ニューヨークの中心地から少し離れた場所にあるチェルシー地区。日本では認知度が低いですが、歴史地区にも指定されていて、古き良きニューヨークを感じさせてくれるとても美しい街です。また、たくさんのアートギャラリーや話題のレストランなどが立ち並び、流行に敏感なニューヨーカーたちが集まる街としても知られています。今回はそんなニューヨークの最新スポットである「チェルシーのインテリア」を紹介します!
●チェルシーはどんな街?
ニューヨーク市マンハッタン区のダウンタウンに位置するチェルシーは、1920年代から1930年代はとても治安が悪く、さびれた街でした。しかし次第に隣接するソーホーの地価が高騰するにつれて、アーティスト達が家賃の安いチェルシーに移住してきたのです。それにともなって多くのギャラリーも移転してきて、ニューヨークのアートの中心地となっていきました。1990年代に入るとチェルシーは高級住宅地に変貌し、裕福層が集まるように。そして人気のレストランやクラブが次々にオープンしていったのです。
現在のチェルシーは同じマンハッタン区内でもクラシックでエレガントなアップタウンとは趣がちがい、エネルギッシュでとても刺激的な街。毎晩のように展覧会や個展が開催され、最新のアートが発信されています。廃線となった高架を利用して作られた遊歩道「ハイライン」や隣接する「チェルシーマーケット」は世界中の観光客から大人気。また長年ニューヨークのゲイ・カルチャーの拠点ともなっていて、独自の雰囲気が花開くニューヨークの最新スポットとなりました。
●チェルシーのインテリアとは?
チェルシーも同じニューヨーク市にあるブルックリンと同じように、かつては老朽化した工場と倉庫が建ち並ぶ廃墟のような街でした。そこに多くのアーティスト達が移住してきたことで活気づき、次第に現在のようなおしゃれな街に変貌していったのです。そんなブルックリンと似た歴史を持つチェルシーのインテリアはブルックリンインテリアとも共通点が多く、やはりレンガの壁やむき出しの配管などが多くみられます。
ブルックリンインテリアとの違いは、かっこよく、インダストリアル感が強いブルックリンインテリアに対し、レンガの壁に飴色の使い込まれた木材などを多用した「ぬくもりのあるビンテージ」でまとめられていることです。そしてそこにアイコンアイテムとなる「アート」が取り入れられています。この「ぬくもりのあるビンテージ」と「アート」を巧みにミックスしたインテリアがチェルシーインテリアの最大の特徴といえるでしょう。そんなチェルシーのインテリアを実際のホテルやカフェなどの事例から紹介していきます。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア①:The Hight Line Hotel(ロビー)
チェルシーの人気観光スポット、ハイライン近くにある「ザ ハイライン ホテル」は、以前に神学校として使用されていたゴシック様式の建物です。インテリアには、コーディネーターが選りすぐったビンテージや廃物などが取り入れられ、周囲の近代的なデザイナーズホテルとはちがった、新鮮な雰囲気が楽しめます。
ロビーは重厚な赤レンガの壁が印象的で、どこか懐かしさがただようビンテージ品でまとめられています。壁に飾られたたたくさんのアートにまぎれ、さりげなく額縁だけをかけているところに遊び心を感じますね。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア②:The Hight Line Hotel(客室)
出典:BAZAAR
こちらは同じく「ザ ハイライン ホテル」の客室です。神学校時代のゲストルームだった頃を呼び起こす優雅な雰囲気の中、ビンテージのテニスラケットがオブジェとして飾られているユニークな部屋。ビンテージのものでありながら、飾り方一つでまるで現代アートのように変身させているのはさすがアートの街のホテルですね。家具も地元で製作されたものが使用され、チェルシーの雰囲気を満喫できるすばらしい客室になっています。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア③:Moxy Chelsea Hotel New York(ラウンジ)
出典:martyn white
洗練されたモダンな雰囲気で人気のデザイナーズホテル「モクシー チェルシー ホテル」。ここは植物に触発されたデザインと、イタリアのロマンを融合させたインテリアがコンセプトになっています。ラウンジはモノトーンを基調とした空間に、ギリシャ彫刻をモチーフにした現代アートを大胆に配置。ポイントカラーは鮮やかな色を多く使っていますが決してうるさくなく、シックにまとめられていますね。アーティストでなくても、何かインスピレーションが沸いてきそうな刺激的ですてきなインテリアです。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア④:The Chelsea Hotel(スティーブ・ウィリスの部屋)
