北欧家具椅子の名作を知っていますか?有名デザイナーの製品の魅力に迫る

by twistdesign

【北欧家具の名作椅子】

インテリアスタイルで、定番の地位を確立している「北欧スタイル」。世界中に北欧インテリアや雑貨を紹介するインスタグラマーやブロガーいて、その人気は衰えるところを知りません。北欧スタイルインテリアに欠かせないのが、北欧の椅子。北欧ならではのナチュラルで暖かみのある雰囲気が漂う木製チェア、機能性にとことんこだわったチェア、ミッドセンチュリーを彷彿とさせるデザインのチェアなど、長年使える素晴らしいデザインの名作椅子がたくさんあります。北欧は家具デザインの巨匠と呼ばれる偉大なデザイナーを数多く輩出してきました。そんな巨匠たちがデザインし、長い時を経てなお愛される北欧デンマーク、フィンランド、スウェーデンの名作椅子を国とデザイナーごとにご紹介します。

 

【デンマーク】

日本で紹介される北欧家具で、代表的なものはデンマークのデザイナーによるものです。デンマークのインテリアデザインで一番重視されていることは機能や実用性。十分な機能や性能があることが確認されてから美しさを追求します。昔から引き継がれている高い技術と感性が、今でも世界中から高い評価を受けている理由でしょう。現代でも、その技術やデザインを受け継ぐデザイナーが輩出されています。

アルネ・ヤコブセンによる名作椅子

Arne Emil Jacobsen 1902〜1971

世界で最も有名な北欧デザイナーと言っても過言ではないアルネ・ヤコブセン。ヤコブセンは、北欧デンマークのモダニズムをリードした建築家兼家具デザイナーです。1920年代から70年代にかけて多くの有名建築をデザインしました。さらには「アントチェア」「スワンチェア」「セブンチェア」など、今でも人々に愛される機能的で座りやすく、デザインも美しい、北欧インテリアデザインを代表する椅子を生み出したデザイナーです。

北欧家具の名作椅子①:アントチェア


出典:楽天市場
1951年にヤコブセンがデンマークのノボノルディスク社の社員食堂用の椅子としてデザインした世界初の量産型椅子です。座面、背板を1枚の3次元成型合板という高度な技術で作られたチェア。そのフォルムが蟻を連想させることから、「The Ant(蟻)」の愛称を持ち、日本ではアリンコチェアとも呼ばれています。オリジナルは3本脚ですが、現在は70年代に登場した4本脚が主流です。1つ1つの美しさもさることながら、広い空間に沢山並べた時は完成された美しさを感じます。

北欧家具の名作椅子②:セブンチェア


出典:楽天市場
アントチェアの後継として1955年に発表されて以来、現在までに全世界で700万台以上販売されており、また、世界で一番売れているスタッキングチェアとして知られる「セブンチェア」。日本にでも、オフィス、図書館や美術館などの公共施設などでもよく使われているので、目にしたことがある人は多いでしょう。

北欧家具の名作椅子③:スワンチェア


出典:楽天市場
スワンチェアは、1958年にコペンハーゲンにあるSASロイヤルのロビーおよびレセプションエリアのために、エッグチェアと共にヤコブセンによってデザインされました。スワン(白鳥)が羽を広げようとするイメージで、直線がなく、曲線のみの貝殻形状は圧迫感がない優しいデザインです。ラウンジや待合室、ご自宅、どこで使ってもしっくりきて素敵です。

ハンス・J・ウェグナーによる名作椅子

Hans Jørgensen Wegner 1914〜2007

ハンス・J・ウェグナーは、13歳から家具職人の下で修行を始め、17歳の時には指物師のマイスターの資格を取得しました。20歳のまで家具職人の下で修行しながら、国立産業研究所で木材についての研究もしていたという努力家。23歳の時コペンハーゲン美術工芸学校に入学し家具設計を学びました。妥協のない品質へのこだわり溢れる多くの家具を創り出したウェグナーは、生涯で500種類以上ものチェアをデザインした20世紀の北欧を代表するデザイナーの一人です。彼のデザインした家具は今でも生産され、日本でも多くの人々に愛され続けています。

北欧家具の名作椅子④:Yチェア


出典:楽天市場
1950年の発表以来、これまでに世界中で70万脚以上が出荷されていて、数多くあるウェグナーの椅子の中で最も売れたと言われる椅子です。ゆったりとした奥行きのある座面と背から肘まで緩やかに回り込むようなラインの肘掛けが特徴で、ダイニングでもくつろげるチェアとして愛され続けています。中国の明朝時代の椅子をヒントにデザインされ、細部を更に突き詰めることで誕生したチェアで、機械生産がしやすい形状のため、工業デザインとしても優れています。背板の合板がY字型なので、Yチェアと呼ばれています。

北欧家具の名作椅子⑤:PP701


出典:楽天市場
1965年にウェグナーが自宅のためにデザインしたダイニングチェア。ウェグナーの妻、インガ夫人一番の最も気に入っていると答えた椅子です。ウェグナーの作品の中でも数少ないスチール脚のチェア。注目すべきは笠木で、4つの無垢材を2枚の薄い木材で寄せ木にし、さらに十字型の「千切り」で結んだものが丁寧に削り出されています。革の座面は座り心地が良く、丈夫なため4脚まで重ねることが可能です。

 

【フィンランド】

北欧家具に関しては、ウェグナーとヤコブセンの2大巨匠を排出したデンマークが有名ですが、フィンランドにももちろん優れたデザインの家具があります。中でも、創業80年以上の家具ブランドArtek(アルテック)は日本でも大変人気があります。

