現代の社会では「働き改革」によって、働く人がそれぞれの生活環境にあわせて柔軟な働き方を選択することができるような環境が企業に求められ、それに対応している企業も増えてきました。
そうした中で、「tele」と「work」、つまり「離れた所」と「働く」という意味を合わせた造語「テレワーク」という言葉が使われるようになっています。従業員が自宅で仕事を行うスタイル「在宅勤務」や、モバイル機器を使って場所を制限されずに仕事を行うスタイル「モバイルワーク」なども、テレワークのうちのひとつになります。
今回は、テレワークの在宅勤務にスポットを当てて、自宅で快適に仕事ができるインテリアを、今も人気が高い北欧風のインテリアでご紹介していきます。
テレワーク・在宅勤務で快適なワークスペースを作る手順
1.ワークスペースの場所と家具の配置を決める
まず、自宅のどこをワークスペースにするのかを決めます。書斎のような部屋があれば良いですが、なかなかそのように部屋をとることは出来ない場合も多いでしょう。その場合はリビングダイニング、寝室などでワークスペースを確保することになります。ワンルームであれば、場所は選べないので、配置などで工夫するとよいでしょう。
<リビングダイニング、寝室、ワンルームでの配置のポイント>
これらの場合は生活スペースの中にワークスペースを作るので、「ワークスペース」と「生活スペース」に空間を分けておくと、仕事に集中できる環境が生まれます。そうすることによって、ついだらだらと作業しがちな在宅ワークのオン・オフタイムの切り替えがしやすくなります。また、余裕があれば仕事に疲れた時にくつろげるスペースもあるとリフレッシュしてまた仕事に専念できたりするので理想です。
ワークスペースは生活導線の邪魔にならないよう、壁沿いに配置するとよいでしょう。また、集中力を高めるためにも、テレビが見えない離れた場所に設置することをおすすめします。
2.ワークスペースのカラーコーディネートを決める
カラーは心理作用が働くため、部屋のカラーを考えることは仕事に集中できる環境をつくる上で、重要とも言えます。
北欧風のカラーコーディネート
●アースカラー
ベージュ・オフホワイト・アイボリー・ライトグレーなどのアースカラーは視覚に刺激をうけにくく、落ち着いて仕事をすることができます。部屋のベースカラーとして取り入れるとよいでしょう。
●スモーキーカラー
自然界にある色合いのアースカラーに分類される色で、リラックス効果があります。アソートカラー(強調色)として用いるとよいでしょう。
●グリーンとブラウン(木目)
まさに、北欧風のコーディネートには欠かせない配色です。どちらも自然界にあるカラーで、目に優しく癒し効果が得られます。家具をブラウンや木製のものにして、カーペットやカーテンなどグリーンにしてみるとバランスがよいでしょう。グリーンに観葉植物を取り入れるのも北欧風です。
アクセントカラーとしてワークスペースに取り入れたい色
●ブルー
精神を安定した状態に保つことができ、集中力を高めてくれる色です。全てがブルーだと少し冷たく圧迫感がでてくるので、刺激の少ないベージュやオフホワイト、ベージュにアクセントカラーとして使いましょう。
●レッド
活力や緊張感を高める効果があるのため、集中力も高めることもできますが、目に刺激が多いため、色目は少しダークなレッドを選ぶとよいでしょう。ポイントに使うとちょうどよい感じになります。
●イエロー
活力や発想力を生み出す効果があります。レッド同様目に刺激が多いため、ポイントに使用しましょう。
3.家具選び
●デスク
使用するパソコンがデスクトップなのかノート型パソコンなのかによってサイズを変えるとよいでしょう。ノート型パソコンであればコンパクトなので、奥行が狭めのデスクを選ぶとよいですが、デスクトップは画面が大きくなるので、奥行はある程度あるほうがよいですよ!資料を広げるスペースも考慮して横幅も選びましょう。
●イス
長時間座ることになるので、座り心地のよい、疲れにくいイスを選びましょう。背もたれは広くて背骨のラインにそうようなもの、座面はお尻の丸みにそってやさしく包み込んでくれるやわらかい座面を選ぶとよいでしょう。
●収納棚
仕事関係の本や資料、仕事道具を整理するために必要です。机のそばに配置するのがよいでしょう。
●照明
手元を明るくてらして、集中力を高められるようなものを選びましょう。
●その他、集中力を上げるためのアイテム
・昼間の日光を遮ってくれるカーテン
・生活にメリハリをつけるパーテーション
・メモを貼っておくボードなど
・リモート会議用のバックにロールスクリーン
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例
テレワーク・在宅勤務に快適なワークスペースをつくる方法をお伝えしたこころで、いよいよ北欧風のテレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例をご紹介していきます。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例①
リビングに繋がる半個室のようなワークスペース
出典:Pinterest
リビングに続く少し奥まった空間にブックシェルフとデスクを設置してワークスペースとしています。リビングの一角でありながらも三方向が壁で閉じられているので、ワークスペースと生活スペースの区別がされていて、作業に集中できるような空間になっています。モノトーンでまとめているのでスッキリとして見えますね。
ワークチェアには北欧家具で最も有名なハンス J. ウェグナーのYチェアをチョイスされています。安定性があり、座り心地のよいワークチェアは仕事の効率をあげてくれることでしょう。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例②
壁に取り付けた収納棚ですっきりまとめるワークスペース
出典:COUCH