出典:The New York Times Style Magazine
「ザ チェルシー ホテル」は1883年にチェルシー地区に建設された歴史あるホテルです。1966年にはニューヨーク市歴史建造物に、1977年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録されています。かつては長期滞在者向けのホテルとして知られ、著名なアーティストや音楽家、作家が好んで滞在することで有名でした。アーサー・C・クラークの代表作「2001年宇宙の旅」もこのホテルで執筆されたそうです。
こちらの部屋はテレビプロデューサーのスティーブ・ウィリスが1994年から住んでいる部屋です。彼のオリジナリティーを感じさせるたくさんのアート作品が、歴史ある優雅な部屋のインテリアに美しく溶け込んでいます。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア⑤:The Chelsea Hotel(スザンヌ・バルチゥのバスルーム)
出典:The New York Times Style Magazine
同じく「ザ チェルシー ホテル」にあるイベントプロデューサー、スザンヌ・バルチュの部屋のバスルームです。アーティストのジョーイ・ホレイショがペイントした、ビビットカラーの扉が目を引く斬新なインテリア。天井のモザイクミラーはスザンヌが手掛けたそうです。まさにチェルシーのアートギャラリーそのもののようです。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア⑥:The Chelsea Hotel(トニー・ノタルベラルディーノのベッドルーム)
出典:The New York Times Style Magazine
「ザ チェルシー ホテル」にある写真家トニー・ノタルベラルディーノの寝室です。ノタルベラルディーノが収集したアンティークが、赤と黄色とブルーを基調としたインテリアによってイキイキと引き立てられています。厳選したお気に入りの品々に囲まれた夢のようなベッドルームですね。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア⑦:Doughnut Plant
出典:地球の歩き方
チェルシーにあるカフェ「ドーナツ プランツ」は、店中のあらゆる所にドーナツが飾られているキュートなカフェ。壁一面にディスプレイされたドーナツクッションやドーナツ型のチェア、そしてベンチの座面にはカラフルなドーナツが一面にプリントされています。クラシカルなアイアンレリーフのカウンターもあわせて、思わずSNSにアップしたくなるようなフォトジェニックなインテリアです。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア⑧:CHELSEA CAFE
出典:CHELSEA CAFE
東京にいながらチェルシーの雰囲気を味わえるカフェ、「チェルシー カフェ」を紹介します。モダンな外観のドアをくぐり抜けると、店内はほころびたような古さの中に独自の温かみを感じさせる、そんなチェルシーの街角をイメージしたインテリアになっています。おしゃれなニューヨーカーを気取って、ゆっくりとコーヒーを楽しみたいですね。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア⑨:ジェニパー・テダムズ邸
出典:VOGUE
チェルシー在住のインテリアデザイナー、ジェニパー・テダムズ邸のリビングです。もともとアンティーク家具の販売を手掛けていた経験が活かされ、モダンなデザインの中にビンテージ家具を絶妙に融合させた邸宅になっています。こちらのリビングはシンプルでありながら、ぬくもりと安らぎが感じられるとてもハイセンスなインテリアです。
ニューヨーク・チェルシーのインテリア⑩:ABCカーペット&ホーム
出典:AFAR
1897年に創業した「ABCカーペット&ホーム」はマンハッタン最大級のインテリアショップです。地下1階から5階まで家具や雑貨、照明などあらゆるインテリア商品が揃っています。チェルシーの歴史的な雰囲気に合う、ビンテージ感のあるすてきなものばかりです。チェルシーに行ったらぜひ一度は立ち寄りたいお店です。
最後に
ニューヨーク・チェルシーのインテリアを紹介しました。チェルシーは古き良きニューヨークを感じさせてくれながらも、最新アートや人気の観光スポットが満喫できる、魅力にあふれた街です。そんなおしゃれな街らしい独自のインテリアを楽しんでいただけたでしょうか?普通のインテリアに飽きたら、こんなインテリアにも挑戦してみたいですね。