアのBefore Afterが大好きなんです。メイクもファッションも、Before Afterはおもしろい。前後の変化を感じられるのが、自分にとっては面白さを感じるポイントだと思います。
あと、自分にとって衣食住でいう「住」というのは一生関係していきたいことだと思っています。仕事として考えたとき、衣食住の3つの項目の中でも住というのはトレンドに左右されにくいと思います。もちろん家具や素材などで細かいトレンドはあるのですが、ニーズに対しての基本のやり方は変わらない。住なら、自分のセンスやトレンドに対するアンテナが多少落ちても、基本の部分はキープして長く仕事としてやっていけると思っています。
人って、動かなくなると感覚が鈍ってしまいますよね。だから常に行動しながら、いろいろなものを見る機会をとりいれていきたい。年齢による衰えはどうしてもあるから、それとリズムを合せて仕事をしていきたいですし、自分が働きやすくやりがいを感じられる環境を「住」にかかわる仕事でつくっていきたいと思っています。

―MAKOさんがインテリアコーディネーターになろうと思ったきっかけを教えてください。

雑誌の「私の部屋」を見ることが好きでした。
インテリアコーディネーターの資格は当時22歳からの受験資格となっていたので、短大をやめて働き始めました。
最初は高校生のとき趣味で通っていたスポーツクラブで働いていましたが、やはり不動産・住まい系がいいなと思い不動産会社で働きはじめました。働いていた不動産会社は競売物件の取り扱いが多かったのですが、そこで壁のクロスを選ぶお仕事がありました。いま見れば質感や厚みなど違いがはっきり分かるのですが、当時はクロスを見本表から選ぶときにも、同じような白い壁紙ばかりでどんな違いがあるか分かりませんでした。不動産会社での内装の仕事をきっかけにインテリアの勉強への熱が再燃しました。
また、賃貸の仲介をしているときに「この部屋、もう少し収納が多かったら契約したのに!」と言われたことがありました。不動産屋の立場では間取りは変更できないですが、インテリア的に収納を改善する提案ができるのではないかと思い、インテリアコーディネートへの意識が強まりました。

その後、宅建やFPなど住居関係の資格をとって、コーディネーターの資格も資格取得学校でとりました。資格は学校で取得したので、当初はインテリアコーディネーターの仕事があまり具体的には把握できていなかったのですが、必要そうな分野は自分で調べたり、レッスンやセミナーを受けて勉強しました。

―これまでのお仕事で、どんなものが印象に残っていますか。

インテリアコーディネーターを依頼するお客様って、お部屋のおしゃれさへのこだわりが強い人が多いようなイメージがあると思うのですが、おしゃれでセンスの良いお部屋を求める人もいれば、こちらが提案するより「もうちょっとダサくてもいい」という人も実はいるんです。私の提案はとてもおしゃれで気に入っているが「自分には合わないのでもう少しダサくして欲しい」というお客様もいます。そのようなお客様と接することを通して、素敵な暮らし・憧れの部屋を実現したいという人もいれば、より現実的なものを求める人もいるということが分かってきたのが印象的でした。
一般の住宅でなく、例えばモデルハウスでも、万人が「おしゃれ!」と思うようなコーディネートよりも、10人に1人が気にいるような部屋にして欲しいというオーダーがあります。たとえば「50代以上の夫婦で、おしゃれへのこだわりよりも居心地を重視する」というようにターゲットが明確な場合、現実感のあるようなコーディネートの方が売りやすいというようなことがあるようです。
インテリアコーディネーターとして、私なりのスタイルでおしゃれな空間をご提案をすることも大事なのですが、最終的にはそこに長く住み続けていくお客様の居心地の良さが大事です。そういう意味で、自分の理想や自己満足を押し付けないように気をつけていますし、完璧すぎない・余白のあるコーディネートということを意識しています。

―最近は企業とのコラボレーションの仕事も増えていらっしゃるようですね。企業さんとのお仕事で印象的なものはありますか。

AtoZという会社のキャンピングカーの内装のお仕事が印象的でした。埼玉のキャンピングカー会社さんなのですが、キャンピングカーの内装を変えることでお客さんにアピールしたいということでご相談いただきました。ネーミングや使用シーン、ストーリーの設定から、実際の内装のコーディネートまでプロデュースしました。50代以上をターゲットにした落ち着いたテイストのシリーズや、30代をターゲットにした明るい印象のシリーズをコーディネートして、同社のキャンピングカー製品としてパッケージ化しました。いま、キャンピングカーはアウトドアの流行や防災の観点からも人気がありますよね。インテリアコーディネーターとしてのお仕事は、いろいろなところに広がりがあると思いますが、その中でも面白いお仕事でした。

