北欧照明ブランド10選!快適な住環境が考慮されたデザインとは

by twistdesign

冬が長く厳しい北欧諸国の人々は家ですごす時間をとても大切にしています。昨今、快適な住環境が考慮された北欧インテリアは日本人にも大変人気が高いですね。お家やお部屋を北欧風にする際、まずは北欧家具から入る方が多いと思います。しかし、実は照明も重要なキーポイントなのです。

北欧だけでなく、世界を代表する照明デザイナーであり「近代照明の父」と謳われたデンマーク人のポール・ヘニングセンや、フィンランドが生んだ20世紀を代表する世界的な建築家アルヴァ・アアルトをはじめ、北欧のデザイナーたちは長い時間を屋内で快適に過ごすための、機能的で実用的なうえ、美しいデザインの照明を数多く 生み出してきました。

北欧のモダンでシンプルな照明には、天然木、真鍮、銅、ガラス、紙など多種多様な素材が使われています。デザインされてから1世紀以上経つものもありますが、今も世界中で愛され続けています。北欧ブランドの照明器具は、日本人好みのデザインが多く、北欧風のインテリアでない場合でもお部屋にマッチするのが特徴です。

今回は、照明器具を販売する北欧の10ブランドと、そのブランドのライトを紹介させていただきます。この記事を参考に、ご自分の好みの北欧ブランドや照明を見つけてみてください。

●デンマークの照明ブランド

北欧の中でも特にデンマークは世界を代表する有名な家具デザイナーを数々輩出してきた国ですので、家具ブランドも他の北欧諸国と比べて圧倒的に多いのがデンマーク発祥のものです。以下、デンマークのブランドを6つ紹介します。

【北欧照明ブランド10選①】
FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)

FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)は、1872年に創業された北欧デンマークの家具デザインブランドです。 フリッツ・ハンセンは、アルネ・ヤコブセン(1902–1971)、ポール・ケアホルム(1929–1980)、ハンス・J・ウェグナー(1914–2007)、パイエット・ハイン(1905–1996)などの一流のデザイナーとコラボレーションし、数多くの名作を生み出しました。 フリッツ・ハンセンの製品は、北欧デザインの特徴である機能性が高くミニマルなデザインが強く表されているものが多くあります。

また、ユトランド半島の歴史的都市であるオーフスを拠点に、2005年に設立された、全く新しいコンセプトを持つ照明ブランド、LIGHTYEARS(ライトイヤーズ)がフリッツ・ハンセンの照明ブランドとして展開されています。高い機能性、シンプルなデザイン、そして良質な光の美しさを兼ね備えたライトイヤーズの照明は、世界中で高い人気を誇ります。デザイナー陣は、プロダクト、建築、インテリアなどの分野でデンマークのみならず世界的にもキャリアのある人揃いです。

 

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出典:Instagram
Kaiser Idell(カイザー・イデル) 6631-T Luxus

現在フリッツ・ハンセンによって製造されているKaiser Idell(カイザー・イデル)は、球、円、円柱などのモダニズムで基本とされる幾何学形態でエレガントにデザインされ、クリスチャン・デル(1893-1974)の才能が際立つランプシリーズです。

そして、6631-T Luxusモデルは、1930年代にクリスチャン・デルによって設計され、カイザー・イデル照明コレクションの中でも代表的なデザインの一つです。湾曲したフォルムにスチールと真鍮が使用されたデザインは、テーブルランプはバウハウスデザインのアイコンとして世界中で認められています。

【北欧照明ブランド10選②】
louis poulsen(ルイス・ポールセン)

1874年に設立されたlouis poulsen(ルイス・ポールセン)は、「形態は機能に従う」という伝統的な北欧デザインを実践する北欧デンマークの照明ブランドです。1925年に発表されたポール・ヘニングセン(1894-1967)によるデザインのPHランプがきっかけとなって世界的に有名になりました。PHランプシリーズの中でも代表的なPH 5は、現在も世界で最も有名な照明の一つとなっています。ポール・ヘニングセンが残した直接光源の見えない『グレアフリー思想』は現在もルイス・ポールセンの照明器具のあり方として引き継がれています。

また、ルイス・ポールセンはアルネ・ヤコブセン(1902–1971)やヴェルナー・パントン(1926–1998)といった世界的な建築家やデザイナーともコラボレーションし、多くの名作を世に送り出してきました。アルネ・ヤコブセンがSASロイヤルホテルのためにデザインしたAJランプは、PH 5と並んで世界中で賞賛を得るランプの一つとなっています。


