ユニバーサルデザインとは?7原則と代表的な例を紹介

by twistdesign
ユニバーサルデザインとは

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●ユニバーサルデザインとは?

ユニバーサルデザインという言葉が身近なものになりました。気づかないかもしれませんが、私たちは多くのユニバーサルデザインに囲まれて生活しています。ユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍・年齢・性別の違いや、ハンディキャップの有無にかかわらず、できるだけ多くの人々に使いやすい製品や環境をデザインすることを指します。身体の大きな人や小さな人、お年寄りや小さな子ども、身体の不自由な人や病気の人、左利きの人やお腹に赤ちゃんのいる女性など、世の中にはいろいろな人がいます。それらすべての人が安心で豊かな生活を手に入れられるデザインを目指し、考え、実践していくことが、ユニバーサルデザインの本質なのです。

ユニバーサルデザインの7原則

建築家で工業デザイナーでもあるアメリカのロナルド・L・メイスによって提唱されたユニバーサルデザインの考え方は、次の7つを原則としています。

<ユニバーサルデザイン7原則>

  1. 使う人を選ばず、誰にでも使える(公平性:Equitable Use)
  2. さまざまな使い方ができる柔軟性がある(自由度:Flexibility in Use)
  3. 使い方がシンプルで、直感的にわかる(単純性:Simple and Intuitive Use)
  4. 必要な情報がわかりやすい(明確さ:Perceptible Information)
  5. 誤用が重大な危険につながらない(安全性:Tolerance for Error)
  6. 少ない力で効率的にラクに使える(省耐力性:Low Physical Effort)
  7. 移動・使用空間にゆとりがある(空間確保性:Size and Space for Approach and Use)

こうしたユニバーサルデザインの理念は、教育、介護や福祉などの特定の現場でだけ用いられる考え方ではありません。誰もが利用する建物、交通、サービス、書籍、放送、インターネットサイト上のコンテンツなど、多くの場面で多様性が前提となるデザインが求められています。出入りがスムーズな自動ドア、押しやすいスイッチ、読みやすいフォント、閲覧しやすいWEBページなど、私たちはすでに多くのユニバーサルデザインに囲まれて暮らしています。個人の能力にかかわらず、一人ひとりの多様性が尊重される環境を整えることが当たり前の世の中になってきているのですね。

バリアフリーとの違いとは?

ユニバーサルデザインとよく似た印象の言葉にバリアフリーがあります。混同されがちですが、発案された背景が大きく異なり、その定義にも違いがあります。それぞれの言葉が生まれた歴史とあわせてその定義を知ることで、バリアフリーとユニバーサルデザインの違いが理解しやすくなります。

第二次世界大戦後、アメリカでは、戦争で負傷した軍人の支援や、病気や事故で障害を負った人への就労が社会問題となりました。その対策として広まっていった言葉が“バリアフリー”です。バリアフリーとは、助けを必要とする人々が社会生活を送るうえで障壁となるバリアを取り除こうという考え方。住宅や施設の段差をなくし、車椅子などで利用しやすいようにリフォームする事例がこれに当たります。(現在では設備だけにとどまらず、社会制度、人々の意識、情報やサービスのあり方など、さまざまな障壁を取り除くことも意味しています。)

しかし、高齢者や障害者といった特定の人たちだけを対象としてバリアを解決するものづくりに違和感を覚える人が現れてきました。その一人が、アメリカのロナルド、L・メイスです。彼の提唱するユニバーサルデザインとは、みんなのためのデザイン(Design for ALL)の理念で、最初からすべての人に使いやすいものを作る設計手法。ユニバーサルデザインの考え方は、急速に世界に広がっていくこととなります。日本では、1970年代には障害者と健常者の両方に配慮するバリアフリーの概念が生まれており、それに続く形で1980年代からユニバーサルデザインの思想が広まっていきました。

つまり、バリアフリーとは、高齢者や障害者など、特定の人たちにとってのバリア(設備、社会制度、人々の意識、情報やサービスのあり方)を取り除くという考え方で、過去の反省に立ったアプローチで発達したもの。ユニバーサルデザインは、はじめから障壁のない設計をあたりまえにしようとする考え方で広まっていったもの、という違いがあるのです。

