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デンマーク

デザイン家具北欧デザイン

デンマーク製アンティーク家具10選!巨匠デザイナーたちとともに

by twistdesign 2021年3月15日

アンティーク家具界を代表する、デンマーク製のアンティーク家具。マニアックなコレクターからアンティーク家具初心者まで、幅広い層を魅了するデンマーク製のアンティーク家具は、ショップにとっては花形の存在で、その人気は衰えることを知りません。今回は、デンマーク製のアンティーク家具とそのデンマーク家具の礎を築いた巨匠デザイナーたちをご紹介します。

まずは、デンマークという国と、デンマーク家具の魅力などを説明させていただきます。

【デンマークとは】

デンマークは、国連が2012年から発表している「幸福度調査」で2013年、2014年、2016年に1位を獲得しています。その理由としては、学力の高さ、勤務時間の少なさ、そして仕事の労働生産性が、世界上位。消費税は25%と大変高いものの、医療費、学費が無料なうえ、年金制度もしっかりしています。その「世界一幸せな国」とも言われるデンマークに根付く「ヒュッゲ(Hygge)」が近年世界中で注目を集めいています。「ヒュッゲ」は、他の言語に直訳できる単語がない独特なニュアンスがありますが、イメージとしては「幸福」や「心地よさ」を表す言葉です。シンプルであることの豊かさや、ミニマムの美しさを追求しています。

 

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出典:Instagram

【デンマーク人の家具へのこだわり】

デンマークは 長く使い続けられたアンティーク家具のある家がとても多い国です。デンマーク人は家具選びが上手で、選び抜いた家具を、愛着を持って長く使います。もし使わなくなることがあれば、子供たちに譲ったり、フリーマーケットで売ったりします。資源の少ないデンマークでは家具は使い捨てではなく、使い続けてシェアすることが一般的なのです。デンマークでは、家具を大切に長く使う社会の仕組みが定着しており「家具は我が家の財産」だと考えて購入している人がほとんどなのです。

また、デンマークの冬は、日本よりもずっと寒くて長く、昼間の日照時間が短いので、デンマーク人は、家の中で過ごす時間が多く、冬の間の時間をとても大切にしてきました。そのため、デンマーク人は家具、食器、日用品、インテリアにとことんこだわるのです。

【デンマーク家具が優れている理由】

北欧家具が現在のようにシンプルで機能的になりはじめたのは1940年代です。それまでは、貴族向けの重くて大きな家具が主流でした。1940年代にデンマークの生活協同組合が、国民の豊かな生活のために、高い質で、安価なうえ、機能性やデザイン性の高い家具製造し始めたことから、現在のようなデンマーク家具の産業が発達したそうです。

後に巨匠と呼ばれるデザイナー達とメーカーが協力をして、デンマーク人の需要を突き詰めたところ、様々な面において世界中で称賛される家具を作る国に成長していきました。

北欧家具といえば「無駄のない機能性」と「シンプルなデザイン」とが特徴です。特にデンマーク製の家具はその傾向が際立っています。デンマーク家具は北欧の他の国の家具と比べると、よりミニマル、かつ機能的です。デンマーク製のヴィンテージ家具を探すと、装飾を完全に取り除いた、シンプルで美しいデザインを数多く見つけることができます。

【デンマーク家具の歴史】

デンマークヴィンテージ家具のルーツは、モダンデザインの草分けともいえる、ドイツのバウハウスと言われています。バウハウスとは、第一次世界大戦後の1919年にドイツ・テューリンゲン州の主要な歴史的文化都市ヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校、または、その流れを汲む合理主義的・機能主義的な芸術のことです。無駄な装飾を無くして合理性を追求するモダニズムの発端となった教育機関であり、現代社会のモダンデザインの基礎を作り上げました。

ドイツと隣接しているデンマークは、早いうちにバウハウスの影響を強く受けた国の一つでした。デンマーク製のヴィンテージ家具にはバウハウスの象徴である「機能性」や「シンプルなデザイン」が色濃く見られます。

ただし、デンマーク家具が現在でも世界中で大変人気がある理由は、バウハウスをただまねしたからではありません。バウハウス価値観をうまく取り入れつつも、そこにデンマークの伝統的なデザインを取り入れた新しい発展を進めてきたことが大きな要因だと思われます。伝統と進化を調和させたデンマーク家具の技術は近隣の北欧諸国にも継承されていきました。さらに、戦後復興で巨大な重要が生まれたアメリカで、フィン・ユールのデザインした椅子が人気を博したことなどから、デンマーク作品への評価の高まり、やがて北欧全体がモダンデザインの代名詞としての地位を確立していきました。

【デンマーク製のアンティーク家具】

1960年代以降、一時期は衰退していたデンマーク家具でしたが、1990年に入るとデンマークモダン家具が再び注目を集めだし、ノーマン・コペンハーゲン、ヘイ、ムートなど、若手デザイナーを起用した新しくコスパの良い家具をプロデュースするブランドが設立されました。さらに、デンマーク国内のみならず、国外の家具メーカーが製造ライセンスを取得して、人気の高い家具の復刻生産を行っています。

それでもなお、アンティーク家具の人気が衰えないのは、なぜでしょうか?

大きな理由の一つは木材です。アンティーク家具には、今では入手困難な贅沢な木材が使われています。例えば、ローズウッド材やマホガニー材は、ワシントン条約で取引が制限されていて、現在は入手出来ません。近年、ローズウッド、マホガニーと呼ばれている木材は、木肌や色が似ているものです。本来のローズウッドやマホガニーを使った家具は、ワシントン条約で制限される前に作成された現存するアンティーク家具のみなのです。

さらに、理由の一つとして挙げられるのが、その作りです。大量生産品として造られた安価な家具は、修復することが出来ないので、長い年月形を残しておく事は出来ません。贅沢な素材を使って、職人の手により作り出され、大切に使われてきたものだけがアンティーク家具として今でも市場に出ているのです。

デンマークのように、思いを込めて買い、メンテナンスしながら使ってきた、良質な家具。そして、次の人が手に入れてからは、その人の思い出を刻みながら、さらに使い続けることができる家具。それがアンティーク家具なのです。

歴史的に見て、デンマーク家具を代表するものは、1940年代から60年代の約30年という限られた期間にデザインされたものがほとんどでした。その時代の人気デザイナーが作った家具は、アンティーク家具として今も高い人気を誇ります。

そんなデンマーク家具の黄金期に巨匠と呼ばれたデザイナーのアンティーク家具を見てみましょう。

【デンマーク製アンティーク家具10選①】


出典:Pinterest

デザイナー:コーア・クリント(Kaare Klint) 1888-1954
製品名:サファリ・チェア
製造:1939年頃

コーア・クリントのサファリ・チェアは、イギリス人がサバンナで狩猟活動を行う際に使用していた椅子をリデザインした名作。世界でも初期に開発された組立て式の家具です。特別な工具や技術がなくても、組立、分解ができてしまう機能的なこの椅子は、1933年に発売されて以来10万脚以上が販売されています。

【デンマーク製アンティーク家具10選②】


出典:Pinterest

デザイナー:コーア・クリント(Kaare Klint) 1888-1954
製品名:ファーボチェア
製造:1960年代

デンマーク・フュン島南部にあるファーボー市の美術館ファーボー・ミュージアムのためにコーア・クリントがデザインした椅子。1914年~1923年までの間に7種類のファーボチェアがデザインされています。

●コーア・クリントについて

デンマーク家具デザイナーと言って、外すことができないのがコーア・クリントです。コーア・クリントは「デンマーク近代家具デザインの父」とも呼ばれ、後のデンマーク家具デザインに大きな影響を与えたデザイナーです。デンマーク王立芸術アカデミーに家具科を設立し、初代教授を務め、オーレ・ヴァンシャーやボーエ・モーエンセンなど北欧デンマーク家具デザインを代表する多くのデザイナーを育てました。

【デンマーク製アンティーク家具10選③】


出典:Pinterest

デザイナー:オーレ・ヴァンシャー(Ole Wanscher)1903-1985 
製品名:ダイニングルームチェア
製造:1942年

18世紀中葉の英国チッペンデール様式に影響を受けたダイニングルームチェア。良質なローズウッド材が使われている、背の格子が特徴的な椅子です。オーレ・ヴァンシャーがデザインし、名工A・J・イーヴァスンによって作られたものです。

【デンマーク製アンティーク家具10選④】


出典:Pinterest

デザイナー:オーレ・ヴァンシャー(Ole Wanscher)1903-1985 
製品名:エクステンションダイニングテーブル
製造:1960年頃

オーレ・ヴァンシャーによるダイニングテーブル。上質なチーク材を使用し、美しいラインで人気の高いダイニングテーブル。エクステンション部をしまうと美しい丸型になります、必要に応じて小さくしたり大きくしたりできます。 外側に金具が出ない作りで、木の良さが十分に感じられます。

●オーレ・ヴァンシャーについて

コーア・クリントの愛弟子の一人。コーア・クリントがデンマーク王立芸術アカデミーに設立した家具科で学び、クリントのいる事務所に勤めた時期もありました。さらにクリントの死後は、クリントをついでアカデミーの家具科の教授に選ばれました。家具デザイナーとしてだけではなく、家具研究の著書も多く、後進の教育にも務めたアカデミックなデザイナーです。クリントの愛弟子なだけに、オーレ・ヴァンシャーがデザインする家具は伝統家具のリデザインが多く、イギリス、ギリシャ、エジプト、中国など、様々な国の家具に影響を受けています。

【デンマーク製アンティーク家具10選⑤】


出典:Pinterest

デザイナー:フィン・ユール(Finn Juhl))1912-1989 
製品名:イージーチェア BO59 /ファイヤープレイスチェア
製造:1946年

1946年に、デンマークのBovirke社より発表された巨匠フィン・ユールのイージーチェア BO59。通称ファイヤープレイスチェアと呼ばれるこの椅子は、フィン・ユール作品の特徴が随所に見られる人気の高いモデルです。座面下の脚部の交差した貫が特徴的で、大変美しく、高い技術が見て取れます。

●フィン・ユールについて

「家具の彫刻家」と言われたフィン・ユール当時主流であったコーア・クリントのメソッドを重んじる形式から抜け出し、独自のデザインを確立したデザイナーとして知られています。また、当時加工が非常に困難だったチーク材をデンマーク家具の主要木材として確立したと言われる人です。1940年代、デンマークでユールの奇抜なデザインの家具はあまり評価が高くありませんでしたが、デンマークよりアメリカで高く評価され、国際的に活躍したことで、デンマークでも次第に評価が高くなりました。

【デンマーク製アンティーク家具10選⑥】


出典:Pinterest

デザイナー:ボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)1914-1972
製品名:スポークバックソファ
製造:1970年頃

1645年にボーエ・モーエンセンがデザインし、家具職人のヨハネス・ハンセンによって製作されたスポークバックソファ。英国の伝統的なソファとフランスの馬車の2人掛け椅子をリデザインしたものです。当時は、あまりに洗練されすぎていたせいか50脚しか製造されず廃盤となりました。1963年に再発売が始まるやいなや人気商品となり、現在もなお愛され続けています。アンティークの物はなかなか見つけるのが難しいです。

【デンマーク製アンティーク家具10選⑦】


出典:Pinterest

デザイナー:ボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)1914-1972
製品名:スパニッシュチェア
製造:1950年代

1959年にボーエ・モーエンセンによって自邸のためにデザインされたスパニッシュチェアは、機能性が高く、座り心地抜群です。モーエンセンは、家族旅行でスペインを訪れた際、貴族階級に使われていた一枚革の木製チェアを現地で見かけて、リデザインしたことから「スパニッシュチェア」という愛称がつきました。現在でもフレデリシア社で製造され続けているロングセラーのチェアです。

●ボーエ・モーエンセンについて

「庶民のデザイナー」として知られるボーエ・モーエンセンの信念は、「シンプルかつ実用的な家具を、リーズナブルな価格で提供すること」。人々の住宅事情や消費意識などに合わせた家具を追求し、一般庶民が購入できる価格でありながら、質の高い家具を創ることを使命としていました。大衆視点のデザイン、不必要な部分には高級材を使わず機能美を追求した作品を数多く残しています。

【デンマーク製アンティーク家具10選⑧】


出典:Pinterest

デザイナー:ハンス J. ウェグナー(Hans Jørgensen Wegner)1914-2007
製品名:Yチェア CH24
製造:1950年

1950年の発表以来、これまでに世界中で70万脚以上が出荷された、数多くあるハンス J. ウェグナーの椅子の中で最も売れたと言われる椅子。背板の合板がY字型なので、Yチェアと呼ばれています。ゆったりとした奥行きのある座面と背から肘まで緩やかに回り込むようなラインの肘掛けが特徴で、ダイニングでもくつろげるチェアとして愛され続けています。中国の明朝時代の椅子をヒントにデザインされ、細部を更に突き詰めることで誕生したチェアで、機械生産がしやすい形状のため、工業デザインとしても優れています。裏側にブランドの刻印が付いたものは初期に生産されたものです。

●ハンス J. ウェグナーについて

ハンス・J・ウェグナーは、13歳から家具職人の下で修行を始め、17歳の時には指物師のマイスターの資格を取得しました。20歳のまで家具職人の下で修行しながら、国立産業研究所で木材についての研究もしていたという努力家。23歳の時デンマークのコペンハーゲン美術工芸学校に入学し家具設計を学びました。妥協のない品質へのこだわり溢れる多くの家具を創り出したウェグナーは、生涯で500種類以上ものチェアをデザインした20世紀の北欧を代表するデザイナーの一人です。彼のデザインした家具は今でも生産され、日本でも多くの人々に愛され続けています。

【デンマーク製アンティーク家具10選⑨】


出典:Pinterest

デザイナー:ヴェルナー・パントン(Verner Panton)1926-1998
製品名:パントンSチェア
製造:1971年

1967年にヴェルナー・パントンによってデザインされたパントンSチェア。パントン自身の名を冠したパントンチェアの先駆けとしてデザインされたSチェア。流れるような究極のフォルムのポップでモダンなデザインで、発表されるやいなや世界中で大絶賛を受けました。美しい光沢のある熱可塑性プラスチックのこの椅子はハーマンミラー社のオリジナル版です。

●ヴェルナー・パントンについて

デンマーク近代家具デザインの「異端児」ヴェルナー・パントン。独特の色彩構成と近未来的な空間形成は1960~1970年代のデザイン界に大きな影響を与えました。21歳からコペンハーゲンのデンマーク王立芸術アカデミー建築を専攻した後、当時の北欧デザイン界のトップであったアルネ・ヤコブセンの建築事務所で働き腕を磨きます。2年で退所した後は、3年間ほどヨーロッパ各地を放浪し、その後、1955年に若干29歳という若さで自身の建築デザイン事務所を設立します。パントンは家具の概念を覆す斬新な家具やインテリアを次々と発表しました。

【デンマーク製アンティーク家具10選⑩】


出典:Pinterest

デザイナー:ポール・ケアホルム(Poul Kjaerholm)1929-1980 
製品名:PK24ラウンジチェア
製造:1960年頃

PK24ラウンジチェアは、ポール・ケアホルムの作品の中でも特に特徴のある椅子です。ケアホルムはこの椅子が2 点の間に身体をつり下げることで機能することから「ハンモックチェア」と名付けました。ロココ時代やフランス式の長椅子からインスピレーションを得てデザインされたPK24の有機的で流れるようなフォルムは、スチールを用いて実現されています。

●ポール・ケアホルムについて

ポール・ケアホルムは、一切の妥協を許さず、極限まで洗練されたフォルムを追求する、徹底した美意識を有するデザイナーでした。家具職人としての修業した後、コペンハーゲン工芸学校で家具デザインを学びました。ケアホルムは、当時から建築素材に強い関心を持っており、家具の素材としてはまだ一般的ではなかったスチール素材も、木などと同様、芸術的な繊細さをもつ天然素材であると考え、家具の製作に取り入れました。卒業後はフリッツ・ハンセン社に約1年間勤め、その間に重要な椅子のプロトタイプを数多くデザインしました。

【おわりに】

「デンマーク製アンティーク家具10選」を、ご紹介させていただきました。デンマーク人の家具に対するこだわりとデンマークの巨匠たちが築き上げた、美しく、シンプルで、暖かみのある家具を垣間見ることができたか思います。新しい家具とは違う、人の思いと歴史の詰まったアンティーク家具。是非ご自分の目で確かめてください。

2021年3月15日
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デザイン家具インテリアデザイン北欧デザイン

デンマーク家具の老舗 フリッツ・ハンセンの魅力に迫る!

by ryo.animal 2021年3月3日

昔から家具に強い愛情を持ち、多くの巨匠デザイナーを輩出してきた国デンマーク。デンマーク家具はその高いデザイン性と機能性から常に高い評価を受けてきました。しかし、その背景にはデザイナーたちを支えてきた家具ブランドの存在があります。

デンマークにはたくさんの家具ブランドがありますが、「フリッツ・ハンセン」の名前を聞いたことはありますか?「アントチェア」や「セブンチェア」など、有名なアイコン的家具を多く取りそろえ、日本でも非常に人気が高い老舗ブランドです。

1872年に創業し、デンマーク家具の黄金期とその後の衰退期を乗り越えてきたフリッツ・ハンセン。時代の荒波を越え、今なお多くの人から支持される、その魅力に迫ります!

