プロダクトデザインの椅子事例10選!海外で活躍したデザイナーを中心に

by twistdesign

プロダクトデザイン、それは私たちの身の回りにある、あらゆる製品のデザインのことを言います。工業製品、機械製品などの製品のデザインはインダストリアルデザインと呼びますが、それも含め、私たちの身の回りにある生活用品や雑貨、家具、自転車などの製品も含めた幅広いデザインをプロダクトデザインとしています。

今回はそんなプロダクトデザインの中でも身近な存在の「椅子」にスポットを当てて、ご紹介していきます。ご紹介する椅子のデザイナーは日本や海外で活躍しているプロダクトデザイナーばかりです。個性的だけれど実用性にすぐれたオシャレな椅子達をご紹介していきます。

 

プロダクトデザイン椅子事例①:vertebra03(バーテブラゼロサン)


出典:pinterest

販売:株式会社イトーキ ITOKI
デザイナー:柴田 文江
テレワークをはじめ様々なワークスタイルが誕生して変化している現代に対応できるよう、「働く」と「暮らす」の両方の調和がとれるようにデザインされた椅子です。背のロッキング機能、座のスライド機能、座の前傾機能、座の上下機能など、座る人の姿勢に合わせてあらゆる部分が角度を変えたり動いたりするので自然と正しい着座姿勢へと導いてくれます。一見リビングチェアのようなたたずまいのチェアですが、デスクチェアとしての機能をしっかり持っており、オフィスでも自宅でもどの様な場所でも活躍してくれます。

シーンに合わせてカスタマイズできるよう、ボディーカラーが4種類、脚が3タイプ、ファブリックも全28種類選ぶことができるので、自分のライフスタイル、ワークスタイルにあったベストな椅子を見つけることができる、現代のニーズにあったスタイルのデザインの椅子ですね。

 

 

 

プロダクトデザイン椅子事例②:HIROSHIMA アームチェア(板座)

出典:pinterest

販売:株式会社マルニ木工
デザイナー :深澤 直人
見る角度によっていろいろな表情をみせる、とても美しい姿の椅子です。椅子のアーム部分に手を乗せると、思わずなでたくなるような木肌の優しい手触りを感じることができます。座面はゆったりとしていて、背もたれも傾らかになっており、体にしっかり馴染むため、長時間ゆったりとくつろぐことができます。
きめが細かく、木肌が美しいビーチ材を使用しており、塗装面はウレタン樹脂でコーティングしているため、キズや汚れがつきにくいようになっています。

洗練された美しいシルエット、触れると木のぬくもりを感じる優しい触り心地、座る人の心地よさを考えて設計された、美しくも優しいデザインですね。

 

 

 

プロダクトデザイン椅子事例③:BRONX 1010ブロンクス 1010 (フォールディングチェア)

出典:pinterest

販売:株式会社カッシーナ・イクスシー ixc. EDITION(イクスシー・エディション)
デザイナー 川上 元美
こちらはフォールディングチェア(折りたたみ椅子)になっています。一見、シンプルにみえて美しいデザインですが、フォールディングチェアとしての機能をしっかりと備えている優れた椅子です。折りたたんだ時に椅子同士がぴったりと美しく重なり合うためコンパクトに収納ができ、また、折りたたみ椅子であるのにアームがついているのがこの椅子の魅力です。オプションでアーム部分に折りたためるメモ台を取り付けることができ、メモ台を取り付けたままでも折りたたむことができます。

シンプルで無駄のないフォルムとフォールディングチェアとしての機能を最大限に詰め込んだ、美と機能性を追求したデザインです。

 

 

 

プロダクトデザイン椅子事例④:Pages 2 / Arm Chair


出典:NORIKO HASHIDA DESIGN

販売:NORIKO HASHIDA DESIGN
デザイナー 橋田 規子
座面のクッションが何重にも重なってできており、本のようにクッションをめくりながら自分に合った高さを選べる、なんともユーモア溢れる機能をもった椅子です。人それぞれ体格が違いますし、また、その日履く靴によっても椅子とフィットする高さが変わってきます。この椅子は座る人や、座る人のその日の状態の微妙な変化に対して簡単に調整することができます。その人、その日によって椅子のカラーも変わる、毎日の日常を本のページをめくるようにクッションをめくるなんてロマンチックですよね。

遊び心を取り入れた楽しくなるような仕掛けで椅子としての機能を果たす、他にはない斬新なデザインの椅子です。

 

 

 

プロダクトデザイン椅子事例⑤:OFFSET(オフセット)


出典:pintersest

販売:Drill Design
デザイナー:Drill Design(林 裕輔・安西葉子)
オフセットは、17世紀後半にイギリスで最初に製作された「ウィンザーチェア」がモチーフです。シートフレームのリングと脚を固定するためのリング、この二つのパーツのリングは同じサイズになっており、組み合わせることによって強度を補い合い、体重を支える構造となっています。また、同じ直径にすることで、スタッキング機能も可能となりました。シート面はバスケットなどの編み材で用いられる籐(ラタン)を使用し、さらにその下にメッシュシートを取り付け、強化しています。背もたれは徳永順男の「明の椅子」をモチーフにしたチャイニーズタイプと、ファンバック型のウィンザータイプが選べます。