出典:楽天市場
PH 5

1958年発表以来、今もなお世界中で愛されている北欧の名作照明「PH 5」。PHはこの器具をデザインした、北欧を代表する照明デザイナーであり建築家のポール・ヘニングセンの名前の頭文字です。1958年に、コペンハーゲンのデンマーク工芸博物館で開かれた展覧会「ガラス、光とカラー」展で初めてPH 5が紹介されました。

ポール・ヘニングセンは、ランプ自体のデザインやフォルムをどう見せるかでなく、質の高い光で人や物、空間をどのように自然に美しく照らすかということに関心がありました。PH 5は、どこから眺めても電球のまぶしい光が巧みに隠されるデザインで、目に光が直接入ってくるストレスがありません。ダイニング用のペンダントライトとして考案されたPH5は、4人または6人がけのダイニングテーブル用として人気があります。

【北欧照明ブランド10選③】
MUUTO(ムート)

2006年に設立されたMUUTO(ムート)は、様々な家具やインテリア雑貨、照明器具をデザインし、今、世界的に注目されている北欧デンマークのブランドです。ムートという社名はフィンランド語で「新たな視点」という言葉に由来していて、普遍的な美しさ、機能性、クラフトマンシップのような伝統に根ざしながらも、素材、技術、新しい発想で北欧デザインに新風を吹き込んでいく姿勢が表されているそうです。ムートは、デンマークのデザイナーであるCecilie Manz(セシリエ・マンツ)やThomas Bentzen(トーマス・ベンゼン)、ノルウェー出身のデザインユニットAnderssen&Voll(アンデルセン&ヴォル)、スウェーデンのTAF Studio(TAF スタジオ)など国内外の最前線で活躍する外部のデザイナーを積極的に起用し、これまでにない北欧デザインを志向するブランドです。

ムートの照明器具は主にペンダントランプが多く、バルブソケットやシェードがシリコン製の製品、またオパールガラス製を使ったシェードは高級感があり、モダンラグジュアリーなレストランやホテルのような雰囲気を味演出します。


出典:楽天市場
E27 ヌードランプ

裸電球そのものの美しさを生かした、比類のないシンプルさを持つソケットペンダントランプE27。照裸電球とシリコングムで覆われたソケットのみで構成されています。ロマンチックでありながら現代的な美しさとオブジェクト感を強く感じることができます。1灯のみでも多灯でも、単色でも様々な色の組み合わせでも、どのような吊り方でも美しく映えるため、住宅だけでなく、あらゆる空間や用途で幅広く使うことが可能です。

【北欧照明ブランド10選④】
&tradition(アンド・トラディション)

2010年に北欧デンマークで設立されたデザインブランド、&tradition(アンド・トラディション)。「伝統と革新の融合」を創業理念としていて、1930年頃から現代までの、国際的に知名度の高いデザイナーによるデザインを取り揃えています。

最も有名な製品は、アルネ・ヤコブセン(1902–1971)が1929年に発表したBellevue Lamp collection(ベルビューランプ・コレクション)や、ヤコブセンとフレミング・ラッセン(1902-1984)が共同で制作したMayor Sofa(メイヤー ソファー)です。


出典:楽天市場
Bellevue(ベルヴュー)フロアランプ

Bellevue Lamp(ベルビューランプ)は、1929年にアルネ・ヤコブセンによって、モダニズムの形式をとった「未来の家」を発表した時にデザインされました。ヤコブセンが手掛けたデンマーク・コペンハーゲンの北に位置する海岸沿いのベルヴュー地区に建てられたリゾート型複合住宅「ベラヴィスタ集合住宅」や「ベルビューガソリンスタンド」などに使われたことから、「ベルヴュー ランプ」の名称で呼ばれています。

45度にカットされたランプシェードは、眩しい光を遮るためのデザインで、ヤコブセンの照明器具のデザインの特徴になっています。また、光を柔軟に調整できる蛇腹パイプは当時では画期的なデザインで、現代もなおモダンなデザインとして世界中で愛されています。

【北欧照明ブランド10選⑤】
LE KLINT(レ・クリント)

1943年に設立された北欧デンマークの照明ブランドLE KLINT(レ・クリント)。デンマークの建築家P.V. イェンセン・クリント(1853-1930)が日本の折り紙をヒントに作ったランプシェードがブランド誕生のきっかけでした。美しい陰影を生み出す規則的な折り目の照明は高く評価されました。イェンセン・クリントの精神を受け継ぎ、息子のターエ・クリント(1884 – 1953)は、美しいあかりを普及させるために1943年にレ・クリント社を設立します。