 

●歴史

家具製造会社フリッツ・ハンセンの歴史は1872年に始まります。キャビネット職人、フリッツ・ハンセンが事業を立ち上げ、コペンハーゲンの中心街クリスチャンハウンに製作所を建設しました。創業当初から、フリッツとその息子クリスチャンは、製品の品質水準を高めることに力をそそいでいきます。その努力によって、多くの一流顧客をつかみました。

その頃に家具を手掛けたプロジェクトにはクリスチャンボー城、大学図書館、コペンハーゲン市庁舎、最高裁判所などがあり、どれも大規模なものばかりです。

そして1930年頃、クリスチャンが始めた蒸気による曲げ木を使った家具で成功し、この分野におけるリーダー的な存在となりました。この技法は後にフリッツ・ハンセンの定番商品、成形合板による家具の生産へと結びついていきます。

軽量でシンプルなフォルム、そして実用性重視のデザインは、当時のスカンジナビアデザインに大きな影響を与えました。その中でデンマーク初のスチール製家具を発表し、大きな注目を浴びることに。同時に「デンマーク家具の父」と呼ばれたコーア・クリントの「チャーチチェア」を発売したことが、フリッツ・ハンセンの名を世界に知らしめることになります。

こうした数々の成功におごることなく、フリッツ・ハンセンは常に製品へ情熱をそそいでいきます。1940年頃のある年、厳冬によってデンマーク国内の多くのウォルナットの木が枯れてしまいました。フリッツ・ハンセンはこれに目をつけ、枯れたウォルナットの木を大量に購入します。そしてその木材を使用して、新シリーズの家具を生み出したのです。

そのフリッツ・ハンセンの独創的な姿勢はメディアから注目され、脚光を浴びることになりました。そして、国内は第二次世界大戦による経済混乱に陥っていましたが、フリッツ・ハンセンは工場を拡張することができたのです。

その後も40~50年代は多くの巨匠たちとコラボレーションし、いくつもの名作家具を誕生させます。とくに50年代はアルネ・ヤコブソンとの共作が素晴らしい成功をもたらしました。

成形合板ラミネート加工を使った「アントチェア」「セブンチェア」「グランプリチェア」はアルネ・ヤコブソンによるフリッツ・ハンセンの三大アイコンチェアとなり、人気を不動のものとしたのです。

しかし、デンマーク家具の黄金期が過ぎ、70年代後半になるとフリッツ・ハンセンの経営にも陰りが見え始めます。そこでフリッツ・ハンセンは107年間続いた家族経営をやめ、会社をホールディング化する道を選びました。新事業主スカンジナビアヴィクスホールディングによる大型投資と再構築により、未来への新たな展望を切り開いたのです。

さらにポール・ケアホルムが1951年から1980年にかけてデザインしたコレクションの生産権利の買い取り、KEVIコレクションとムンク・モブラーの買収など、積極的な経営戦略によって販売成績と事業収益を上げることに成功しました。

近年ではクラシックアイテムを維持しつつも、新鋭デザイナーによる時代にあった製品製作にも力をそそいでいます。また2016年からは大型家具だけでなく、フリッツ・ハンセンの伝統を継承する、手頃な価格のアクセサリー小物部門「Objects(オブジェクツ)」の展開をスタートさせ、新たなファンを増やしつづけています。

 

フリッツ・ハンセンの魅力①:長い歴史に育まれたブランド力

出典:FRITZ HANSEN グランプリチェア

約150年間もの長い間、多くの人を惹きつけてきたフリッツ・ハンセン。これは経営者とデザイナーたちのたゆまぬ努力の成果です。製品に対して強いこだわりを持ち、すばらしい製品を長きにわたって送り出し続けてきたからこそ、顧客から揺るぎない信頼を勝ち得てきました。

現在「フリッツ・ハンセンの家具」といえば、素材・デザイン・機能性どれをとっても一流のもの。インテリア好きにとってあこがれのブランドです。

 

フリッツ・ハンセンの魅力②:アイコン的名作家具

出典:FRITZ HANSEN アントチェア

フリッツ・ハンセンは多くの巨匠たちともに、数々の名作家具を誕生させてきました。タッグを組んできたのはハンス J. ウェグナー、ボーエ・モーエンセン、アルネ・ヤコブソン、コーア・クリント、ポール・ケアホルムなど、デザイン史に名を残す偉大なデザイナーばかり。

特にアルネ・ヤコブソンがデザインした「アントチェア」「セブンチェア」「グランプリチェア」などは、発表当初からセンセーショナルを巻き起こし、スカンジナビアデザインに大きな影響を与えました。

そのデザインの美しさ、機能性の高さから「名作チェア」と呼ばれ、フリッツ・ハンセンの名前を世界にとどろかせました。現在でもフリッツ・ハンセンのブランドアイコンであり、人々を惹きつけ続けています。

 

フリッツ・ハンセンの魅力③:タイムレスデザイン

出典:FRITZ HANSEN セブンチェア

フリッツ・ハンセンのアイコン家具たちは、新たにカラーバリエーションを加えたり、新素材を使ったりして、常にその時代のニーズに応え、販売され続けてきました。それはそれらの家具たちが本当に優れた「タイムレスデザイン」であるからにほかなりません。どれだけ時間がたっても人々から愛される、美しいデザインであるからこそできることです。

そして現代の新鋭のデザイナーによる新製品も新たなファンの獲得に成功してきました。フリッツ・ハンセン製品の特徴である「大胆な個性と細部へのこだわり」は現在でも引き継がれています。余計なものを極限までそぎ落としたシンプルなフォルムでありながら、デザイナーの個性を感じさせてくれる、「新たなタイムレスデザイン」を提供し続けてくれます。

 

フリッツ・ハンセンの魅力④:照明やインテリア小物

出典:FRITZ HANSEN ハイメ・アジョン キャンドルホルダー

かつてはソファーやテーブルなどの大型家具しか扱っていなかったフリッツ・ハンセンですが、時代の流れとともに照明やインテリア小物なども扱うようになりました。現在ではインテリアの全てがそろえられる「総合的インテリアショップ」としての顔が定着しています。とくに小物類はフリッツ・ハンセンらしい機能美とデザイン性の高いものがお手軽な価格で手に入るのが魅力です。

いきなり大型家具を買うには敷居が高く感じている人にも、気軽にフリッツ・ハンセン製品が試せるため人気が高まっています。

 

フリッツ・ハンセンの魅力⑤:総合的空間づくり

近年、フリッツ・ハンセンは家具やその機能だけでなく、総合的な美しい空間づくりにも力を入れ始めています。時を超えて愛される数々のデザインを生み出してきた経験、顧客の感性を表現する空間を作るために必要な専門知識とノウハウ。これは長い歴史をもつフリッツ・ハンセンだからこそ得ることができたものです。

それらを駆使し、法人向けのものから個人宅にいたるまで、さまざまな場所の空間デザインを手掛け、高い評価を受けています。

施工例① コペンハーゲン空港ピアC

出典:FRITZ HANSEN

デザインと行動科学により、乗客の流れの効率性をあげることに成功したコペンハーゲン空港ピアC。「ナッジング(そっと押す)」と呼ばれる手法をインテリアデザインに用いることで、大音量でのアナウンスは必要なくなり、快適かつ効果的に乗客の流れを作り出しています。

インテリアには綿密なプランに基づき、約700脚もの「セブンチェア」が採用されました。乗客が通路から離れた場所や、スペースの中央にあるイスにはあまり座らないという分析結果を踏まえ、そのエリアのイスを柔らかな布のパディング仕様にすることで利用を促しています。

2019年、コペンハーゲン空港はAir Transport Research Societyによる通算14回目の”世界で最も効率的な空港”に撰ばれました。

 

施工例② アルケミストレストラン コペンハーゲン

出典:FRITZ HANSEN

コペンハーゲンのレストラン「アルケミスト」で目指したのは”食べ物と食事の本質を変化させ、超越すること”。3時間以上にもわたるフルコースの間、ゲストはさまざまな場所に移動し、最大50種類の料理をそれにあったドリンクのペアリングとともに楽しむことができます。

ここのインテリアにはハイメ・アジョンがデザインした「ロオソファ」の他に、日本人デザイナーの佐々木オオキがデザインしたチェア「NO1」も使用されています。

 

最後に

デンマークの老舗家具ブランド、フリッツ・ハンセンの魅力を紹介しました。長い間人々から愛され続ける理由は、やはり製品への強い愛情とこだわり、そしてたゆまぬ経営努力でした。常に時代を見据え、それを製品に反映させてきたからこそ、強い魅力を放つ製品を生み出すことができたのでしょう。

日本では青山にアジア唯一の直営店があるので、機会があったらぜひフリッツ・ハンセンの美しいデザインに触れてみて下さい。

2021年3月3日
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インテリアデザイン北欧デザイン

デンマークのダイニングチェア10選!あこがれのデンマーク家具ブランドからご紹介

by ryo.animal 2021年2月22日

日本で人気が高い北欧家具の中でも、特に名作が多いデンマーク製の家具。確かな匠の技によって生み出された、モダンかつ機能的なデザインは世界中から賞賛されています。

今回はそんなデンマーク家具から「ダイニングチェア」をご紹介します。

多くの名作家具を作り出してきた老舗ブランドから、現在の新鋭デザイナーたちが活躍する新しいブランドまで、日本で高い人気を誇る、あこがれのブランドからセレクトしました。

部屋にデンマーク家具を取り入れて、ワンランク上のインテリアを目指してみませんか?

 

デンマークのダイニングチェア①:Carl Hansen&Son「Yチェア 70周年記念モデル」

出典:楽天

カール・ハンセン&サンは1949年からデンマークの巨匠ハンスJ. ウェグナーとタッグを組みました。Yチェアはその時一番初めにデザインされた5脚のイスの中の1脚です。ウェグナーは生涯で約500脚ものイスをデザインしましたが、Yチェアはその中でももっともベストセラーとなりました。発売から70年たった今でも愛され続けています。

もはやデンマークチェアの定番ともいえるYチェアですが、今回70周年記念モデルとして新たな6色が誕生しました。従来のYチェアは木目が際立つナチュラルなデザインですが、このカラフルなイスたちは今までにないモダンな存在感。環境に優しい塗料によって艶なしのマット仕上げになっているので、色味が優しく表現されています。部屋におけばおしゃれなカフェ風に大変身です。

 

デンマークのダイニングチェア②:Carl Hansen&Son「PK1」

出典:楽天

PK1はデンマークの鬼才、ポール・ケアホルムがコペンハーゲンの商業施設のためにデザインした、初めてのダイニングチェアです。発表以来、製造元を変えながらも名作家具として高い評価を受けてきました。現在はデンマークの家具メーカー「カール・ハンセン&サン」から復刻版が販売されています。

金属と有機素材の融合による軽快なビジュアルは、決してオブジェとしてデザインされたものではなく、あくまでも「空間に置くイス」として精密にデザインされたそうです。見た目のシンプルさとは違って、とても複雑な構造になっており、優れた家具職人の技術がなければなし得ません。

座と背に編み込まれて使われている「フラッグハリヤード」とは、船が帆を揚げる時に使用されるロープのこと。耐久性に優れ、座り心地の良さから撰ばれています。一切の妥協を許さず、極限まで洗練されたフォルムを追求するケアホルムらしいダイニングチェアです。

 

デンマークのダイニングチェア③:J.L.Moller「No.57 Chair」

出典:TABROOM

ジェイエルムラーの創業者、家具職人ニールス・O・モラーがデザインした「No.57」。一見シンプルなデザインの中に匠の技と、選び抜かれた素材の素晴らしさがうかがえる、芸術品のようなダイニングチェアです。モラーのデザインの特徴、「スカンジナビアン家具の美しい結晶」と賞賛された”先端に向かって細くなる脚”がこのイスにもみられます。なめらかに磨かれた無垢材と、それが存分に活かされた美しいアームラインは飽きのこないデザイン。世代を越えて受け継いでいきたいダイニングチェアです。

 

デンマークのダイニングチェア④:HAY「J42 Chair」

出典:FLYMEe

デンマークのインテリアプロダクトブランド「HAY」からボーエ・モーエンセンの名作チェア「J42」の復刻品を紹介します。ボーエ・モーエンセンは一般庶民が購入できる価格でありながら高品質な家具を作り続け、「庶民のデザイナー」とも呼ばれました。

この「J42」は広く作られた座面と、傾斜のついた背もたれによって最高の座り心地を実現。そしてコンパクトなアームは体にしっくりと馴染み、座る人にゆったりとした時間を約束してくれます。

 

 

デンマークのダイニングチェア⑤:HAY「AAC22」

出典:楽天

HAYの機能的でシンプルさにあふれたデザインを凝縮したAAC22。アームレストと一体型の曲線、それを支える木製の4本脚のライン、どれも美しくデザインされています。スタイリッシュでありながら、丸みのあるラインと木製のナチュラルさが全体的を柔らかい印象にまとめてくれます。

どこから見ても「おしゃれ」の一言です。部屋のインテリアをワンランク上に変えてくれそうですね。カラーバリエーションも豊富なので、好みや部屋のインテリアにあわせて自由にコーディネイトできるのも魅力です。

 

デンマークのダイニングチェア⑥:HAY「SOFT EDGE CHAIR」

出典:楽天

木目のナチュラルさと、細くて華奢な脚が印象的なダイニングチェアです。シンプルなデザインですが、丸みをおびたフォルムがかわいらしい印象をあたえます。お手入れが簡単で、軽くて強度もあるので気軽に使用できるのがよいでね。スタッキングでコンパクトに収納できるので、来客が多く、多めにイスをそろえておきたい方におすすめです。

