「デザイン思考は一部の人のためのものではない。僕らはみんなデザイナーになり得るんです。」
そう語るのは、KESIKI INCのパートナーであり、デザインコンサルティングファームIDEO Tokyoの立ち上げに従事したことでも知られるデザイナーの石川俊祐さん。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーティンズを卒業後、パナソニックデザイン、PDDイノベーションUKなどを経て、2013年、イギリスから日本に拠点を移しデザインディレクターとして数々のイノベーションプロジェクトを成功させてきました。日本の企業や教育機関、そして私たち一人ひとりに向けて「本当のデザインとは何か?」「日本人にとってのデザイン思考とは?」というメッセージを発信し続けている石川さんに、デザインの持つ力とその本質についてお話を伺います。第5回は、石川さんがデザインを学ばれたイギリスにおけるデザイン教育と、クリエイティブ産業について。そして次回第6回は、今後の日本においてのデザインの未来について、ご意見を頂きます。
特集記事
第4回は、第3回に引き続き、デザイナー、デザインマネジメントのプロフェッショナルとして国内外で活躍された元ソニー株式会社クリエイティブセンター(デザイン部門)のセンター長で、現東洋大学情報連携学部教授を務める土屋雅義先生にお話しを伺います。モノの価値、コトの価値、そしてキモチの価値が重要視され、テクノロジーの進歩によって問題解決の手段をAIなどに任せられる時代となったいま。社会や価値観の変化にともなって、新しい価値を創出するデザインが求められてくるようになりました。では、企業はデザインをどう活かし、どうビジネスに役立てていけばよいのでしょう。デザインマネジメントはどうあるべきか、土屋先生に伺いました。
インターネットの普及とともにITという言葉が広まり、ITをどう活用するかというICTや、モノとインターネットをつなぐIoTの技術が私たちの生活を便利にする時代になりました。世の中やビジネスシーンはめまぐるしい速さで変化し、デザインとテクロノジーの融合が加速度的に進行しています。いまや、テクノロジーよりもデザインの重要性が注目を集め、その影響力はますます拡大。企業でもデザインの重要性を認識し、デザイン的な思考を社内プロセスに採用するなど、ビジネスを取り巻く状況も新たな局面に突入しています。今回は、元ソニー株式会社クリエイティブセンター(デザイン部門)センター長で、現東洋大学情報連携学部教授を務める土屋雅義先生に、これからデザインの役割とそれを取り巻く環境の変化についてご意見を伺います。
企業経営に大きくかかわる存在として再定義されてきている「デザイン」。不確実で曖昧な社会を受け止め、前向きなビジョンを持ってベストの解決策を見出そうとするデザイナーのマインドセット、デザイン思考がいま注目されています。第1回では、デザインの考え方を企業における組織開発や人材育成、経営戦略に浸透させることの重要性について立命館大学経営学部教授、DML(Design Management Lab)チーフプロデューサーの八重樫先生にお話しを伺いました。第2回も引き続き、ミラノ工科大学でデザインマネジメントをご研究されている八重樫先生にグローバルな視点から見た日本のビジネスマネジメントについてお話を伺いたいと思います。
いま、「デザイン」は、プロダクトやグラフィックに対してだけではなく、企業経営に大きくかかわる存在として再定義されてきています。常にユーザー視点でものを考えるデザイナーやクリエイターの思考モデルである「デザイン思考」の有益性を理解し、企業価値向上のためにデザインを経営の中核に据える「デザイン経営(デザインマネジメント)」を実践する企業も増加しました。しかし、広く全体を見れば、これらのモデルの浸透・定着が十分だとは言い切れないのが現状。その効果を実感できなかったり、そもそも認知が十分でなかったりする企業が大半であるという調査結果も出ています。そこで、立命館大学経営学部教授で、DML(Design Management Lab)チーフプロデューサーも務める八重樫先生に、デザインマネジメントの意味するところと、その実践についてお話を伺いました。