そして、ターエ・クリント弟であり「デンマーク家具デザインの父」と呼ばれる、コーア・クリント(1888 – 1954)により、レ・クリントは世界的ブランドに成長します。60周年を迎えた2003年には、デンマーク王室御用達にも選定されました。昨年、2020 年に創立 77周年を迎えましたが、創業から変わらぬデンマークの工房で、職人の手仕事によって製品を生み出し続けています。


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ペンダントランプ 101C

フルーツランタンとも呼ばれるモデル101は、コーア・クリントが1944年にデザインしたレ・クリントのロングセラーです。細かいプリーツを施したフォルムが特徴で、上下左右どの角度から見ても完璧な美しさであるよう計算し尽くされたデザインです。過去にはブランドのロゴのアイコンとして起用されたこともあり、レ・クリントを代表するランプシェードの一つです。

【北欧照明ブランド10選⑥】
normann COPENHAGEN (ノーマン・コペンハーゲン)

Normann Copenhagen(ノーマンコペンハーゲン)は、ポール・マドセンとヤン・アンデルセンの2人が1999年に北欧デンマークにオープンした小さなデザインショップがその起点です。オリジナル製品の開発に着手し2002年に発売を開始すると、すぐに人気が高まり、以降、ショップ兼製品ブランドとして活動を続けています。これまでに50以上のデザイン賞を受賞し、現在は世界80カ国以上で販売され、最も有名な北欧インテリアブランドの一つとなりました。

タイム誌に「全米で最も有名な工業デザイナー」や「プラスチックの王子」と評されたカリム・ラシッドや、世界をリードするトップブランドのデザインを手がけるマルセル・ワンダースなど世界的に著名なデザイナーからもデザインの提供を受け商品を開発。2009年からは家具部門もスタートしています。


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norm69 ペンダントライト

このNorm69ランプシェードは、ノーマン・コペンハーゲンが世界的に知られることになった製品です。デザイナーのサイモン・カーコフが花とトウモロコシをイメージしてデザインしたと言われています。薄い照明用素材の板をカットした69枚のユニットから作られた美しいパズル照明は、道具なしで組み立てることが出来ます。出来上がったライトの明かりを点けると、光が透過し北欧特有の優しい明かりが癒しの空間を演出。組み立てには2時間ほどかかりますが、できた物を見ると感動するでしょう。

●フィンランドの照明ブランド

フィンランドは、Marimekko(マリメッコ)、iittala(イッタラ)、ARABIA(アラビア)などの北欧雑貨や食器のブランドが有名で、家具や照明はデンマーク程知られてはいません。日本でも照明を販売している人気のあるブランドは、今のところ以下の2ブランドでしょう。

【北欧照明ブランド10選⑦】
artek(アルテック)

artek(アルテック) は、1935年に建築家のアルヴァ・アールト(1898-1976)と、その妻アイノ・アールト(1894-1949)、視覚芸術のプロモーターであるメア・グリッヒセン、美術史家のニルス・グスタフ・ハールによって北欧フィンランド、ヘルシンキで設立されたブランドです。アルテックという名前の由来は「アートとテクノロジーの融合」。その名の通り、芸術と技術が融合したモダンで機能的な製品を展開しています。シンプルで洗練された印象の飽きのこないデザインと長く大切に使いたくなるものばかりです。


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A333 ペンダントライト

アルヴァ・アールトが1950年代にデザインし、近年復刻されたA333 ペンダントランプ ターニップ。「フィンランド国民年金協会」やアールトが1950年代に設計したフランスの個人住宅「メゾン・カレ」、ヘルシンキの「アカデミア書店」の照明として使用されており、Artek(アルテック)を代表する照明のひとつです。丸みを帯びた柔らかなフォルムが特徴的で、「カブ」の愛称で親しまれています。

丸くて柔らかいシェードからの光と、開口部の真鍮をあしらったリングとの組み合わせが静かで美しい雰囲気を醸し出し、とても北欧らしい流行や時代に左右されないタイムレスなデザインです。

【北欧照明ブランド10選⑧】
Secto Design(セクトデザイン)

Secto Design(セクトデザイン)は1995年に設立された、木製照明器具を専門とする北欧フィンランドの照明ブランドです。セクトデザインの照明は、フィンランド中央部で生産される森林認定された節目のない上質なフィンランド バーチ(シラカバ)材のみを積層した合板を使用し、熟練した職人の手仕事によって作られています。