 

デンマークのダイニングチェア⑦:FDB Mobler「J45 Chair」

出典:楽天

ボーエ・モーエンセンが1950年に発表したシェルチェアです。彼の他作品とは趣が大きく異なる、ユニークでモダンなデザインになっています。合板を手で曲げ、座面に取り付けるために施されたシェルの切り抜きがとても斬新。生産の合理性を考えた加工だそうですが、それがとても印象的でスタイリッシュな仕上がりになっています。

「丈夫で、美しく、機能的、そして手軽な値段」というFDBモブラーの信念が反映された、デンマーク製らしいダイニングチェアです。

 

デンマークのダイニングチェア⑧:FREDERICIA「NARAチェア」

出典:TABROOM

デンマークの家具メーカー、フレデシアは50年代頃に誕生した名作家具を扱いながらも、新鋭の新人デザイナーをよく起用することで有名です。この「NARAチェア」は日本人デザイナー、安積伸が奈良の鹿をイメージしてデザインしたユニークなもの。

日本人のセンスとデンマーク家具の優れた技術が融合したすばらしいダイニングチェアです。一見奇抜なデザインのようですが、ナチュラルで優しいテイストでどんな部屋にもマッチします。

 

デンマークのダイニングチェア⑨:Engelbrechts「Chairik Chair」

出典:TABROOM

1989年にコペンハーゲンで創業したエンゲルブレヒトのオリジナルチェア「チェリックチェア」。同じくコペンハーゲン出身のデザイナー、エリック・マグヌッセンの名作です。全く無駄のないシンプルなフォルムですが、美しい木目と有機的な曲線が持つ、あたたかな雰囲気をまとっています。

バックレストの絶妙な傾斜と、なめらかな手触りが特徴で、省スペースで大量にスタッキングできる機能性もかねそろえています。

 

デンマークのダイニングチェア⑩:Onecollection「chairman chair」

出典:TABROOM

“近代家具デザインの代表者”とも呼ばれるフィン・ユールの家具を多く扱うことで有名なワンコレクション。この「Chairmanチェア」はデザイナーのヘンリック・テンブラーが1990年にワンコレクションのためにデザインしたダイニングチェアです。現在までに60,000台以上も販売された、ワンコレクション最大のベストセラーとなっています。

クルミ材と革で作られた背もたれはアームレストと一体化し、ステンレスの脚と結合しています。モダンでありながら、どこかレトロさも感じさせてくれるデザインです。

写真右側は2015年にワンコレクション25周年を記念して販売された特別エディション。デザインはそのままで、ステンレス部分がマットブラック塗装になっています。

 

最後に

「デンマークのダイニングチェア」をご紹介しました。古いものも新しいものも、昔から家具を「家族の宝」として大切にしてきたデンマークらしい、すばらしいデザインのものばかりです。

家族が集うダイニングにお気に入りのチェアを撰んでみて下さい。普段の日常生活がきっとすてきに変わります。

2021年2月22日
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デザイン家具インテリアデザイン北欧デザイン

フィン・ユールはなぜ近代家具デザインの代表者なのか?デンマーク家具史に残る独創的作品

by ryo.animal 2021年2月20日

フィン・ユール(1912-1989)はデンマークのデザイナーの中でも、独自の発想と世界観で美しい家具をデザインした人物です。北欧家具のファンであれば1度は聞くその名前は、デンマークの「近代家具デザインの代表者」として歴史に刻まれています。

ユール作品の魅力は、”優雅な曲線と考え抜かれた完成美”。現在ユールの作品は年々価値が上がり、ビンテージマニアの間では垂涎の的です。そしてデンマークのワンコレクションやフランス&サンからは現行品が販売され続け、今なお世界中の人々から愛されています。

しかし同年代に多くの巨匠がいる中で、なぜユールが「近代家具デザインの代表者」と呼ばれているのでしょうか?今回はその理由を彼の生涯をたどりながら探っていきたいと思います。

 

●幼少期から培われた美術的感覚

出典:Pinterest

1912年、フィン・ユールはコペンハーゲンに隣接するフレデシア地区に生まれました。同年代の生まれにはデンマーク家具デザインの巨匠、ハンス J・ウェグナーやボーエ・モーエンセンがいます。織物卸売業を営む父のもとで比較的裕福な家庭で育ちました。

若い頃から美術史に興味あり、さまざまな美術品に触れていく中で、独自の美的感覚を養っていったといわれています。そして将来は美術史家になりたいと考えるようになりました。しかし父親の反対にあい、18歳でデンマーク王立芸術アカデミーの建築科に入学します。

 

●常識や困難に負けず自らの理想を追求

その頃の王立芸術アカデミーは、コーア・クリントが家具デザインの教育を主導していました。コーア・クリントは「デンマーク近代デザインの父」とも呼ばれる人物です。当時はクリントのデザイン方法論こそがデンマーク近代家具の正統派であるという風潮でした。ハンス J・ウェグナーやボーエ・モーエンセンもクリント派を継承する手法を用い、機能美にあふれた大量生産型の家具で成功を収めています。

しかしユールはクリントの「最良の家具はクラシックなイギリス家具か、イギリス家具の影響を受けた中国家具である」という言葉に反発を覚え、建築を勉強しながらも独自の発想で家具デザインを追求していくのです。このクリントのデザイン方法論への対抗意識こそがユールの既成概念にとらわれない、独自の美しさの開花につながったといえます。

その後、王立芸術アカデミー在学中の1934年、当時デンマークの建築業界のトップであったヴィルヘルム・ラウリッツェンの事務所に就職しました。世間は世界恐慌で不況の嵐であったにもかかわらず、ラウリッツェン事務所は仕事であふれ、ユールは王立芸術アカデミーを中退して仕事に専念することに。ここではカストラップ(コペンハーゲン)空港やラジオハウスなどの設計に携わっています。

 

●家具職人の巨匠、ニールス・ヴォッダーとの出会い

出典:Pinterest ペリカンチェア

ユールは25歳の時にキャビネットメーカーズギルド展に初出展しました。この時に友人の紹介で出会ったのがスネーカーマスター(技を極めた家具職人に与えられる最高位)のニールス・ヴォッダーです。もともと建築家であったユールは家具の製作技術はなく、彼の奇抜な造形を再現できる、ヴォッダーの優れた技術力は必要不可欠のものとなりました。そしてユールの良き理解者となったヴォッダーは、1959年までユールの共同制作者となったのです。この2人のコンビネーションによって、多くの名作家具が誕生することになります。

この頃の作品「ペリカンチェア」は初期の名作です。まるでペリカンが翼を広げたようなユニークな造形。すでにユール家具の特徴「有機的な曲線と彫刻的な造形を多用することで作り出される優雅で気品のある家具」が表現されています。美しい曲線で有名なユール作品の中でも、これは最も曲線にこだわった椅子ではないでしょうか。座るとペリカンの翼が優しく包み込んでくれ、イスでありながらソファのような居心地の良さと安らぎをあたえてくれます。

また1942年に建てた自身の邸宅は、建物・家具・カトラリーにいたるまで全てデザインを手掛け、自身で「総合芸術作品」と絶賛したほど渾身の作品です。室内の色使いや採光方法、家具の配置など全てが当時では斬新でした。しかしユールのインテリアを取り入れる人々は増え続け、現在ではデンマークのモダンインテリアの主流となっています。

このようにすばらしい作品を発表し始めたユールでしたが、その一見斬新なデザインは当初デンマークにおいてなかなか理解されませんでした。”主流”とは違う彼独自のアプローチは周囲からの反発を招き、揶揄の対象ともなってしまったのです。

1949年に自宅用の安楽イスとしてデザインした「チーフティンチェア(首長の椅子)」は、オープニングセレモニーの際にデンマーク国王フレデリク9世が座ったことで有名です。しかし、それを見たノルウェーの建築家オッド・ブロックマンからは「ラケットに引っかかった4つのオムレツ」と酷評されました。

そんな批判にも負けず、自らの理想を追求し続けるユールを見たヴォッダーは「いつの日か誰もがフィン・ユールを追いかけるであろう」と言ったそうです。

 

●世界で最も美しいアームを持つチェア

出典:Pinterest No.45 イージーチェア

1945年、ラウリッツェン事務所を退所したユールは、コペンハーゲンのニュータウンに事務所を設立します。その最初の作品がユールの代表作「No.45」です。このイスは1949年にキャビネットメーカーズギルド展で披露されました。「世界で最も美しいアームを持つ椅子」といわれた名作です。

つややかに磨き上げられた無垢材が描く、有機的な曲線のフォルムは優雅そのもの。肘掛けの先端が高くせり出している様子は、厳格な風格を感じさせます。またシート部分は、フレームから浮いているかのように見える彫刻的な造形。「どの角度から見ても美しい椅子」ともいわれました。

ユールが「家具の彫刻家」と呼ばれた理由がうかがえる、芸術的な作品です。しかし優れているのはデザインだけではありません。傾斜をもたせた広いシートは安定感のあるゆったりとした座り心地を生み出し、「座るともう立ち上がれない心地よさ」と機能性も高く評価されています。

 

●アメリカにおける成功

出典:Pinterest

ユールが最初に評価されたのはデンマーク国内ではなくアメリカでした。1950年代前半頃からアメリカでのデザイン活動を精力的に始めたユールは、次第にアメリカで名をあげていきます。

それからニューヨーク国連ビル会議室のインテリアデザインを手掛けたことを契機に、ユールは世界的な名声を得ます。そして1954年から57年にかけて北米を巡回した「Desgin in Scandinavia」展ではデンマークの展示エリアのデザインを担当。デニッシュモダンとして一世を風靡したデンマークデザインをアメリカ・カナダに向けて広く紹介することに貢献しました。

そしてアメリカではさまざまな出会いを経験します。ニューヨーク近代美術館のキュレーターであり、建築史家でもあったエドガー・カウフマンJr.とは美的価値感が一致したこともあり、固い友情で結ばれました。彼のサポートによって、ユールはウェグナーと並んでデンマークを代表するデザイナーとして、アメリカで広く知られるようになったのです。またミッドセンチュリー期アメリカのデザイナーとして有名なチャールズ・イームズからはとても刺激を受け、作品にも影響が出ています。

そうして国際的に活躍するようになったユールは、次第にデンマーク国内からも評価されるようになりました。その頃からインテリアデザインの仕事が多くなっていきます。スカンジナビア航空の営業所のインテリアや旅客機DC-8の内装デザインなど、世界を股に掛けた仕事も請け負っています。

時代の流れによって、ハンドクラフトの物だけでなく、量産家具という機械加工を前提としたデザインも提供する機会が増えていきました。それでもつねに彼独自の美的感覚が活かされた、すばらしい作品を作り続けていったのです。

椅子だけでなく、ユニークで美しいテーブルやキャビネット、木製ボールやトレイなども手掛けています。1961年にキャビネットメーカーズギルド展に出品されたカラフルなダブルチェストは、ルートヴィ・ポントピダンの製作で、自宅の寝室にも使用していました。

そのように精力的にデザインをし続けたユールでしたが、60年代後半になりデンマーク家具デザインの黄金期が過ぎると、表舞台に出ることはなくなりました。そして創作の最大の理解者であった夫人とともにオードロップの自宅で静かに余生を過ごし、1989年に77歳の人生に幕をおろしたのです。

 

●まとめ

出典:Pinterest フィン・ユール邸

デンマーク家具デザインの黄金期に目覚ましく活躍したフィン・ユール。周りからどんな批評を受けようと自身の理想を追求し続けたからこそ、数々の名作が誕生しました。それらのデザインは今なお人々を魅了してやみません。

ユールの作品は現在100万円を超えるようなものもありますが、それはただの「家具」という範疇を超え、「芸術品」だからこその値段なのでしょう。

逆行の中においてもひるまずに自身の理想を追求し、新しいデザインを開拓していったユールはまさに「近代家具デザインの代表者」であるといえるのではないでしょうか。

現在ユールの作品は、主にデンマークのワンコレクションが復刻生産のライセンスを持ち、現行品が販売されています。また、日本の岐阜県高山市には北欧家具をあつかうキタニ主催の「Finn Juhl Art Museum」にてフィン・ユール邸が公開されています。みなさんも機会があったら「フィン・ユールの世界」に触れてみて下さい。

2021年2月20日
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デザイン家具インテリアデザイン北欧デザイン

デンマークのビンテージ家具10選!深い味わいで部屋をグレードアップ

by ryo.animal 2021年2月13日

インテリアに興味のある人なら、一度はあこがれる「ビンテージ家具」。時を経てきた家具だけがもつ深い味わい、希少性は新品の家具には望めないものです。

特に近年日本では北欧のビンテージ家具が注目をあつめています。専門店も多くありますが、最近では楽天やAmazonでも多くの商品を取り扱うようになり、人気の高さがうかがえますね。

北欧というとスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランドといろいろな国がありますが、今回は「デンマークのビンテージ家具」を紹介したいと思います。

デンマークは北欧の中でも卓越した家具を数多く生み出してきたことで有名です。特に黄金期と呼ばれた40~60年代に誕生した〝名作家具″たちは、世界の近代デザインに多大な影響をあたえてきました。

そのように世界的にも評価が高い「デンマークのビンテージ家具」で、部屋をグレードアップしてみませんか?