ホワイトをベースに木材や自然素材を組み合わせた北欧らしいインテリアです。ブラックをポイントにつかっているので、メリハリのある空間になっています。上の収納棚は天然素材のバスケット、ファイルは黒のファイルと統一感をもたせて並べて配置しているので、オシャレにみえてすっきりとした印象を与えています。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例③
ワークデスクでさり気なく空間を遮って作るワークスペース
出典:Pinterest
リビングとワークスペースの空間を区切るための役目を果たしてくれる上棚つきのワークデスク。家族と同じ部屋にいながらもほどよいパーソナルスペースを確保できて家族と丁度良い距離感を保ちながら仕事ができそうですね。もちろん、子供のリビング学習机としても活躍できます。リビングとダイニングの家具は木の素材とファブリックを組み合わせたもので統一し、ワークスペースも違和感なく溶け込んでいます。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例④
パーテーションでベッドスペースとワークスペースを分けたワンルーム
出典:marie claire
部屋がひとつしかない場合でもパーテーションをつかえば、空間のメリハリをつけることができます。こちらでは、ベッドスペースとワークスペースを圧迫感の少ないラダーパーテーションで区切っています。全体は薄いブルーグレーとホワイトをベースに、スアソートカラーを北欧テイストでよく使われるスモーキーカラーのここではブルー系で揃えています。さわやかな印象で、集中力がアップしそうな色合いですね。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例⑤
角を利用してスペースを有効活用するL字型ワークスペース
出典:Pinterest
狭い部屋でも部屋の角をL字型で最大限に利用すれば立派なワークスペースを作ることができます。L字型はワークスペースをコンパクトに収めることができ、壁2面に囲まれるので、個人的な空間を感じることができます。部屋の角なので暗くなりがちですが、大きなデスクライトでしっかり手元が照らされるようにされています。またスポット的に光が照らされるので集中力を高めることができるでしょう。天然の木の天板が温かみを感じ、床とマッチしていて素敵ですね。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例⑥
パーテーションをL字型にしてワークスペースを確保
出典:Pinterest
パーテーションをL字型にして、ワークスペースを作り出しています。ワークデスク、ワークチェア、フローリングに合わせて木材のパーテーションを使用しているので、違和感なく自然な感じで個人的な空間が作られています。床から天井までしっかり区切られていますが、ラダータイプで向こう側がうっすらと見えるので、圧迫感は感じられません。パーテーションに壁掛け機能が足されていて、カバンをひっかけたり、ちょっとした棚を取り付けて、北欧のオシャレな小物を飾ってみたりするのもよいですね。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例⑦
コンパクトな書斎にはインパクトのある照明がオシャレ
出典:Pinterest
仕事するには十分の自分だけの小さな書斎が自宅にあればベストですね。窓が少ない書斎などにはインパクトのある照明を吊るすと、一気にオシャレな空間が広がります。サイモン・カーコフがデザインしたnormann COPENHAGENの「Norm69」ペンダントライトがコンパクトでシンプルな書斎を、雰囲気のよい素敵な書斎に演出してくれていますね。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例⑧
ダイニングのサイドに素敵なワークスペース
出典:Pinterest
ダイニングルームの隅のちょっとしたスペースをめいいっぱい利用して、木のぬくもりを感じる素敵なワークスペースが作られています。ワークチェアにはデンマークの名作「セブンチェア」をチョイス。暗くなりがちな隅のスペースにはダウンライトやペンダントライト、ブランケットライトで明るさをキープ。小さな観葉植物たちが仕事の合間に目の疲れを和らげてくれそうですね。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例➈
収納がたっぷりで機能的なワークスペース
出典:Pinterest
サイズの違う引き出しケースを利用してあらゆるものを別けて整理整頓されています。また、パンチングボードで細かいアイテムをまとめたり、メッシュパネルでメモをとめたりと、オシャレで工夫がいっぱいの機能的なワークデスクになっています。たくさんケースや小物がありますが、色が「白」「木目」「黒」の3色で統一されているため、ゴチャっとした感じはなく、オシャレでキレイにまとまっているところがポイントです。
北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例⑩
青緑系の美しい壁の色が素敵なワークスペース
出典:Pinterest
青緑系のカラーが目に優しく、美しいワークスペース。やさしい色なので圧迫感を感じさせません。ワークスペースに是非取り入れてみたいカラーです。壁の色がインパクトあるので、家具は木製のシンプルな感じでまとめても十分様になる書斎です。細く繊細なアームがかっこいいブラックのブランケットライトがワンポイントとなっています。棚にお気に入りの北欧雑貨を飾ってみるのも素敵ですね。
まとめ
自宅で快適に仕事ができる北欧風のテレワーク・在宅勤務インテリアについて、快適なワークスペースを作る手順と北欧風テレワーク・在宅勤務で使えるインテリア事例をご紹介してきました。自宅で仕事を行う上でポイントとなるのは「ワークスペース」と「生活スペース」に空間を分けることです。そうすることで自宅にいながら仕事と生活のメリハリができ、快適なテレワーク環境が実現できます。
お気に入りのインテリアコーディネートを参考に、あなたの素敵なワークスペースを作ってくださいね。