セクトデザインの製品は、数々の受賞歴を持つフィンランドの建築家セッポ・コホが全てデザインしています。セッポ・コホがデザインした照明には、古きよきものと新しさの融合した、シンプルで透明感のある北欧らしい雰囲気があります。


出典:楽天市場
OCTO4240 ペンダントライト

OCTOシリーズは、コレクションの中で、特に人気の高い照明器具です。さまざまなスタイルのインテリアと調和するランプで、1灯のみでも多灯でも、モダンでスタイリッシュな雰囲気を演出できます。木材で出来ているので、和室にもしっくり馴染むデザインです。不思議な美しい形状のシェードのため、日中の照明が目立たない時間帯でもインテリアとして目立ちます。そして、夜にはシェードからの優しい光が美しい影を落としてくれます。住宅からホテル、レストラン、商業施設まで幅広く人気がある照明です。

●ノルウェーの照明ブランド

Cathrineholm(キャサリンホルム)やFiggjo(フィッギョ)などのかわいい食器ブランドが有名なノルウェーから唯一日本でも人気の照明ブランドを紹介します。

【北欧照明ブランド10選⑨】
Northern(ノーザン)

2005年に北欧ノルウェー・オスロで設立された新進気鋭の照明ブランド、Northern(ノーザン)。ノルウェーのミッドセンチュリー期の名作照明を復刻し、現代的なカラーバリエーションにして販売しています。ノーザンを代表するフロアランプ、テーブルランプ「Birdy(バーディ)」とペンダントランプ「Dokka(ドッカ)」は、カンジナビア照明デザインのパイオニアと呼ばれるビルゲル・ダール (1916-1998)によるデザインです。


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スタンドライト Birdy

ビルゲル・ダールがデザインした、Birdyは1952年に発表されてからわずか2年後に、イタリアのミラノで開催される世界的に権威のある国際展覧会、ミラノ・トリエンナーレで金賞を受賞し、ノルウェーの照明デザインに対して世界的なスポットライトがあたるきっかけになりました。約60年の時を経て、2013年にNorthern Lighting(ノーザンライティング)社がBirdyシリーズを再リリース。

Birdyという名の通り、まるで美しい鳥の立ち姿のようなシルエットのスタンドライト。見た目が美しいだけでなく、操作性にも優れていて、鳥の尾のようなアームの取っ手を操作することで、ライトの向きを上下だけでなく左右や斜めにも動かせるようになっています。

●スウェーデンの照明ブランド

スウェーデンのおしゃれな家具やインテリア雑貨と言えば、日本人も大半が知っているブランドがあります。「低価格のおしゃれな北欧デザイン」で日本のおける北欧ブームを巻き起こした「あの」ブランドの照明を最後にご紹介します。

【北欧照明ブランド10選⑩】
IKEA(イケア)

2006年に日本に一号店をオープンし、以降、8店舗まで拡大したIKEA(イケア)には、大変珍しい創業の歴史があります。1943年、当時17歳の創業者Feodor Ingvar Kamprad(イングヴァル・カンプラード)(1926-2018)は、学業で良い成績を収めた褒美として、父親からもらったお金で会社を設立しました。当初は、ペン、財布、額縁、テーブルランナー、時計、宝飾品、ナイロンストッキングなどを販売していたそうです。1951年にはイケアカタログが誕生し、1956年には自分で組み立てる家具とフラットパックのアイデアが誕生しました。

現在では、ヨーロッパ・北米・アジア・オセアニアなど世界各地に出店している世界最大の家具量販店となりました。イケアの製品には、それぞれスウェーデン語の名前がついている事が特徴です。


出典:楽天市場
FORSA ワークランプ

IKEAの代表的なデスクライトFORSA(フォルソー)。アームやシェードの角度を自由に調節でき、カスタマイズ可能な、レトロなデザインのデスクライトで、様々なインテリアに馴染みます。カラーバリエーションが豊富なのもIKEAならではの魅力です。IKEAのデスクライトの多くは、本体のみの販売で、電球は別に購入しならないのが少々面倒に感じる方もいるかもしれませんが、自分が好みの電球を付けたい方にはピッタリです。

【おわりに】

照明器具を販売する北欧の10ブランドと、そのブランドの照明器具を紹介させていただきました。シンプルで美しい形状の照明ばかりですよね。同じ照明でもサイズや色が違うものがありますので、まずは検索してご自分の好みの北欧照明を見つけていただければ幸いです!

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