 

デンマークのビンテージ家具①:GE290 SOFA

出典:MOTO FURNITURE

1953年にハンス J. ウェグナーがGETAMAから発表したソファ「GE290」。ウェグナーの代表作の中でも1、2位を争う作品です。

特にこのGE290は日本でとても人気が高く、日本のメーカーからも似たデザインのものが多く販売されています。そのためビンテージ品は年々価格があがっていますが、現行品と比較すると価格は安いことが多いのでおすすめです。

今回紹介するこちらのGE290は、ウレタン交換済みでカバーをデンマーク製SAVAK生地に張替えてあります。ビンテージソファを購入する際、一番気になるのがクッション部分とカバーの痛み具合なので、交換済みなのはうれしいですね。白地に茶系の個性的なストライプがレトロモダンな雰囲気でステキです。

 

デンマークのビンテージ家具②:JH701

出典:MOTO FURNITURE

1965年のハンス J. ウェグナーの作品です。多作で有名なウェグナーですが、彼の作品の中ではめずらしい、スチームフレームに座と笠木だけのユニークな構造となっています。

特徴的といもいえる美しい笠木は、4つの無垢材を2枚の薄い木材で寄せ木し、さらに十字型の楔でつなげたものを職人が丁寧に削り出して製作しています。

現在、ウェグナーの作品を多く扱っているPP Mobler社で同じものが復刻販売されていますが、こちらはJohannes Hansen社のオリジナル。復刻販売のものよりも背もたれが太い所がビンテージの証です。

 

デンマークのビンテージ家具③:AP 16

出典:楽天

こちらは1951年にハンス J. ウェグナーがデザインしたAP Stolen社の1人掛けソファ。デンマーク家具の黄金時代に製作された、とても貴重なビンテージとなっています。オーク材で作られた美しい木のフレームラインが印象的です。水色と茶系のストライプが部屋を個性的に彩ってくれます。くつろぎの時間をより幸せなものに変えてくれる上質なチェアです。

 

デンマークのビンテージ家具④:ソファーテーブル

出典:CONNECT

デンマークで作られたビンテージのソファーテーブルです。一見シンプルなデザインですが、ラタンで編まれた棚板やV字ラインの脚、天板の縁の立ち上がりなど細部がとても凝っています。チーク材なので使えば使うほどに味わい深い色合いに。

幅は1500mmあるので3人掛けソファにも対応してくれそうです。散らかりがちな新聞や雑誌などをスッキリとまとめられる棚板付きで、機能性にも優れています。

 

デンマークのビンテージ家具⑤:ミラー

出典:CONNECT

ビンテージ家具というと高額なものが多いですが、ミラーは数も多く、値段もお手頃なので初心者の方にはおすすめです。

こちらのミラーはデンマーク製によく見られる、木製フレームが際立つシンプルなデザイン。さりげなく存在感を放つ、美しい木目とフォルムが印象的です。フレーム四隅の継ぎ目はなめらかに組み合わされ、手作りのぬくもりが伝わってきます。

そのまま壁にかけても、キャビネットの上に立てかけてドレッサーのように使ってもステキですね。

 

デンマークのビンテージ家具⑥:ハンティングテーブル

出典:CONNECT

デンマークの巨匠、ボーエ・モーエンセンがデザインした「ハンティングテーブル」。1950年に開催されたコペンハーゲン家具職人ギルド展で発表された作品です。

全ての角は丸く加工され、「庶民のデザイナー」と呼ばれたモーエンセンらしい、素朴で柔らかい印象のテーブルです。脚の先は色の異なる木材を使用しているため、まるで靴下をはいているかのようなかわいらしいデザインになっています。柔らかい雰囲気の中にも斜めに入った真鍮の貫がアクセントとなり、全体をひきしめています。

ダイニングテーブルとしても、デスクとしても使えるマルチなテーブルです。

 

デンマークのビンテージ家具⑦:チーク材スツール

出典:CHLOROS

良質なチーク材を使ったデンマーク製のスツールです。座面は内部のウレタンを厚みのある物に交換し、張替えを行っているので快適に座ることができます。北欧らしい水色と黄色のファブリックが部屋のアクセントになりそうです。座面裏のフレームには確かな証として「DANISH」のプレートが貼ってあります。

 

デンマークのビンテージ家具⑧:ロイヤルシステム ウォールユニット

出典:CONNECT

こちらはポール・カドヴィスがデザインした、壁に取り付けるタイプのウォールユニットです。壁付け家具は日本ではあまり馴染みのないものですが、外国のインテリア雑誌などではよく見かけます。1つ置くだけで部屋のインテリアをグレードアップしてくれるステキなアイテムです。

この商品は支柱を固定し、棚板とキャビネットの位置を自由に変えることができます。好みや生活様式の変化に対応して用途を変えられる、変幻自在のシェルフ。ぜひ自分好みの配置を考えてみて下さい。

 

デンマークのビンテージ家具⑨:サイドボード

出典:CONNECT

チークの木目が美しいサイドボードを紹介します。脚付きタイプはデンマーク家具によく見られるデザインです。引き戸をあけると3段の引き出しがあり、収納力も抜群。新品にはない深い味わいはビンテージ家具ならではです。部屋を上質な雰囲気に変えてくれる魅力的なサイドボード。テレビボードとしても使い勝手がよさそうです。

 

デンマークのビンテージ家具⑩:ライティングビューロ

出典:CHLOROS

ビンテージ家具の中でもあこがれる人が多い「ライティングビューロー」です。ライティングビューローとは書き物ができる机がついた収納家具のこと。

こちらは良質のチーク材が使われ、飴色の色味がとても美しい製品です。引き出しの数も多く、中段右側の扉にはミラーがついていて、実用性も申し分ありません。家具を愛するデンマークの人たちと同じように、家族の財産として大切に引き継いでいきたい家具です。

 

最後に

デンマークのビンテージ家具を、巨匠の作品からお手頃な価格のものまでご紹介しました。全てを通して、デンマーク家具の機能性や、研ぎ澄まされたデザイン性の高さが伝わってくるものばかりです。

昔から資源の少ないデンマークでは家具は代々受け継がれる「家族の財産」という文化が根付いてきました。壊れてしまっても、修理して直すことで長く愛され続けていくのです。近年「家具は使い捨て」という風潮が強まってしまっている日本でぜひ広めたい文化ですね。

現在ではインターネットでも気軽に探せるビンテージ家具。少しつづお気に入りを集めてみてはどうでしょうか?

2021年2月13日
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デザイン家具インテリアデザイン北欧デザイン

デンマークの家具ブランド10選!全盛期から現代までつづく人気のひみつとは?

by ryo.animal 2021年2月10日

日本でも人気が高い北欧家具。特に「名作家具」と呼ばれる家具たちにはあこがれてしまいますよね。でも実はそのほとんどがデンマークのものなんです。

今回はそんな名作家具の宝庫、デンマークの家具ブランドをご紹介!

デンマーク家具の歴史は、萌芽期(1910~30年代)・黄金期(40~60年代)・衰退期(70~90年代中頃)・再評価期(90年代中頃以降)というように分類されます。

現在のデンマーク家具は、厳しい衰退期を乗り越えてきたブランド経営者、デザイナーたちのたゆまぬ努力によって支えられてきました。そしてその理念は若いデザイナーたちが引き継ぎ、後に続いているのです。

そのパワーの源と現在まで続く人気のひみつを、ブランドの歴史や概要から紐解いていきたいと思います。

 

デンマークの家具ブランド①:Carl Hansen & Sun(カールハンセン&サン)

出典:Pinterest 「Yチェア」

1908年に家具職人カール・ハンセンによってデンマークのオーデンセに開かれた小さな工房、それが後の「カールハンセン&サン」です。以来100年以上にわたり、クラフトマンシップに則った美しい家具を作り続けてきました。デンマークの老舗家具ブランドとして確固たる地位を築づき、日本でも根強い人気を誇っています。

カールハンセン&サンの歴史の中でも一番の転機は、北欧デザイナーの巨匠ハンス J.ウェグナーとの出会いでした。二代目の社長であったホルガー・ハンセンが、当時まだ無名であったウェグナーの才能を見いだし、社運を託したことが今の成功につながったのです。

カールハンセン&サンと協働を始めたウェグナーは、名作として知られる「Yチェア」をはじめ、次々と名作家具を発表します。いずれも高い独創性と、人が作ったとは思えないほど、ナチュラルで美しいフォルムを持った家具たちでした。それはウェグナーの斬新なデザイン力と、カールハンセン&サンの確かな製作技術が見事に融合した結果だったといえます。

ウェグナーは生涯で500点にもおよぶ家具製品をデザインしましたが、現在その内の100点をカールハンセン&サンが販売しています。

 

デンマークの家具ブランド②:FRITZ HANSEN(フリッツハンセン)

出典:Pinterest 「セブンチェア」

フリッツハンセンは1872年に創業したデンマークの老舗ブランドです。創業当初から高いクラフトマンシップを追求しながら、世界中のアーティストやデザイナー、建築家たちとコラボレーションし、北欧モダンを体現し続けてきました。

コラボレーションした中にはアルネ・ヤコブソン、セシリエ・マンツ、ハンス J.ウェグナー、ポール・ケアホルムなど名だたるデザイナーが連なっています。特に「セブンチェア」や「エッグチェア」に代表されるアルネ・ヤコブソンの名作チェアたちは、今でも世界中の人々から愛され続けています。

現在ではそれら当時の名作と新しいデザインを共存させ、家具だけでなく照明やアクセサリー小物などもそろうインテリアショップとして世界中で展開。

本店のコペンハーゲンをはじめ、サンフランシスコ、ミラノ、東京など85ヶ国以上で2,000店舗以上も持つ、まさに「世界をリードする家具ブランド」として確固たる地位を築いています。

 

デンマークの家具ブランド③:GETAMA(ゲタマ)

出典:Pinterest 「GE290」

ゲタマは1899年にデンマークのギズステズ(Gedsted)という、海に近い街で設立されました。当初は詰め物に海藻(Tang)を使ったマットレス(Mattres)の専門メーカーで、それぞれの頭文字を取り、「GETAMA(ゲタマ)」と名付けられました。

1910年頃から少しづつ家具製造も始めましたが、ゲタマもまたハンス J.ウェグナーと出会ったことで大きく変わり、1950年代から本格的な家具製造を始めます。そしてデイベッド「GE258」、ソファ「GE290」などの名作家具が誕生したのです。それらは世界的なベストセラーになり、ゲタマの名前を世界にとどろかせました。

特にソファ「GE290」は日本でとても人気が高く、多くの日本メーカーが似たラインのソファを販売するほど。日本で北欧ビンテージのソファといえば必ずと言っていいほどゲタマの名前があがります。

そういったビンテージラインの他にも、モダンな空間に合わせた近未来的なデザインも扱う、北欧を代表するブランドです。

 

デンマークの家具ブランド④:eilersen(アイラーセン)

出典:Pinterest 「ストリームラインソファ」

アイラーセンは「デンマークで一番売れているソファブランド」といわれています。その秘密は”120年におよぶ座り心地の良さの追求”です。

トレードマークの馬車が示すとおり、アイラーセンは1895年にアンデルセンの故郷、オーデンで始まった馬車製造業をもとにしています。当時の道はひどい悪路で、アイラーセンは自然と座席の「座り心地の良さ」を求めたのです。

馬車の時代が終わると、バスのシート製造へと移行しましたが、その姿勢は変わることはありませんでした。バスの座席に初めて”クッション性”を加えたのもアイラーセンです。

1940年代から家具製造に進出し、以来アイラーセンは高品質で快適なソファをつくり続けています。アイラーセンのソファは、クッションに性質の異なる素材を何層も組み合わせる「多重構造」を使用。それにより究極の座り心地が実現し、「中が見せられるほど美しいフレーム」だと賞賛されました。

また「My eilersen」というセミオーダーシステムを持っているため、豊富なデザインから自宅にあったソファを選べるもの人気のひみつです。

日本では「ストリームラインソファ」が特に人気で、どんなインテリアにも合うシンプルモダンなデザインと、最高の座り心地の良さが楽しめます。

 

デンマークの家具ブランド⑤:One Collection(ワン コレクション)

出典:Pinterest ペリカンチェア

1990年、イヴァン・ハンセンとハンス・ヘンリク・ソーレンセンが前身である家具メーカー「ハンセン&ソーレンセン」を創業しました。

1998年からは北欧の巨匠、フィン・ユールのイスの復刻をはじめ、次第にバリエーションを増やしていきます。そして2007年に、それまではフィン・ユールの復刻家具のブランド名であった「ワンコレクション」と社名を変えました。

ワンコレクションの家具は、家庭用というよりはオフィスや商業施設向けのものが多く取りそろっています。また「ソファ No.57」、「ペリカンチェア」、「ポエトソファ」など、ほとんどのフィン・ユール代表作ライセンスを保有していることで有名です。

その品質はフィン・ユール婦人から太鼓判を押されるほど。近年デンマーク家具デザインが再評価されてことによって、フィン・ユールの作品も再注目されています。

 

デンマークの家具ブランド⑥:PP Mobler(ピーピーモブラー)

出典:Pinterest 「ザ・チェア」

ピーピーモブラーは1953年にデンマークで創業の小さな工房からスタートしました。「高品質デザイン家具」と謳うとおり、その製品はどれも何世代に渡って使えるほどの耐久性とデザイン性を兼ねそろえたものばかり。技術的にも職人の熟練技がないと作れない製品が多く、まさに一生物の家具を撰ぶにふさわしいブランドです。

その世界屈指の家具製造技術は、巨匠ハンス J.ウェグナーとの出会いによって芸術品にまで高まり、歴史に残る名作チェアを次々と誕生させました。

特に有名なのは、1960年のアメリカ大統領選でジョン・F・ケネディと、リチャード・ニクソンがテレビ討論会で使用した「ザ・チェア」です。

あまりの座り心地の良さに感動したケネディが「これぞイスの中のイスだ!」と表現したことからその名がつきました。

1970年代から次第に北欧家具の人気に陰りがさし、多くの家具メーカーが廃業を余儀なくされることに。しかしピーピーモブラーは部分的に機械導入を採用することで、高品質を保ちながらも時代にあった家具を作り続けててきました。

現在でもピーピーモブラーはハンス J.ウェグナーの作品を最も多く製造している家具ブランドとして、世界に知られています。

 

デンマークの家具ブランド⑦:FREDERICIA(フレデリシア)

出典:Pinterest 「トリニダードチェア」

フレデシアも多くの名作を家具を生み出してきたデンマークの名門ブランドです。北欧家具の全盛期だった1955年、弱冠30歳のアンドレアス・グラバーセンが、「フレデリシア・ストールファブリック」を買収したことから始まりました。

その後かねてから親交があった、まだ若きボーエ・モーエンセンをデザイナーとして起用し、わずかな期間でみるみる業績を伸ばします。そして1950~1970年代にかけて、モーエンセンの作品を次々と製品化していき、デンマーク有数のハイクオリティブランドへと成長していったのです。

その中でもモーエンセンによる「スパニッシュチェア」「イージーチェア2204」「シェーカーチェア」は、フレデリシアのアイコンとも言えます。

さらに1980年代後半からは、ナナ・ディッツェルが看板デザイナーとなり、時代感を反映したヒット作をいくつも発表。彼女の「トリニダードチェア」は、北欧家具デザインの伝統的な素晴らしさと、現代的なニーズに応える機能性を世界に強くアピールすることになりました。

そのように数多くの名作家具がありながらも、若手デザイナーを積極的に起用することでも有名です。最近では日本人デザイナーのシン・アズミが「NARAチェア」を発表し話題になりました。これは奈良の鹿を彷彿とさせるようなユニークなデザインのイスです。

北欧デザインの巨匠作品から新鋭の若手作品まで備える北欧ブランドとして今後も注目のブランド。

 

デンマークの家具ブランド⑧:J.L Moller(ジェイエルムラー)

出典:Pinterest

ジェイエルムラーは1944年、ニールス・O・モラーによって誕生しました。家具職人兼デザイナーであるモラーが作り出す家具は、北欧家具らしい上品なアーチを活かしたデザインと、優れた接合技術が融合した名作ばかり。中でも多くの製品にみられる、”先端に向かって細くなる脚”は特に美しいと評価され、その芸術的なデザインは「スカンジナビアン家具の美しい結晶」と賞賛されています。

製品のラインナップではダイニングチェアが多く占め、何世代にも渡って使える確かな作りが人気です。

そんなジェイエルムラーの一番の特徴は、”素材への徹底したこだわり”です。材料となる木材は厳しく選別された一級品だけ。そして木材の加工から家具の仕上げ、出荷直前のチェックまで、熟練の職人によって全て自社工場で行うという徹底ぶりです。デザイン性の高さとともに、こだわり抜いた品質管理によって、世界中のファンの心を魅了し続けてきました。

大量生産が可能になった現在でも「長年の鍛錬により研ぎ澄まされた感覚を持つ職人たちよりも、優れた機械は存在しない」として、商品の最終仕上げは必ず職人の手作業で行っているそうです。

 

デンマークの家具ブランド⑨:BoConcept(ボーコンセプト)

出典:Pinterest

ボーコンセプトは木製家具職人、イエンス・ジェンソンとタジェ・モルホルムが1952年に設立したデンマーク発祥のインテリアショップです。「Bo」とはデンマーク語で「生活」を意味します。その名のとおり、ボーコンセプトは、生活を取り巻くあらゆるインテリアを扱いながら「インテリアはどこまで暮らしを豊かにできるか」という挑戦を続けてきました。