●身近にあるユニバーサルデザインの例

私たちの身近には、たくさんのユニバーサルデザインがあります。その例を、公共施設、文房具、生活用品、ピクトグラム標識(意味をとらえやすい図記号)の4つのカテゴリ別にピックアップしました。ここに挙げるのはほんの一例です。身近にどんなユニバーサルデザインがあるか注意を向けてみると、思いのほか多く見つけられることに驚くかもしれません。

公共施設や乗り物

<多機能トイレ>

トイレ
身体の不自由な人や車いす使用者、高齢者、障害者、子ども連れなど、通常のトイレを利用するのが困難な事情を抱えた人に配慮した、誰でも安心して利用できる高機能トイレ。多目的トイレ、誰でもトイレなどとも呼ばれ、ユニバーサルデザインの公共施設としては最も身近な例の一つです。車いすが利用できる広いスペース、手すり、開け閉めしやすい戸のある入り口、人工肛門・人工膀胱を造設している人(オストメイト)用の汚物流し台、施錠操作のしやすいカギが備えられています。また、乳幼児のおむつ交換台や椅子、大型ベッド、洗浄便座、呼び出しボタンなどがある場合も。旅客施設、官公庁施設、福祉施設、病院などでは普及が進んでいますが、オフィスや小規模施設で多機能トイレを備えているところはそう多くないという現状です。

<ノンステップバス>

ノンステップバス

出典:わった〜バス党

誰でも安全に乗り降りできるように、出入口の段差(ステップ)をなくしたバス。2000年のバリアフリー法施行をきっかけに浸透したユニバーサルデザインの事例です。低床バスとも呼ばれ、車内には車いすスペースを確保。大都市部では導入率 100%の事業者がある一方で、地方では導入がなかなか進まない状況もみられます。バス会社のインターネットサイトでバスの種類(ノンステップか普通のバスか)や現在位置などの運行情報ページを事前に確認することで、よりスムーズに利用することができます。

文房具の例

<シャープペンシル(フィットカーブ)>

シャープペンシル(フィットカーブ)

出典:KOKUYO

文房具には、ユニバーサルデザインの例が多く見られます。こちらは、ユニバーサルデザインの文具や雑貨を多数販売しているコクヨの商品。手にフィットして無駄な力が入らないグリップは、どんな握り方でも疲れにくく、一度使えばお気に入りの一本に。詳細な調査と工学的裏付けから商品化された文房具です。

<カドケシ>

カドケシ

出典:KOKUYO

もう一つ文房具の例として、10個のキューブがあつまったユニークな形の消しゴム。使っていくうちに次々と新しいカドが現れるので、ノートに書き込んだ細かい文字なども快適に消すことができて便利です。製図やデザインなどを紙上で行う社会人から、細かい板書やマークシートを消す機会の多い高校生にまで幅広く人気。子どもからお年寄りまで誰にでも使いやすいステーショナリーです。※現在は生産終了

⇒ユニバーサルデザインの文房具をもっと見る

生活用品

<シャンプーボトル>

シャンプーボトル

出典:花王

慣れ親しんだ生活用品であるシャンプーのボトルに刻まれたギザギザの突起は、身近にあるユニバーサルデザインの代表例。目の不自由な人や字が読めない人にもシャンプーとそのほかのボトルが区別できるように工夫された結果です。シャンプー中に目をつぶっている場合や、メガネをかけていないとき、子供が使う場面などにも便利。

<各種カード>

Suica

出典:JR東海

QUO

出典元:チケットポート

目の不自由な人が利用する際、カード種類や差し込む方向の判別がしやすいよう配慮されたデザイン。カードの右端に三角や扇の形の切込みがあり、手で触れるだけで必要な情報が理解できる商品です。

ピクトグラム(標識)

<非常口のピクトグラム>

非常口のピクトグラム

何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号のひとつであるピクトグラム。案内用図記号や絵文字などと呼ばれ、すべての人に分かりやすく、できるだけ正確に情報を伝えるというユニバーサルデザインの考えに基づいて開発された標識です。この非常口のサインは誰もが見たことがあると言ってもよい身近なピクトグラムの例。日本が生んだ世界標準デザインとして有名です。

<車椅子マークのピクトグラム>

車椅子マークのピクトグラム

こちらも多くの人にとって見慣れたサインの一つ、車椅子に人が乗っている様子がデザインされたピクトグラムです。障害のある人々が利用できる建築物や施設であることを示す世界共通のマークで、正式名は「障害者のための国際シンボルマーク」。バリアフリーの施設や、ユニバーサルデザイン設備などに明示されています。

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