―個人宅でのインテリアを改善するとき、どこから手を付けるとよいでしょう。

改善できるポイントは沢山あると思います。
ただ、インテリアコーディネートを考える以前に、そもそも部屋の大きさに対して物が多すぎるお宅というのがよくあります。不要なものが部屋の隅に積み重なって高さが出ていたりすると、それだけで乱雑な印象になってしまいますよね。まずは不要なもの、使っていないものを処分することから始めるといいかもしれません。
家具の配置というポイントでいうと、家具の高さや奥行きの凸凹は高さや奥行きがデコボコしていると、お部屋が整って見えにくいです。奥行きの異なる家具を並べて使っているなら、壁にぴったりつけるのではなく手前の位置をそろえるだけで部屋が整って広く見えるようになります。
また、遠近感を利用するのも1つのポイントです。人の目というのは遠近法で遠くのものを小さく感じ手前のものを大きく感じますよね。それを利用して、部屋の入口側など手前に高さのある家具を置いて、部屋の奥に行くにしたがって背の低い家具を置くようにすると遠近感が強調されて奥行きを広く感じることができます。
あとは意外なところでいうと、カーテンの長さが足りない、もしくは長すぎるようなお宅も結構あります。カーテンを短すぎず、かといって床にこすらない程度の適切な長さにするだけでも整って見えますね。

―自宅のコーディネートを変えたい時、どのようなところでインテリアグッズを購入したりアイデアを得るといいですか。

家具屋さんがいちばん良いと思います。家をひきたてるのは家具、家具をひきたてるのは小物だと思っているのですが、空間や家具の良さをシーンとして演出してあるのが家具屋さんの魅力です。インテリアに詳しい人なら家具単体を見て「どのようなシーンやコーディネートなら、この家具の魅力を活かせるか」というのが分かると思うのですが、一般の人が家具だけを見てイメージするのは難しいときがあるので、シーンを想定できるような見せ方になっている必要があると思います。やはり、それがうまく設定されているのが家具屋さんですね。
いまの家具屋さんはライフスタイルショップといって、家具を陳列するだけではなく、ライフスタイルに関するグッズまで揃えて提案しているお店が増えてきています。例えばダイニングテーブルのセッティングに照明や朝食の食器などを合せたシーン展示がされていますよね。そういうお店を参考にすると、展示されている家具をどのように生かして、小物は何を合わせるといいか、というような具体的なイメージがしやすくなると思います。

小島真子(MAKO)さんプロフィール
株式会社 Laugh style代表 インテリアコーディネーター
モデルハウスやサロン、オフィス、ホテル、個人宅のインテリアコーディネート・スタイリングをベースに、近年では法人企業とコラボレーションして商品や店舗のプロデュースを行う。
日テレ『ヒルナンデス』、TBS『Nスタ』、テレビ東京『インテリア日和』他、ラジオ・雑誌・WEB等数多くのメディアに出演。また、『積水ハウス』等法人でのセミナーや、『日本経済新聞』等への執筆活動など幅広く活動中。

2020年7月20日
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PR QAIS

特集記事

日本におけるデザインの未来 
石川俊祐. KESIKI Partner 元IDEO Tokyo Design Director

by twistdesign 2020年6月19日
石川俊祐

PR QAIS

2019年、デザイン思考のアプローチを通じて、愛されるカルチャーやエクスペリエンス、そしてそれを生み出す企業をデザインすることを掲げ、株式会社 KESIKIを立ち上げた石川俊祐さん。クリエイティブ最先端の国、イギリスでデザインを学び、デザインコンサルティングファームIDEO の東京オフィス立ち上げ時期に参画するなど、海外の経験を生かし国内で活躍の場を広げてきました。海外と日本、分野を超えた幅広いプロジェクトに数多く携わるなかで、日本こそデザイン思考のポテンシャルを秘めた国だと確信したと言います。デザインの力を信じ、「日本から世界へ」という強いパッションとともにデザイン思考を広めてきた石川さんに、日本人にとってのデザイン思考と、今後の日本におけるデザインの未来についてお話を伺いました。

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2020年6月19日
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