現在では65ヶ国にわたって300店舗以上を展開する世界的なブランドです。日本にも19店舗の直営店があり、人気の高さがうかがえます。

創業当初から伝統に基づいた優れたデザインをかかげ、近年では多くの有名デザイナーとのコラボレーションを通してモダンで機能的な家具製作を行っています。

部屋のサイズやライフスタイルに合わせ、家具のカスタマイズができる「インテリアデザインサービス」もあり、現代生活にフィットしたインテリアブランドとして人気を博しています。

 

デンマークの家具ブランド⑩:Muuto(ムート)

出典:Pinterest

ピーター・ボーネンとクリスチャン・ビエによって2006年の設立されたムート。当初から新たな北欧デザインの躍進を担うブランドとして注目されてきました。ムートとはフィンランド語で「新しい視点」、「変革」などの意味を持ちます。

そのブランド名には、北欧デザインに新しい考えを取り入れ、再び国際的なデザインシーンで最先端に立たせたいという思いが込められているそうです。

ムートはその目標をかなえるために、世界で活躍する新鋭のスカンジナビアンデザイナーたちを積極的に起用しています。従来の北欧デザインをもとにしながらも、彼らのイマジネーションを自由に表現させ、新たな息吹を感じさせるインテリアや生活用品を数多く生み出してきました。

その洗練されたシンプルモダンな製品たちは機能性に満ち、それていて従来の伝統的北欧デザインが息づいています。生活を個性的かつスタイリッシュに彩ってくれる人気のブランドです。

 

最後に

デンマークの家具ブランドを紹介しました。どのブランドを見てもその根底にあるのは「伝統的なクラフトマンシップ」と「やむことのないデザインへの追求」です。家具を作るためにあらゆる努力をおしまず、伝統を大切にしながらも現代のニーズに応えようとするその姿勢が世界中のファンを魅了し続けるひみつなのかもしれません。いつかは手にしたいあこがれのデンマーク家具。家具は毎日触れる必需品だからこそ、作り手の心が伝わってくる美しいものを撰びたいですね。

2021年2月10日
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北欧デザイン

デンマークインスタグラマーまとめ!おすすめの11アカウントをご紹介!

by twistdesign 2021年2月5日

FRITZ HANSENやeilersenなど多くのおしゃれな家具ブランドの発祥国であるデンマーク。お家をデンマークのテイストを入れながらコーディネイトしたいけど、ヒントになるようなアイデアがなかなか見つからないって方が多いのではないでしょうか?

そこで今回はインテリアデザインやファッションの参考にできる投稿をしているデンマークで活躍するインスタグラマーを11アカウント紹介します。国内のみならず世界中で活躍されるモデルや有名インテリアブランドの公式アカウントなど様々なタイプをまとめています。投稿される写真をヒントに自分の生活やお家のインテリアデザインに取り入れてみてはいかがですか?

デンマークインスタグラマーおすすめまとめ①:josephineskriver

 

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まず一人目のデンマークのインスタグラマーはJosephine Skriverさん。有名下着ブランドのヴィクトリアシークレットのモデルとして有名なこちらの方はフォロワーが600万人を超えているほどのインフルエンサー。彼女の日常を切り取った写真や仕事中の写真などを投稿しているので、一流モデルの日頃の生活を見れるだけでなくファッションの参考になりそうな写真もみれます。

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ②:ninaagdal

 

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二人目はNina Agdalさんのアカウントで水着専門誌などでモデルとして活躍している方です。健康志向が高い方に嬉しいフィットネスやおうちで実践できるストレッチや体操をインスタグラムを通して紹介しています。

ヨガマットがあれば簡単に真似できるので体調管理の一環としてモーニングルーティンとして彼女の紹介するメソッドを行ってみてはいかがでしょうか?

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ③:carowozniacki

 

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A post shared by Caroline Wozniacki (@carowozniacki)


続いては以前テニスプレーヤーとして活躍していたCaroline Wozniackiさんのアカウント。家族のクリスマスパーティーの様子がわかる投稿やジムでのトレーニング中の動画などセレブの日常が垣間見れるアカウントです。

自身の身につけているものを紹介していたりするのでファッションの参考にもなりますよ。

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ④:sostrenegrene

 

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植物と家具を融合させておしゃれにお部屋を飾り付けたい方にオススメなのがこちらのアカウント。キャンドルを使った装飾やクリスマスシーズンの飾り付けなどを綺麗な写真で紹介しています。季節にあったインテリアデザインをお家に取り入れたい方はフォローしておきたいですね。

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ⑤:normanncph

 

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モダンデザインの家具が日本でも人気のノーマンコペンハーゲンの公式アカウント。シンプルで使いやすい機能性を備えたもので有名なこちらのブランドの商品を使ってデザインされたお部屋の写真をこちらのアカウントでは見ることができます。

ノーマンコペンハーゲンで買い物する前に投稿された写真をみてアイデアを膨らませるのに最適ですよ。

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ⑥:christianesm

 

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テレビの司会や女優、本の執筆活動でも知られるChristiane Schaumburg-Müllerさんのアカウント。彼女の家の中の家具や雑貨、食器などを垣間見ることができるおしゃれでかつ高級感あるお部屋にしたい方はフォローしておきたいです。

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ⑦:juliasofiaaastrup

 

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A post shared by JULIA SOFIA AASTRUP (@juliasofiaaastrup)

コスメブランドNOBLE NORDICの創設者のアカウントです。大きな絵を用いた飾り付けが目を引くモダンなインテリアが参考になります。また、洗面所周りの様子を撮った写真もありスタイリッシュな小物で整頓された見た目はすぐにお家に取り入れたくなります。

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ⑧:liewood_design

 

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オーガニックの子供向けのタオルやベッド用品などを扱う会社の公式アカウント。お子さんがいる家庭にオススメで投稿される写真を参考におしゃれにコーディネートできます。子供が使うシーツや枕からマグカップやおやつ入れまで様々な日用品をインテリアの一部としてお部屋に溶け込ませています。

 

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ⑨:louliving

 

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水筒やバッグ、バス用品など幅広く扱うブランドIGENの創設者のアカウント。パステルカラーをインテリアに溶け込ませた可愛いお部屋を拝見できます。ダークで落ち着いた雰囲気よりも明るくカラフルな雰囲気のお家にコーディネートしたい方に参考になるアカウントです。

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ⑩:elledecorationdk

 

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フランスの有名雑誌ELLEのデンマーク版の公式アカウントもインテリアデザインの参考になる投稿を数多くしてますよ。在宅勤務をする方が増えた今、仕事スペースも北欧スタイルにコーディネートして仕事のやる気を出したいですよね。そんな方に参考になるオフィススペースのデザインからキッチン、リビングまで全てのお部屋のデザインのアイデアの元として投稿が活用できます。

デンマークインスタグラマーおすすめ・まとめ⑪:kahlerdesign

 

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セラミック製品を扱うブランドKähler Designの公式アカウント。インテリアデザインに良いアクセントになる食器類。写真のような可愛くかつスタイリッシュな柄のセラミック用品を使った飾り付けの様子を写真で見ることができます。北欧の雰囲気なお家にしたい方は食器などにもこだわりたいと思うのでこちらのアカウントがオススメですよ。

おわりに

デンマークインスタグラマーを10アカウント紹介させていただきました。
自宅のコーディネートやファッションのアイデアに役立てたり、セレブな生活を垣間見れたり様々な楽しみ方ができると思います。
皆さんの日常の中に少しずつデンマークのテイストを取り入れてみてはいかがでしょうか?

2021年2月5日
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デザイン家具北欧デザイン

デンマークの家具ブランド25選!北欧家具好きなら絶対に抑えておきたい物を中心に

by twistdesign 2020年10月26日

シンプルで洗練されたデザインの北欧家具は、世界中で根強い人気があり、日本にも人気の高い家具ブランドが多数あります。特にブランドの多くがデンマーク発であり、数多くの著名なデザイナーを輩出しています。

そこで、今回は北欧家具好きなら絶対に抑えておきたいデンマークの家具ブランド25選をご紹介させていただきます。老舗家具ブランドから新進気鋭の家具ブランドまでありますが、どれも根底には北欧らしさが表現されています。

【デンマークのヒュッゲ】

デンマークは、国連が2012年から発表している「幸福度調査」で2013年、2014年、2016年に1位を獲得しています。その理由としては、学力、勤務時間の少なさ、そして仕事の労働生産性が、世界上位。消費税は25%と大変高いものの、医療費、学費が無料なうえ、年金制度もしっかりしています。その「世界一幸せな国」とも言われるデンマークでは昔から「ヒュッゲ」という言葉が大切にされています。「ヒュッゲ」とは、英語ですらも直訳できる単語がない独特なニュアンスがありますが、イメージとしては「幸福」や「心地よさ」を表す言葉です。昨今ではこの「ヒュッゲ」が欧米でも注目を集めており、日本でも雑誌やテレビ番組などで特集されるようになってきました。

【デンマーク家具の黄金期】

歴史的に見て、デンマーク家具を代表するものは、1940年代から60年代の約30年という限られた期間にデザインされたものがほとんどです。デンマークでは1900年代以前はオリジナルと言える家具デザインは存在していませんでした。1900年代初頭から工業的な大量生産を前提としたバウハウスに影響を受け、それが独自の進化を遂げ、木材の材質を重視し、伝統的なクラフトマンシップを維持しながら、一般市民にも手が届きやすく使いやすい家具を作ることにいたりました。人口の少ないデンマークでの国内需要は限られたものでしたが、世界中で名声を高め、人気を博しました。

【デンマーク家具の衰退期】

1970年代に入ると、ポップカルチャーが流行し、デンマークモダン家具の人気は急落しました。さらに、マイスター制度が衰退したことで家具職人が減少し、家具工房の大半は廃業してしまいました。1980年代からは第二世代のデザイナーが難しい時代を乗り越えようと頑張りますが、世界の注目はすでにイタリアの家具に移ってしまっていました。デンマーク家具やインテリア界は長く厳しい時代が続きました

【現代のデンマーク家具】

1990年に入るとデンマークモダン家具が再び注目を集めだします。1990年代半ばにスウェーデンにて格安で総合家具を製造販売するイケアが登場し、世界中に旋風を巻き起こします。窮地に立たされたデンマークは、安価な家具より価格帯はやや高くても、品質やデザイン性に優れているうえに、一般庶民にも手が届く家具という方向性を見出します。1999年にはノーマン・コペンハーゲン、2002年にはヘイ、2006年にはムートなど、若手デザイナーを起用した新しくコスパの良い家具をプロデュースするブランドが設立されます。また、もう一つの傾向は、復刻生産です。デンマーク国内のみならず、国外の家具メーカーが製造ライセンスを取得して、復刻生産を行っており、近年増加傾向にあります。

【デンマークの家具ブランド25選①】
FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)

 

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出典:INSTAGRAM  (ダンチェア)

フリッツ・ハンセンは、1872年に創業した、長く使えるデザインを生み出すことを使命とする北欧デンマークの高級家具ブランドです。1900年代にはコペンハーゲン市庁舎の建設に際するタウンホールチェアや、国会議事堂で使用される椅子などを製作しました。1932年に発表した「ダンチェア」が大ヒットし、デンマークを代表する量産家具メーカーとして成長していきました。その後、アルネ・ヤコブセンやコーア・クリントとコラボレーションし、「セブンチェア」や「エッグチェア」など数多くの名作を生み出しています。1970年以降、北欧家具の人気が徐々に衰退をはじめ、フリッツ・ハンセンの業績も悪化していきました。そのため、それまでの家族経営からホールディングス化することで難局を乗り越えました。1990年代に入ると、デンマークの新進気鋭の若手デザイナーたちの作品を発表し、さらに2000年代以降はデンマークだけでなく様々な国のデザイナーたちと新製品の開発に取り組み、さらにインターナショナルブランドへと発展したのです。近年は、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルムなど当時のデザイナーによる名作と、現在開発を続けている新しいデザインをうまく共存させ、世界中の人々を魅了しています。日本でも大変人気の高いデンマークの家具ブランドです。

【デンマークの家具ブランド25選②】
eilersen(アイラーセン)

 

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(@romtilrom)がシェアした投稿 – 2019年11月月20日午前12時43分PST

出典:INSTAGRAM (ストリームラインソファ)

アイラーセンは、1895年に創業した歴史の長いデンマークの家具ブランドです。創業当時は馬車のシートとボディを製造しており、その後時代の変化とともにバスのシートを手がけるようになり、当時、バスの座席は木製でしたが、デンマークで初めて座席にクッション性を加えたのがアイラーセンでした。その技術を生かして家具を生産するようになったのは1970年代になってからでした。アイラーセンといえばデンマークでは誰もが知るソファブランドで、やわらかすぎず、硬すぎないアイラーセンのソファは、他にない快適な座り心地の代名詞となっています。日本で1番人気が高いのが「ストリームラインソファ」です。高密度のウレタンフォームとフェザークッションの組み合わせが、究極の座り心地を作り出しています。また、デザインはシンプルで、どんな部屋にもマッチしてくれそうです。

【デンマークの家具ブランド25選③】
Getama(ゲタマ)

 

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Ulrik Kemnitz(@kemnitzdk)がシェアした投稿 – 2020年10月月7日午前5時48分PDT

出典:INSTAGRAM (GE290ソファ)

ゲタマは、1899年に創業して以来、デンマークの小さな町ゲステッドに本社工場を構えるメーカーです。創業当初の社名は「ゲステッドの海藻とマットレス工場」で、ゲステッドで取れる海藻を使用した寝心地の良いベッドのマットレスを作っていました。マットレス事業で成功した資金を元に、家具工場を立ち上げました。1950年代に入ると、ハンス・J・ウェグナーがデザインしたソファやデイベッドを製造する大きな機会に恵まれます。海外への輸出も行うようになり、ウェグナーとの協力関係を深めたことで、1950年代には現在でもゲタマの看板商品であるソファ「GE240」や「GE290」を発表します。1999年のゲタマの創業100周年には、ウェグナーは現役を引退した6年後にも関わらず、「センチュリー2000」シリーズをデザインしたことから、素晴らしい友好関係にあったことが想像できます。

【デンマークの家具ブランド25選④】
Carl Hansen&Sun(カールハンセン&サン)

 

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🙋🏻Angelica(@herrgardsvagen9)がシェアした投稿 – 2020年10月月3日午前1時02分PDT

出典:INSTAGRAM (Yチェア)

カールハンセン &サンは1908年に小さな家具工場としてスタートしました。創立当初はクラシックソファなどのオーダーメイドの木製家具を製造していました。1915年に機械を導入した新工場を設立したことで、職人技と機械生産による効率的な生産を両立する家具メーカーとして拡大していきます。1930年代に、世界恐慌のあおりを受け、さらに創業者のカール・ハンセンが体調を崩し危機を迎えますが、経営に加わった23歳の息子が力を発揮し、輸出を拡大させたことで、難局を乗り切りました。1950年にはデンマーク家具デザインの巨匠、ハンス・J・ウェグナーがデザインした家具を5つ同時に発売します。特に「CH24(Yチェア)」は、発表以来これまでに世界中で70万脚以上が出荷されている代表作で、発売から70年経った今でも根強い人気を誇っています。2013年以降は、コペンハーゲンを皮切りに、ニューヨーク、サンフランシスコ、東京、大阪、ロンドン、ミラノ、ストックホルム、オスロにフラッグシップ・ショップを出店し、世界中を魅了し続けているデンマークの家具ブランドです。

【デンマークの家具ブランド25選⑤】
FREDERICIA(フレデリシア)

 