アルヴァ・アアルトによる名作椅子

Alvar Aalto 1898〜1976

北欧デザイン界が生んだ巨匠アルヴァ・アアルトは、20世紀を代表する世界的な建築家、都市計画家、デザイナー。彼の活動は建築から家具、ガラス食器などの日用品のデザイン、絵画までと多岐にわたる。ヘルシンキ工科大学卒業後、1923年に建築設計事務所を開設。1920年代から「パイミオのサナトリウム」「ヘルシンキ工科大学(現アアルト大学)」「フィンランディア・ホール」など数多くの著名の建築物を国内外に残しています。

北欧家具の名作椅子⑥:パイミオ・チェア


出典:楽天市場

1930年から1931年にかけてフィンランドのパイミオにあるサナトリウム(結核療養所)のために設計されたアームチェア。アアルトは、このサナトリウムで使われる家具を含めすべてをデザインし、一躍世界的な名声を得ました。パイミオは合板を使った椅子の先駆けであり、軽やかで革新的なデザインは木製椅子のイメージを一新し、その後の椅子のデザインに多くの影響を与えました。

北欧家具の名作椅子⑦:スツール 60


出典:楽天市場
アアルトが設計したヴィープリ図書館で使用するために1933年に作られた代表作。L字型の椅子の脚は、ムクのバーチ材を曲げるための工夫と、座面とのシンプルな接合で、特許を取得しています。使い込むほどに味わい深くなるバーチ材の温もりと、無駄のないシンプルなフォルム、3本脚の美しさが特徴の名作椅子です。

エーロ・アールニオによる名作椅子

Eero Aarnio 1932~

1960年代に新しくユニークで印象的な家具をデザインしたことで知られる、近代デザインの革命児エーロ・アールニオ。彼の生み出す作品は、インテリアデザインから、プロダクトデザイン、グラフィックアート、映像作品まで、多岐に渡ります。彼の作品は、フィンランドデザインが国際的に認知され、高く評価されるきっかけとなりました。

北欧家具の名作椅子⑧:ボールチェア


出典:楽天市場
1963年にデザインされたエーロ・アールニオの一番代表的な椅子、ボールチェア。映画『2001年宇宙の旅』にも登場し、ケネディーエアポートのバージン航空・ファーストクラスのロビーにも採用されています。70%ほど周りの騒音を遮断し、座るだけで一人の時間が過ごせる空間を作り上げてくれます。鮮やかな色のプラスチック素材を用いて有機的なフォルムのポップアートのような椅子は、今も様々な場所や、コマーシャル、映画のシーンなどで使われています。

 

【スウェーデン】

日本ではスウェーデン家具といえばIKEAというイメージが強いですが、伝統的にモダンな北欧家具を作ってきた国です。スウェーデンの家具は、北欧家具の中でもちょっと独特の雰囲気があり、シンプルかつ遊び心のあるデザインが魅力的です。

カール・マルムステンによる名作椅子

Carl Malmsten 1888〜1972

家具デザイナーで建築家、さらに教育者でもあるカール・マルムステンは「スウェーデン家具の父」と呼ばれる近代家具デザインの礎を築いた巨匠です。スウェーデン文化に根ざした家具デザイン、制作を行い、北欧伝統の素材や構造から生れるシンプルな機能美を表現した「北欧インテリアデザイン黄金期」の最初の中心人物です。また、木工やテキスタイル等を学ぶ私塾(カペラゴーデン)を創立し、教育者として多くの教え子を輩出しました。

北欧家具の名作椅子⑨:リッラ・オーランドチェア


出典:楽天市場
彼がオーランド島の教会を訪れた際に教会の椅子からインスピレーションを受けデザインされた椅子「リッラ・オーランドチェア」は、80年経った今でもスウェーデン国内の多くのレストランなどで愛用されているデザインです。座面の緩やかなカーブと、当たりの良い背もたれのスポークで、板座の椅子としては良い掛け心地です。

エリック・グンナール・アスプルンドによる名作椅子

Erik Gunnar Asplund 1885~1940

エリック・グンナール・アスプルンドは、フィンランドの巨匠アルヴァ・アアルトやデンマークの巨匠アルネ・ヤコブセンら北欧の20世紀の建築家たちに多大な影響を与え、北欧近代建築の礎を築きました。しかし55歳で世を去り、作品はほぼスウェーデン国内に限られています。アスプルンドは、ヨーロッパにおいてすらも、その存在が忘れられつつありましたが、近年は日本でも展覧会が開催されるなど、再評価され始めています。

北欧家具の名作椅子⑩:ヨーテボリ

【ポイント 10倍】【中古】【展示超美品】Cassina(カッシーナ) 501 GOTEBORG,1 CAHIR ERIK GUNNAR ASPLUND / ヨーテボリ, 1 チェア/白X革/ウォールナット材 エリック・グンナール・アスプルンド/ 受注輸入
出典:楽天市場
ヨーテボリ庁舎の裁判所を増築した時にデザインされた椅子。緩やかに描くアーチ状になった背もたれの曲線と流れるような後脚のラインが大変美しく、洗練されたモダンなフォルムです。座面と背もたれの色を合わせたデザインは、一体感があり、北欧のモダン家具デザインに多大な影響を与えました。現在オリジナルは手に入れることが難しいですが、カッシーナ社で復刻され「ヨーテボリ1」と名づけられた椅子が生産されています。

 

【おわりに】

近年永らく人気の衰えない北欧家具、インテリア、雑貨。その中でも椅子は個性をアピールするのにぴったりのアイテムです。デザインや素材だけでなく座り心地や使い勝手が考慮された北欧家具の椅子。北欧デザインの椅子は木の温もりを感じながら使用できるものが多く、くつろぎやすい快適な空間を演出します。ご紹介した北欧の巨匠たちによるあなた好みの椅子を探してみてください。

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