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Uppsala Auktionskammare(@uppsalaauktionskammare)がシェアした投稿 – 2020年10月月7日午前7時20分PDT

出典:INSTAGRAM (スパニッシュチェア)

フレデリシアは、1911年に創業したフレデリシアチェア・ファクトリーから工場を買収し、1955年に改めて設立された家具の名門ブランドです。デンマークの家具ブランドの中で重要な位置付けにあるのは、ボーエ・モーエンセンがデザインした家具による功績が大きいでしょう。モーエンセンによる「スパニッシュチェア」「イージーチェア2204」「シェーカーチェア」は、フレデリシアのアイコン的存在です。1972年のモーエンセンが他界したことで巨匠とのコラボレーションが終了してしまいますが、その後ナンナ・ディッツェルとのコラボレーションにより、1993年には代表作トリニダードチェアが発表され、再度大成功を収めるのです。現在は、ボーエ・モーエンセンを中心としたクラシックラインを主軸にしながらも、若手デザイナーのモダン色の強い作品にも力を入れています。上品で洗練されたデザインがこのブランドの特徴ですが、ブラックを基調としたモダンなソファやパーソナルチェアも展開しており、従来のデンマーク家具とは一線を画すデザインコンセプトも魅力の一つです。

【デンマークの家具ブランド25選⑥】
BoConcept(ボーコンセプト)

 

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出典:INSTAGRAM

木製家具職人ジェン・アーソジェとタジェ・モルホルムが1952年にデンマークのハーニングという小さな町で家具工房としてスタートしました。会社の規模が拡大するにつれて会社名は数回変更され、現在の「ボーコンセプト」となったのは1993年になってからでした。「アーバン デンマーク デザイン」というコンセプトのもと、伝統を下地にしつつも都会的でモダンでラグジュアリーな家具を発信しています。また、部屋のサイズやライフスタイルに合わせた家具のカスタマイズが可能という独自の方法を取っているのも人気の秘密でしょう。ボーコンセプトのデザイナーの一人、アンダース・ノルガードは数々の賞を受賞している国際的に認知されたデンマーク人デザイナーです。現在は、世界59か国、260の店舗を展開する大きなブランドで、日本にも直営店が19店舗あり、機能とデザインを両立させた素晴らしい家具を世界中へ送り出しているデンマーク家具ブランドです。

【デンマークの家具ブランド25選⑦】
PP Mobler(ピーピーモブラー)

 

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1953年に小さな工房からスタートしたデンマークの家具ブランドPPモブラー。1969年にデンマーク家具デザインの巨匠、ハンス・J・ウェグナーがデザインした椅子「PP201」と「PP203」を発表し、世界的に知られることになりました。その後もウェグナーのデザインした家具を製作し、数々の名作を誕生させました。1970年以降、北欧家具の人気が徐々に衰退し、1995年に再度評価され出すまで、多くのキャビネットメーカーが次々と廃業に追い込まれました。そんな中、PPモブラーは機械を導入することで、効率化できる部分は機械化し、機械では難しい部分は工房の職人に任せることで、品質を落とさず時代に合った家具工房へと変換を遂げ、今日まで生き残ってきました。今でも熟練の腕を持つ職人でないと生産する事ができない商品が多い、デンマーク有数の家具ブランドです。

【デンマークの家具ブランド25選⑧】
Onecollection(ワンコレクション)

 

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出典:INSTAGRAM (ペリカンチェア)

ワンコレクションは、1990年にハンセン & ソーレンセンとして創業した、比較的若い家具ブランドです。創業当時はデスク1台と椅子2脚の地下の小さなオフィスでした。1992年に製品化されたヘンリック・テングラーのデザインによる「チェアマンチェア」が大ヒットしたことが成功のきっかけとなりました。1998年にフィン・ユールの未亡人、ハンネ・ヴィルヘルム・ハンセンから依頼を受け、初のフィンユールデザインの復刻版となる「ソファ No.57」を手がけ、夫人の信頼を得たことで、フィン・ユールの初期の代表作「ペリカンチェア」と「ポエトソファ」の復刻量産化を果たしました。近年、デンマーク近代家具デザインの再評価によりフィン・ユールコレクションに対する関心も高まってきたことが追い風となりました。ワンコレクションは現在、フィン・ユール家具のほとんどすべてのライセンスを保有し、新たにフィンユールデザインの家具の復刻生産を許されている世界で唯一のメーカーです。

【デンマークの家具ブランド25選⑨】
HAY(ヘイ)

 

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HAYは、2002年に創業したデンマークのインテリアプロダクトブランドです。 1950年から1960年代のデンマーク家具のデザインを意識しながらも、 現代のライフスタイルに合わせたデザインを取り入れた機能性の高いデザインで現在北欧のインテリアデザイン界をリードしています。世界中の若手デザイナーも積極的に起用することでも知られており、新しい素材や最新テクノロジーを積極的に取り入れて家具を製造しています。ルイーズ・キャンベルやショルテン&バーイングスなど、 現在のデザイン界で国際的に活躍するデザイナーともコラボレーション行っています。また価格のバランスもよく、現代のライフスタイルにマッチした機能性の高いデザインと、その手頃な価格帯で、「買える家具」を提案しています。日本でもHAYは大人気になっており、様々な店舗で取り扱っています。「プリンスチェア」は、ルイーズ・キャンベルがデザインし、2003年のコペンハーゲン見本市で発表された後、「エル・デコ インターナショナル デザイン アワード」を受賞したHAY初期の名作です。

【デンマークの家具ブランド25選⑩】
Muuto(ムート)

 

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ムートは2006年にデンマーク、コペンハーゲンで設立されました。ムートという名はフィンランド語で「新たな視点」を意味する”muutos” に由来するそうです。その名の通り、伝統的な北欧デザインに、最前線で活躍する若手デザイナーを起用することで独自のテイストを加えたユニークなスタイルで、これまでにない北欧デザインを志向する新しいブランドです。伝統的な北欧デザインの美しさ、機能性、クラフトマンシップに根ざしながらも、先進的な素材や技術、大胆な発想力で、日常的家具に華を与え個性的なライフスタイルを提供するデンマークの家具ブランド「ムート」は世界中で高く評価されています。

【デンマークの家具ブランド25選⑪】
Berg Furniture(ベルグファニチャー)

 

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1974年に創業したベルグファニチャーは、北欧デンマークの老舗高級家具ブランドです。設立以来、リクライニングチェアとソファを専門に手掛けています。北欧家具ならではの無駄を省いたシンプルなデザインかつ、人間工学に基づき、究極の座り心地を求めて設計されたリクライニングチェアとソファは機能性や実用性に優れています。自社工場に所属する熟練の職人たちが責任を持って1台ずつ作り上げた「美しく快適な究極の椅子」は、世界中のセレブを魅了し続けており、世界中の官庁、ホテル、企業の重役室などでも重宝されている北欧デンマークの家具ブランドです。

【デンマークの家具ブランド25選⑫】
J.L Moller(ジェイエルムラー)

 

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1944年に創業したデンマークおよび北欧を代表する老舗家具ブランドです。主にダイニングテーブルとダイニングチェアを製造しています。特にダイニングチェアのラインナップが豊富で、天然木とペーパーコードの組み合わせによる滑らかで繊細なカーブラインは芸術的。現在は機械で生産さていますが、工程の最後の仕上げは必ず職人が行い世界中へ送り出されています。

【デンマークの家具ブランド25選⑬】
Montana(モンタナ)

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1982年に創業した北欧デンマークのモジュールシェルフを中心とする家具メーカー。モジュールシェルフとは組み合わせが自由にできる棚のこと。組み合わせパターンは50億通り以上で、セミオーダーに対応しています。ニュートラルかつベーシックなデザインの上、カラーバリエーションも豊富なので、オフィスや店舗で使用される事が多いのですが、個人宅のリビングや書斎にも調和させやすい作りです。現在は世界21カ国で展開する、北欧を代表する家具メーカーです。

【デンマークの家具ブランド25選⑭】
Engelbrechts(エンゲルブレヒト)

 

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1989年にデンマークのコペンハーゲンに創業した北欧家具ブランドです。オフィス向けのイスとテーブルをメインに生産しています。デンマークの著名なデザイナーたちとのコラボレーションにより、伝統的な技術と革新性を融合したデザインで、時代を超えて愛され続ける家具を作り続けています。特にインテリア業界を代表するインテリアデザイナーのラスムッセン兄弟がデザインした「KEVIチェア」は、これまでに約250万脚が製造された名作です。時代に応じたデザインと機能の改良が重ねられ、今でも世界中で愛されるロングセラーとなっています。

【デンマークの家具ブランド25選⑮】
Snedkergaarden(スネカルガールデン)

 

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スカネルガールデンは、創業35年以上の北欧デンマーク家具ブランドです。北欧を代表するデザイナー、ナナ・ディッツェルがデザインした「TRISSEN(トリッセン)」で有名なブランド。元々は子供向けの家具として作られたものですが、デンマークでは、チェア、テーブル、サイドボードと家具全般をラインナップしています。伝統的なデンマークの家具作りに則り、質のよい木材を使い、素材のよさを活かしたシンプルで機能的なデザインの北欧らしい家具を製造販売しています。

【デンマークの家具ブランド25選⑯】
Menu(メニュー)

 

 

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1976年に設立されたMENUは、世界中の優れたデザイナーとのコラボレーションにより、家具とホームアクセサリーを開発するデンマークのデザインブランド。本社はユトランド半島の東、バルト海に位置するシェラン島の北部の、自然の景色が清らかで美しく眺めの素晴らしい一帯にあります。ショールーム、オフィス、デザイン部、販売部の環境もよく、常に社員がクリエイティブでいられるようにしている会社です。実用的かつ洗練されたデザインの製品を人々の生活の中に提案していくことをコンセプトに、世界各国で展開しています。

【デンマークの家具ブランド25選⑰】
INNOVATION LIVING(イノベーション・リビング)

 

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1971年に、デンマークの誇り高い家具デザインの伝統に基づいて構築された北欧家具ブランド。「優れたデザインは、優れた機能性と優れた快適性と密接に関連している必要がある」というコンセプトのもと、デザイナー、製品開発者、技術者のチームが協力して、各製品に注力します。1989年より革新的で耐久性に優れた、機能的かつデザイン性の高いソファベッドの展開に力を入れてきました。現在、数あるデンマークの家具ブランドの中でも最も大きなメーカーの一つであり、年間およそ10 万台のソファベッドを生産しています。

【デンマークの家具ブランド25選⑱】
mater(メーター)

 

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2006年にデンマークで設立された新進気鋭の家具ブランド。社会や環境への責務を果たすという倫理的なビジネス戦略に基づいて象徴的で美しいデザインの家具を製作しています。FSC(森林管理協議会)公認の⽊材を使用し、制作の工程で環境や社会に影響を与えてしまっているものに着目し、できるだけ影響を最小限に抑えた上で、⻑年その良さを味わえる商品を生み出す事をコンセプトにしています。ハイスツールやボウルテーブルをメインに、既に世界各国のレストランや個人邸に数多く納入されています。

【デンマークの家具ブランド25選⑲】
normann COPENHAGEN(ノーマンコペンハーゲン)

 

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1999年にデンマークで設立されたノーマンコペンハーゲンは、最も有名な北欧家具ブランドの一つとして世界中で親しまれています。ファッション業界から影響を受けた独特の色や、ミニマルな美しさに、機能性併せ持つデザインが特徴的な製品を多数発表しています。製品は世界80か国以上で販売されており、80を超えるデザイン賞を受賞してきました。

【デンマークの家具ブランド25選⑳】
Brdr. Kruger(クルーガー・ブラザーズ)

 

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1886年にテオドルとフェルディナントのクルーガー兄弟によって設立されたデンマークの老舗ブランド。 もともとは旋盤木工所でしたが、現在は自社生産のデザイン会社であり、品質と職人技への取り組みが家族5世代に渡り受け継がれてきました。 クルーガーは木材に強い情熱を持っており、最高の素材と最高の職人技の組み合わせには、時代を超えた最高の品質を生み出すという美学を重んじています。

【デンマークの家具ブランド25選㉑】
SIBAST FURNITURE (シバスト・ファニチャー)

 

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1908年にデンマークのフュン島で小さな家具工房から始まったシバスト・ファニチャー。2代目の木工職人ヘルゲ・シバストがシバストNo.8チェアなどの高い加工技術による挑戦的な家具を数多く生み出し、家具ブランドとしての名声を高めました。1960年代には120名もの木工職人を抱えるまで成長し、デンマークのロイヤルファミリーやアメリカホワイトハウスにも納品しています。後継者がいなかったことから、1985年に他者に工場を譲渡することになりましたが、2012年に孫のディトレヴ・シバストとその妻のアナ・シバストが意思を引き継ぎデンマークで復刻されました。現在でも世界の人々を魅了しています。

【デンマークの家具ブランド25選㉒】
+Halle(プラスハレ)

 

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2014年にデンマークでスタートした、世界的にも最も新しい家具ブランドのひとつ。「人間空間の創造」をコンセプトに、学校、空港、病院、美術館、オフィス、公共施設、または野外など、場所の種類に関わりなく、人々に心地よくリラックスする機会を与える空間を作る家具に特化した家具ブランドです。ターゲットとしているマーケットは(企業オフィスも含めた)商業市場であり、ウンジ・パブリック空間での使用に特化したラウンジチェア、ソファ、ベンチ、ブースなど、限られたタイプの家具のみを製造販売しているのが大きな特徴です。

【デンマークの家具ブランド25選㉓】
NORR11

 

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2011年に設立されたデンマークの家具ブランド。北欧のデザインを新たな解釈で再考し、過去と現在を組み合わせ、時代を超越した家具の製作をコンセプトとしています。ほとんどのデザインは、デンマーク出身のデザイナー、ルーンクロイガードとのコラボレーションによって生み出されており、さらに最高のメーカーやサプライヤー、そして優れた職人による技術で、最高品質の家具を提供しています。

【デンマークの家具ブランド25選㉔】
SKOVBY(スコービー)

 

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1933年にデンマークで創業して以来90年近い歴史を持つ、高級ダイニングとリビング向けの家具ブランド。 現在、3工場210人の従業員を有し「世界の家具」をコンセプトに掲げ、世界市場に向けて製品の開発を続けています。 厳選された木材だけを使用し、熟練した職人技によって生み出される製品は、優れた品質、美しさに加え、卓越した機能性を備えており、世界中で高い評価を受けています。現在は3代目が継ぎ、創業当時と同じデンマークのスコービーで設計および製造されています。特に、天板の面積を変えることができる伸張式のテーブルは大変人気があります。

【デンマークの家具ブランド25選㉕】
&Tradition

 

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2010年に設立された、伝統と革新を融合させたデンマークのデザイン会社。材料を加工する方法を再考し、伝統と革命から生まれた時代を超越する美しさと品質を追求しています。個性的な家具コレクションには、1930年頃から現代までの、国際的に知名度の高いデザイナーによるものが揃っています。特に有名な家具は、アルネ・ヤコブセンがフレミング・ラーセンとともに手がけたメイヤー・ソファです。

【おわりに】

今回は、老舗のデンマーク家具ブランドから新しいデンマーク家具ブランドまで25選をご紹介しました。北欧家具を探しているのでしたら、ぜひ参考にしてみてください。

2020年10月26日
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デザイン家具

デンマーク名作家具10選!特徴や歴史とともにご紹介

by twistdesign 2020年10月12日

【デンマーク家具の特徴と歴史】

一般にデンマーク家具と聞いて思い浮かべる家具は、1940年代から60年代の約30年という限られた期間にデザインされたものがほとんどです。特徴としては、「シンプル」「モダン」「ナチュラル」「機能的」「実用的」などがあげられます。デンマークでは1900年代以前はオリジナルと言える家具デザインは存在していませんでした。1900年代初頭から工業的な大量生産を前提としたバウハウスに影響を受け、それが独自の進化を遂げ、木材の材質を重視し、伝統的なクラフトマンシップを維持しながら、一般市民にも手が届きやすく使いやすい家具を作ることにいたりました。

日本で紹介される北欧家具で、代表的なものはデンマークのデザイナーによるものです。デンマークの家具デザインで一番重視されていることは機能性や実用性。十分な機能や性能があることが確認されてから美しさを追求します。昔から引き継がれている高い技術と感性が、今でも世界中から高い評価を受けている理由でしょう。現代でも、その技術やデザインを受け継ぐデザイナーが輩出されています。

【デンマークの名作家具】

そんなデンマークで巨匠と呼ばれるデザイナー達によってデザインされ、今もなお愛され続けている名作家具があります。シンプルなデザインで、機能性があり、実用的な名作家具10選をデザイナーと共にご紹介させていただきます。

デンマークの名作家具10選①②
アントチェア&エッグテーブル/アルネ・ヤコブセン

出典:Pinterest

アルネ・ヤコブセンがデザインした、ミッドセンチュリーの象徴的なデンマークのチーク材を使用した、アントチェアとエッグテーブル。

アントチェアは、1951年にデンマークのノボノルディスク社の社員食堂用の椅子としてデザインされた世界初の量産型椅子です。座面、背板を1枚の3次元成型合板という高度な技術で作られた椅子は、当時の木製家具の世界に新しい風を吹き込んだデンマークの名作家具です。そのフォルムが蟻を連想させることから、「アント(蟻)チェア」の愛称を持ち、日本ではアリンコチェアとも呼ばれています。

アリンコチェアに合わせて、天板が卵形のエッグテーブルもデザインされました。このテーブルは小ぶりながらも大胆なデザインで、アリンコチェアとマッチするように3本脚です。フリッツ・ハンセン社より発売され、1952年から1960年までの8年間だけ製造されました。現在はリプロダクト版がお手頃な値段で販売されています。

デンマークの名作家具10選③
セブンチェア/アルネ・ヤコブセン

出典:Pinterest

アルネ・ヤコブセンがデザインしたアントチェアの後継として1955年に発表されて以来、現在までに全世界で700万台以上販売されており、また、世界で一番売れているスタッキングチェアとして知られる「セブンチェア」。日本にでも、オフィス、図書館や美術館などの公共施設などでもよく使われているデンマークの名作家具です。

デンマークの名作家具10選④
スワンチェア

出典:Pinterest

スワンチェアは、1958年にデンマーク、コペンハーゲンにあるSASロイヤルのロビーおよびレセプションエリアのために、エッグチェアと共にアルネ・ヤコブセンによってデザインされました。スワン(白鳥)が羽を広げようとするイメージで、直線がなく、曲線のみの貝殻形状は圧迫感がない優しいデザインの名作家具です。

アルネ・ヤコブセン (Arne Emil Jacobsen) 1902〜1971

世界で最も有名な北欧デザイナーと言っても過言ではないアルネ・ヤコブセン。ヤコブセンは、北欧デンマークのモダニズムをリードした建築家兼家具デザイナーです。1920年代から70年代にかけて多くの有名建築をデザインしました。また、上記で紹介した「アントチェア」「エッグテーブル」「セブンチェア」「スワンチェア」など、今でも人々に愛される機能的で、デザインも美しい、北欧を代表する家具を生み出したデザイナーです。

デンマークの名作家具10選⑤
Yチェア/ハンス・J・ウェグナー

出典:Pinterest

ハンス・J・ウェグナーによる名作Yチェア。1950年の発表以来、これまでに世界中で70万脚以上が出荷されていて、数多くあるウェグナーの椅子の中で最も売れたと言われる椅子です。ゆったりとした奥行きのある座面と背から肘まで緩やかに回り込むようなラインの肘掛けが特徴で、ダイニングでもくつろげるチェアとして愛され続けています。中国の明朝時代の椅子をヒントにデザインされ、細部を更に突き詰めることで誕生したチェアで、機械生産がしやすい形状のため、工業デザインとしても優れています。背板の合板がY字型なので、Yチェアと呼ばれています。

デンマークの名作家具10選⑥
CH339 ダイニングテーブル/ハンス・J・ウェグナー

出典:Pinterest

1962年にデザインされたハンス J. ウェグナーの代表作の一つ、ダイニングテーブルCH339。天板に伸長板を挿入することで、伸長することもできる実用的なテーブルです。楕円の曲線美とシンプルな構造が、これぞデンマーク家具というデザインです。デザイン性だけではなく機能性、耐久性にも大変優れていて、長年同じコンディションのまま使い続けることができるデンマークの名作家具です。

ハンス・J・ウェグナー (Hans Jørgensen Wegner) 1914〜2007

ハンス・J・ウェグナーは、13歳から家具職人の下で修行を始め、17歳の時には指物師のマイスターの資格を取得しました。20歳のまで家具職人の下で修行しながら、国立産業研究所で木材についての研究もしていたという努力家。23歳の時デンマークのコペンハーゲン美術工芸学校に入学し家具設計を学びました。妥協のない品質へのこだわり溢れる多くの家具を創り出したウェグナーは、生涯で500種類以上ものチェアをデザインした20世紀の北欧を代表するデザイナーの一人です。彼のデザインした家具は今でも生産され、日本でも多くの人々に愛され続けています。

デンマークの名作家具10選⑦
J39 シェーカーチェア/ボーエ・モーエンセン

出典:Pinterest

デンマークで「庶民のデザイナー」として知られるボーエ・モーエンセンによる、素材を生かしたシンプルなデザインが特徴の「J39 シェーカーチェア」。モーエンセンは、人々の住宅事情や消費意識などに合わせた家具を追求し、一般庶民が購入できる価格でありながら、質の高い家具を創ることを使命としていました。「J39 シェーカーチェア」の背もたれには、大きく湾曲させた幅広の板を使い、すっきりしたデザインの上、生産性の高い椅子です。デンマークでは「庶民の椅子」と呼ばれ、現在でも国民的な椅子として親しまれている名作家具です。

デンマークの名作家具10選⑧
C18 シェーカーダイニングテーブル/ボーエ・モーエンセン

出典:Pinterest

1947年、ボーエ・モーエンセンがFDBモブラーの家具部門責任者だったころにデザインしたC18ダイニングテーブル。伝統的なシェーカー様式のテーブルから着想を得たH型の脚で、 脚が角に無いので、どの位置にも椅子を置くことができ、大人数で囲むのに適しています。 また椅子に座る際に脚が邪魔にならないため出入りがしやすく、車椅子の納まりも良いため、ユニバーサルデザイン性の高さにも注目が集まっているデンマークの名作家具です。

ボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)1914~1972

デンマークで「庶民のデザイナー」として知られるボーエ・モーエンセンは、16歳で木工職人に弟子入りし、20歳で木工マイスターの資格を得ました。22歳でコペンハーゲン美術工芸学校に入学し、本格的に家具デザインを学びます。その頃学校で仲が良くなり長年交流を持つのが次に紹介するハンスJ.ウェグナーです。また、美術工芸学校を卒後したのち進学した、デンマーク王立アカデミー家具科では、コーア・クリントに師事し、様々な家具の応用や数学的アプローチに基づく家具デザインの方法論を学びます。1942年には、28歳にしてFDBモブラー家具デザイン室の責任者に抜擢されました。

デンマークの名作家具10選⑨
パントンチェア/ヴェルナー・パントン

出典:Pinterest

現在ではミッドセンチュリーデザインの象徴ともいわれるヴェルナー・パントンによる名作パントンチェア。 パントン自身の名を冠したパントンチェアの、 安く生産できるパリエステル樹脂の一体成型という画期的なアイデアと、可塑性の素材でなければ成しえない、流れるような究極のフォルムは、発表されるやいなや世界中で大絶賛を受けました。そして、その時代ごとに、最も優れた素材を用いるという彼のアイデアのもと、今でも新しい素材をもって生まれ変わり続けているデンマークの名作家具です。

ヴェルナー・パントン(Verner Panton) 1926~1998

デンマーク近代家具デザインの「異端児」ヴェルナー・パントン。独特の色彩構成と近未来的な空間形成は1960~1970年代のデザイン界に大きな影響を与えました。21歳からコペンハーゲンのデンマーク王立芸術アカデミー建築を専攻した後、当時の北欧デザイン界のトップであったアルネ・ヤコブセンの建築事務所で働き腕を磨きます。2年で退所した後は、3年間ほどヨーロッパ各地を放浪し、その後、1955年に若干29歳という若さで自身の建築デザイン事務所を設立します。パントンは家具の概念を覆す斬新な家具やインテリアを次々と発表しました。

デンマークの名作家具10選⑩
ダイニングテーブルPK54/ポール・ケアホルム

出典:Pinterest

円形のダイニングテーブルPK54は、ポール・ケアホルムの代表的なダイニングテーブルです。ケアホルム夫人であるハンナ・ケアホルムが自邸のダイニングで使うためにデザインしたダイニングチェアのPK9と合わせて1963年に作られました。天板は正円、脚は4つの正方形を組み合わせたもので、とてもシンプルな構造です。また、天板は石、ベースはスチールで、対照的な形と素材が組み合わさり、現代的な印象を与えます。さらに、このテーブルの大きな特徴として、テーブルの大きさを拡張させる木製のパーツがあります。大理石と木の組み合わせは、新しい表情を生み、大人数で使用することを可能にします。

ポール・ケアホルム(Poul Kjaerholm)1929~1980

シャープで直線的な作品で知られるポール・ケアホルムは、家具職人としての修業した後、コペンハーゲン工芸学校で家具デザインを学びました。ケアホルムは、当時から建築素材に強い関心を持っており、家具の素材としてはまだ一般的ではなかったスチール素材も、木などと同様、芸術的な繊細さをもつ天然素材であると考えていました。卒業後はフリッツ・ハンセン社に約1年間勤め、その間に重要な椅子のプロトタイプを数多くデザインしました。1955年より家具メーカーのアイヴィン・コル・クリステンセン社との共働し、その協力は1980年にケアホルムが51歳の若さで亡くなるまで続きました。

【おわりに】

ご紹介した椅子やテーブル以外にも、まだ数多くの名作家具があります。もし「デンマークの名作家具」に興味を持っていただけましたなら、是非ともご自分でさらに調べてみてください。ご自分が好きな、シンプルかつ美しいデンマークの名作家具がきっと見つかることでしょう。

2020年10月12日
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デザイン家具北欧デザイン

デンマーク家具の歴史!デンマーク出身のデザイナーと共に

by twistdesign 2020年9月7日

【デンマークという国】

デンマークは、首都コペンハーゲンがあるシェラン島、ドイツとの国境を有するユトランド半島、そのユトランド半島の東に位置しデンマークの中央部にあるフュン島と、400以上の島々からなる、日本で言うと九州ほどの広さに、たった580万人ほどが暮らす小さな国です。日本より大分北に位置しているので、夏は快適で昼間も長いのですが、冬は暗くて長い夜が続きます。ただ、気温はそれほど低すぎず、氷点下になる時期は短く、雪もあまり降りません。この気候がデンマークの生活や文化に大きな影響を及ぼしていて、特に長い冬の間室内で過ごす時間が多いため、快適な住空間が発達したようです。機能的でデザイン性の高い家具が数多く作り出されたのも、そのためと言えるでしょう。

またデンマークは、世界幸福度ランキングで常に上位にランクされています。税金はかなり高いのですが、教育費、医療費、出産費がかからないため、様々なことを心配せず生活ができます。さらにデンマークは、職業による収入格差が少なく、公務員と弁護士とバスの運転手の収入が概ね同等なうえ、福利厚生や有給休暇も手厚いということです。個々の能力に合う職業につき、デンマーク社会に貢献できる人材になるために勉強をするため、学歴で評価されることもほぼないのです。このような協働の意識が、世界で最も幸福な国の一つを作っているのですね。

【デンマーク家具の特徴と歴史】

一般にデンマーク家具と聞いて思い浮かべる家具は、1940年代から60年代の約30年という限られた期間にデザインされたものがほとんどです。特徴としては、「シンプル」「モダン」「ナチュラル」「機能的」「実用的」などがあげられます。デンマークでは1900年代以前はオリジナルと言える家具デザインは存在していませんでした。1900年代初頭から工業的な大量生産を前提としたバウハウスに影響を受け、それが独自の進化を遂げ、木材の材質を重視し、伝統的なクラフトマンシップを維持しながら、一般市民にも手が届きやすく使いやすい家具を作ることにいたりました。

【歴史に沿ったデンマーク出身のデザイナー】

先にも述べた通り、デンマークの家具というと1940年代から60年代の約30年にデザインされたものを指します。その30年と前後の巨匠と言われるデンマーク家具のデザイナー達は約18名です。その中でも特に名が知られていて今でも人気のある家具のデザイナーを年代の古い順から紹介していきます。

【デンマーク出身のデザイナー①】
1888〜1954 コーア・クリント(Kaare Klint)

まず、「デンマーク家具の歴史」として外すことができないのがコーア・クリントです。コーア・クリントは「デンマーク近代家具デザインの父」とも呼ばれ、後のデンマーク家具デザインに大きな影響を与えたデザイナーです。デンマーク王立芸術アカデミーに家具科を設立し、初代教授を務め、オーレ・ヴァンシャーやボーエ・モーエンセンなど北欧デンマーク家具デザインを代表する多くのデザイナーを育てました。

レッドチェア(1927)


出典:ピンタレスト

コーア・クリントは、伝統家具の合理性や美しさを調査し、分析し、再認識して、伝統家具に伝統美と機能性の両面を持たせ、現代的に「リデザイン(再設計)」する事を説きました。特にイギリスで18世紀に流行した家具の研究を行っており、1927年に、イギリスを代表するトーマス・チッペンデールの椅子をリデザインした「レッドチェア」を発表しました。また、コーア・クリントは人体と家具の相関関係や収納家具の基本寸法などについても研究し、数学的なアプローチを家具デザインに導入していました。

サファリチェア(1933)


出典:ピンタレスト

1943年には自身でレ・クリント(LE KLINT)を創業し、折りたたみの式のスツール「プロペラスツール」や世界初とも言える組立式椅子「サファリチェア」、紙を規則的に折り上げて作る、手づくりのランプシェードなど機能性もデザイン性も優れた作品を残しました。

306ランプ(1945)


出典:ピンタレスト

【デンマーク出身のデザイナー②】
1902~1971 アルネ・ヤコブセン(Arne Emil Jacobsen)

世界で最も有名な北欧デザイナーと言っても過言ではないアルネ・ヤコブセン。ヤコブセンは、北欧デンマークのモダニズムをリードした建築家兼家具デザイナーです。1927年に王立芸術アカデミーを卒業してから70年代にかけて、多くの有名建築をデザインしました。その建築デザインは、ベルビュービーチの総合リゾート開発、オーフス市庁舎、ベラヴィスタ集合住宅内のタウンハウス、SASロイヤルホテル、オックスフォード大学の新キャンパスなど、今でも残っている建物が多数あります。ヤコブセンのデザインの特徴は、ランドスケープから建築、家具さらにはカトラリーまで、トータルにデザインに携わったことです。

セブンチェア(1955)


出典:ピンタレスト

アルネ・ヤコブセンは「アントチェア」「スワンチェア」「セブンチェア」など、今でも人々に愛される機能的で座りやすく、デザインも美しい、北欧インテリアデザインを代表する椅子を生み出しました。特に世界で一番売れているスタッキングチェアとして知られる「セブンチェア」は、日本にでも、オフィス、図書館や美術館などの公共施設などでもよく使われているので、目にしたことがある人は多いでしょう。

新しいタイプの建築と、それに不可欠なインテリアエレメントを主張し続けたことで、当時は市民に反対されたこともありましたが、現在ではデンマークの一部となり、人々に愛され続けています。

【デンマーク出身のデザイナー③】
1903~1985 オーレ・ヴァンシャー(Ole Wanscher)

コーア・クリントの愛弟子の一人。コーア・クリントがデンマーク王立芸術アカデミーに設立した家具科で学び、クリントのいる事務所に勤めた時期もあり、さらにクリントの死後は、家具科の教授に選ばれました。家具デザイナーとしてだけではなく、家具研究の著書も多く、後進の教育にも務めた、アカデミックなデザイナーです。クリントの愛弟子だけに、オーレ・ヴァンシャーがデザインする家具は伝統家具のリデザインで、イギリスだけでなく、ギリシャ、エジプト、中国など、様々な国の家具に影響を受けています。

コロニアルチェア(1949)


出典:ピンタレスト

オーレ・ヴァンシャーの家具は繊細でエレガントなものが多く、また、高級木材を使用したものが多かったため、モダンとはいえ、まだ庶民には手の届きにくい家具でした。しかし、量産用の一般家庭向けの家具もいくつか残しており、現在中古家具などではその種類が多いです。特に、1949年に発表されたコロニアルチェアは、ヴァンシャーの家具らしいエレガントな雰囲気でありつつも、効率よく各部材を加工できるようにデザインされた椅子です。

【デンマーク出身のデザイナー④】
1912~1989 フィン・ユール(Finn Juhl)

フィン・ユールは、当時主流であったコーア・クリントのメソッドを重んじる形式から抜け出し、独自のデザインを確立したデザイナーとして知られています。18歳でデンマーク王立芸術アカデミーの建築科に入学し、在学中から、当時デンマーク建築界を牽引していた建築家ヴィルヘルム・ラウリッツェンの事務所に入ります。その事務所にいた10年間で、コペンハーゲンの「カストラップ空港新ターミナル」や、デンマーク国営ラジオの本部「ラジオハウス」など多くの設計に携わりました。ユールは、木工マイスターの資格を持っていなかったので、家具職人のニールス・ヴォッダーと長年タッグを組み、彫刻的で有機的なフォルムの家具を次々とデザインします。1940年代、デンマークでユールの奇抜なデザインの家具はあまり評価が高くありませんでした。しかし、ニューヨークの国連の議場を設計したり、ニューヨーク近代美術館のキュレーター、カウフマンJr.の後押しを受けたりしたことで、デンマークよりアメリカで高く評価され、国際的に活躍したことで、デンマークでも次第に評価が高くなりました。

イージーチェア No.45(1945)


出典:ピンタレスト

「世界で最も美しいアームを持つチェア」とまで言われているフィン・ユールのNo.45 イージーチェアは、ユールがヴィルヘルム・ラオリッツェンから独立後に最初にデザインしたチェアで、まさに巨匠フィン・ユールの出発点であり、一番の代表作です。シートとフレームが分離する構造のためアームや脚の部分に隙間があるので、まるで宙に浮いているようなデザインで、彫刻的な美しさを強調する事が出来ています。

【デンマーク出身のデザイナー⑤】
1914~1972 ボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)

ボーエ・モーエンセンは16歳で木工職人に弟子入りし、20歳で木工マイスターの資格を得ました。22歳でコペンハーゲン美術工芸学校に入学し、本格的に家具デザインを学びます。その頃学校で仲が良くなり長年交流を持つのが次に紹介するハンスJ.ウェグナーです。また、美術工芸学校を卒後したのち進学した、デンマーク王立アカデミー家具科では、コーア・クリントに師事し、様々な家具の応用や数学的アプローチに基づく家具デザインの方法論を学びます。1942年には、28歳にしてFDBモブラー家具デザイン室の責任者に抜擢されました。

J39 シェーカーチェア(1947)


出典:ピンタレスト

「庶民のデザイナー」として知られるボーエ・モーエンセンは、人々の住宅事情や消費意識などに合わせた家具を追求し、一般庶民が購入できる価格でありながら、質の高い家具を創ることを使命としていました。モーエンセンが数々の試行錯誤を重ねた結果、1947年には、19世紀にアメリカで生まれたシェーカー教団の椅子「シェーカーチェア」をリデザインした、J39 シェーカーチェアを完成させました。背もたれには、大きく湾曲させた幅広の板を使い、すっきりしたデザインの上、生産性の高い椅子です。しかし当時はまだ、一般庶民には受け入れられず、モーエンセンがデザインした椅子が大ヒットしたのは、モーエンセンがFDBモブラーを去ったあとの1950年代になってからでした。その後デンマークでは「庶民の椅子」と呼ばれ、現在でも国民的な椅子として親しまれています。

モーエンセンは、1950年に自分のデザイン事務所を構え、新たな方向性を示したハンティングチェアやスパニッシュチェアを発表し、多くのメーカーからの依頼で、1960年代後半まで工場で量産できる家具を次々とデザインしました。デンマークの庶民の生活スタイルを変えるというデンマーク家具の歴史に大きな功績を残したのです。

【デンマーク出身のデザイナー⑥】
1914~2007 ハンス J. ウェグナー(Hans Jørgensen Wegner)

日本でもよく知られているハンス・J・ウェグナー。14歳から家具職人の下で修行を始め、17歳の時には木工マイスターの資格を取得しました。20歳のまで家具職人の下で修行しながら、国立産業研究所で木材についての研究もしていたという努力家。23歳の時コペンハーゲン美術工芸学校に入学し家具設計を学び、コーア・クリントのデザイン方法論を学びました。1938年~1942年の間②で紹介したアルネ・ヤコブセンと建築家エリック・モラーの建築事務所に勤め、フィン島東端に位置する都市ニューボの図書館で使用する家具、オーフス市庁舎で使用する家具などをデザインしました。1943年には自身の建築事務所を設立。1946年にはボーゲモーエンセンと合作したインテリアデザインを、コペンハーゲン高級家具師展に出品するなどし、活躍の幅を広げて行きました。その後ヨハネスハンセン、フリッツ・ハンセン社などの家具デザインを多数手掛けます。

Yチェア(1949)


出典:ピンタレスト

1950年の発表以来、これまでに世界中で70万脚以上が出荷されていて、数多くあるウェグナーの椅子の中で最も売れたと言われる椅子です。ゆったりとした奥行きのある座面と背から肘まで緩やかに回り込むようなラインの肘掛けが特徴で、ダイニングでもくつろげるチェアとして愛され続けています。中国の明朝時代の椅子をヒントにデザインされ、細部を更に突き詰めることで誕生したチェアで、機械生産がしやすい形状のため、工業デザインとしても優れています。背板の合板がY字型なので、Yチェアと呼ばれています。

妥協のない品質へのこだわり溢れる多くの家具を創り出したハンス・J・ウェグナーは、生涯で500種類以上ものチェアをデザインした20世紀のデンマーク及び北欧を代表するデザイナーの一人です。1959年にはロンドン王立美術協会から王立産業デザイナー名誉会員の称号が贈られました。彼のデザインした家具は今でも生産され、世界中で多くの人々に愛され続けています。

【デンマーク出身のデザイナー⑦】
1923~2005 ナンナ・ディッツェル(Nanna Ditzel)

当時、男性の家具デザイナーがほとんどでしたが、その中で活躍した数少ない女性家具デザイナーの代表がナンナ・ディッツェルです。家具以外にもアクセサリーやテキスタイルのデザインも手掛け、色彩にこだわりを持ったデザイナーでした。19歳から家具職人養成学校で修業し、翌年はコペンハーゲン美術工芸学校に入学し家具デザインを勉強しました。その時知り合い結婚したヨルゲン・ディッツェルと共同でデザイン事務所を立ち上げ、一緒にデザインした家具や、テキスタイル、ガラス、陶器、金属アクセサリーなどが数々の名誉ある賞を受賞し「コンペ荒らし」として有名になりました。2人でデザインした家具で特に有名なのは、籐編みのハンギングチェアです。しかし、夫ヨルゲンは40歳の若さで他界してしまいました。

TRISSEN(1962~63)


出典:ピンタレスト

一人になってからもデザイナーとして活躍を続け、我が子の成長に合わせて、さまざまな子供向け家具を生み出しました。特に遊び心のあるトリッセンシリーズのスツールは、今でも変わらぬ人気のある作品。もともとは子供用のスツールとしてデザインされましたが、転がして遊ぶこともできますし、コンパクトなサイズと使い勝手の良い形状から大人がサイドテーブルとしても使うこともできます。はなやかな色のバリエーションが多く、スツール。オーク材、ビーチ材などの無垢材で作られているので子供が使っても非常に安心なしっかりとした作りです。デンマーク家具特有の機能性とデザイン性が融合した作品です。

1968年にはロンドンで家具ショップを経営する人と再婚し、拠点をロンドンへ移し、ロンドンでも活躍しましたが、またもや再婚相手が他界し、1986年に再度デンマークに移り住むことになります。ロンドンでの活躍により、デンマークでも歓迎され、82歳で他界するまで、精力的にデザイン活動を続けました。74歳の時にデザインしたシティベンチは、今でもコペンハーゲンの公園などに置かれ、街にしっくりなじんでいます。

【デンマーク出身のデザイナー⑧】
1926~1998 ヴェルナー・パントン(Verner Panton)

デンマーク近代家具デザインの「異端児」ヴェルナー・パントン。独特の色彩構成と近未来的な空間形成は1960~1970年代のデザイン界に大きな影響を与えました。21歳からコペンハーゲンのデンマーク王立芸術アカデミー建築を専攻した後、当時の北欧デザイン界のトップであったアルネ・ヤコブセンの建築事務所で働き腕を磨きます。2年で退所した後は、3年間ほどヨーロッパ各地を放浪し、その後、1955年に若干29歳という若さで自身の建築デザイン事務所を設立します。パントンは家具の概念を覆す斬新な家具やインテリアを次々と発表しました。

パントンチェア(1967)


出典:ピンタレスト

現在ではミッドセンチュリーデザインの象徴ともいわれる名作パントンチェア。 パントン自身の名を冠した「パントンチェア」の、 安く生産できるパリエステル樹脂の一体成型という画期的なアイディアと、可塑性の素材でなければ成しえない、流れるような究極のフォルムは、発表されるやいなや世界中で大絶賛を受けました。そして、その時代ごとに、最も優れた素材を用いるという彼のアイディアのもと、今でも新しい素材をもって生まれ変わり続けています。

木を使った北欧の伝統的な技法を嫌い、奇抜な色使いと斬新なアイディアから特異な存在であったパントンの家具ですが、今でも多くの人を魅了して止まず、北欧のモダンデザイン史の中で代表的な地位を確立しています。

【デンマーク出身のデザイナー⑨】
1929~1980 ポール・ケアホルム(Poul Kjaerholm)

ポール・ケアホルムは、一切の妥協を許さず、極限まで洗練されたフォルムを追求する、徹底した美意識を有するデザイナーでした。家具職人としての修業した後、コペンハーゲン工芸学校で家具デザインを学びました。ケアホルムは、当時から建築素材に強い関心を持っており、家具の素材としてはまだ一般的ではなかったスチール素材も、木などと同様、芸術的な繊細さをもつ天然素材であると考えていました。卒業後はフリッツ・ハンセン社に約1年間勤め、その間に重要な椅子のプロトタイプを数多くデザインしました。

PK-22


出典:ピンタレスト

1955年より家具メーカーのアイヴィン・コル・クリステンセン社と共働し、ダイニングチェアPK-1を皮切りに、様々なPKシリーズを発表します。1956年に発表されたPK-22は、1957年のミラノトリエンナーレにてグランプリを受賞した彼の代表作です。ケアホルムのクラフトマンシップを大切にする姿勢が伝わります。金属のフレームを使用し、一見すると直線的で硬派な印象を受けるが、体が直接触れる部分には高品質な革を使い、左右に渡したステンレスバーが圧力を保ち支えるというシンプルな構造で、人が座ると座面と背面が人の重みで沈みこみ、包まれるような座り心地です。

アイヴィン・コル・クリステンセン社との協力は1980年にケアホルムが51歳の若さで亡くなるまで続きました。ケアホルムは、クリント派でありながら、他の家具デザイナーが木製家具を中心にデザインしたのとは異なり、金属製の家具のデザインを得意としていました。美と緊張感が融合したケアホルムの家具は、空間を引き締める要素として、今でもインテリアデザイナーから重宝されています。

【現在に至るデンマーク家具の歴史】

1970年代に入ると、ポップカルチャーが流行し、デンマークモダン家具の人気は急落しました。さらに、マイスター制度が衰退したことで家具職人が減少し、家具工房の大半は廃業してしまいました。1980年代からは第二世代のデザイナーが難しい時代を乗り越えようと頑張りますが、世界の注目はすでにイタリアの家具に移ってしまっていました。デンマーク家具やインテリア界は長く厳しい時代が続きましたが、1990年に入るとデンマークモダン家具が再び注目を集めだします。1990年代半ばにスウェーデンにて格安で総合家具を製造販売するイケアが登場し、世界中に旋風を巻き起こします。窮地に立たされたデンマークは、安価な家具より価格帯はやや高くても、品質やデザイン性に優れているうえに、一般庶民にも手が届く家具という方向性を見出します。1999年にはノーマン・コペンハーゲン、2002年にはヘイ、2006年にはムートなど、若手デザイナーを起用した新しくコスパの良い家具をプロデュースするブランドが設立されます。また、もう一つの傾向は、復刻生産です。デンマーク国内のみならず、国外の家具メーカーが製造ライセンスを取得して、復刻生産を行っており、近年増加傾向にあります。

【おわりに】

デンマークでは昔から「ヒュッゲ」という言葉が大切にされています。「ヒュッゲ」とは、英語ですらも直訳できる単語がない独特なニュアンスがありますが、イメージとしては「幸福」や「心地よさ」を表す言葉で、シンプルであることの豊かさや、ミニマムの美しさを追求しています。昨今ではこの「ヒュッゲ」が欧米でも注目を集めており、日本でも徐々に浸透しつつあります。この「ヒュッゲ」が根底にあるデンマークで作られる家具は、今の時代の家での過ごし方にしっくりくるもので溢れています。そんなデンマーク家具を理解するためには、デンマーク家具の歴史を知ることも重要だと考えます。デンマーク家具とそのデザイナーたちの歴史を簡単に説明させていただきました。興味を持った方はさらに詳しく書かれた本などを読んでみることをお勧めします。

2020年9月7日
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TWIST/ツイストについて

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『TWIST/ツイスト』は、世の中にあるモノやコトを、もう“ひとひねり”することで、新しい視点を生み出すことの価値を考えるWEBマガジンです。

私たちの身の回りにあるデザイン性の高いモノやコトなどを紹介しながら、同時に「デザイン」の持つ意味や、その可能性の広がりを考えていきます。

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