日本の高い曲木技術を用いて作られた二つのリングが、見た目の美しさと「積み重ねることができるウィンザーチェア」という新しいスタイルを生み出している、これがこの椅子のデザインのポイントです。

 

 

 

プロダクトデザイン椅子事例⑥:Jurk(ユルクチェア)


出典:pintersest

株式会社イトーキ
デザイナー 清水 慶太
どの様なシーンに置いても馴染む汎用性の高いオフィスチェア。オフィスチェアでありながら、背もたれとアーム部分に天然の木を使用しているため、木の持つしなやかさが体の動きに合わせてしっかり支えてくれ、また、木のやさしさを感じることができ、ゆったりした心地にさせてくれます。アームの有無は選ぶことができ、アームがないタイプは横座りなど姿勢を崩してリラックスしたい時などにはぴったりです。

オフィスチェアのイメージを感じさせないモダンな佇まいに、天然木の持つ長所を引き出したデザインになっています。

 

 

 

プロダクトデザイン椅子事例⑦:POLPO(ポルポ チェア)

出典:TABROOM

販売:株式会社 匠工芸

デザイナー:田野 雅三・守谷 孝子

ポルポとはイタリア語で「タコ」のことです。椅子全体が8本の丸い棒の組み合わせでできているため、名付けられました。また、椅子全体を支えている本体が太いウインナーのようで、8本の棒がそれを突き刺す爪楊枝を表現したというユニークなデザインです。座面のシート部分は厚革を使用し、革の裏面に伸びにくい布を張り合わせ、座面シートを強化しています。

ほっこりさせてくれるような丸みと愛嬌あるフォルムに、無垢材と厚革の天然素材を使用し、座る人を暖かく、そして優しく包んでくれる癒しを与えるデザインの椅子ですね。

プロダクトデザイン椅子事例⑧:BENT STOOL(ベントスツール)


出典:楽天市場

販売:株式会社マークスインターナショナル DUENDE(デュエンデ)
デザイナー: 岩元 航大
よく見てみると座面からL字型に曲げられて伸びた一本のパイプと、座面の下でしっかりと噛み合ったもう一本のパイプ、このたった2本のパイプで支えられいるのに耐久性に優れていて安定感があり、無駄のない美しい姿のスツールです。座面はアルミ素材でできており、柔らかいカーブを描いているので、座り心地のよい仕上がりになっています。座面と前足の部分は自転車のフレームなどで用いられる特殊な曲げ加工で繋いでいるので、より高い強度と美しいフォルムを作り出すことができています。

幅をとらないコンパクトな設計とアート作品のようなシルエットが、場所を選ばず気軽に使うことができ、使わない時はアートオブジェのように飾っておきたくなるようなスツールですね。耐久性、アート性、コンパクトさ、ツールに必要な要素とそれ以上の価値を備えたデザインです。

 

 

 

プロダクトデザイン椅子事例➈:BRANCH(ブランチ)

出典:イストク

販売:有限会社 椅子徳製作所 イストク
デザイナー  山田 佳一朗
この椅子の一番の特徴はまるで植物の枝のように一本の無垢材の脚が枝分かれしてアームや背もたれへと続いている、曲げ木の技術を活かした独特なフォルムです。また、厚さ18mmという極限まで細くした脚や布バネを利用した座面によって3.5kgという驚きの軽さを実現し、だれにでも楽に持ち運びができる便利なデザインになっています。

細身の美しいフォルムは、けして容易ではないかなり複雑なフレームの接合を行う高度な技術などが詰め込まれており、それらによって軽量化も実現できた、よく計算されたデザインでもあります。

 

 

 

プロダクトデザイン椅子事例⑩:キウルベンチ

出典:MAARKET

販売:Artek(アルテック)
デザイナー:二俣 公一
2019年で日本とフィンランドが外交関係樹立100周年を迎えることから、「ミラノサローネ国際家具見本市」でアルテックが「FIN/JPN フレンドシップ コレクション」を発表し、キウルベンチもそのコレクションとして生み出されました。フィンランドの「サウナ」と日本の「温泉」や「銭湯」という共通の公衆浴場の文化にヒントを得てデザインされています。フィンランド語で「キウル」は「桶」という意味があります。ベンチの両サイドにはその「桶」をイメージするような丸みのある収納ポケットが付いているため、ベンチ全体が「桶」を連想させる、ユニークでありながらスタイリッシュな新しいデザインとなっています。

この椅子は、デザインを通して国と国の文化と伝統、価値観の共通点を再確認し、更なる交友関係を深めることができることを教えてくれています。

 

 

まとめ

ハイスペックのもの、スタイリッシュなもの、癒しを与えてくれるもの、他国との文化・伝統の交流の架け橋となってくれるものなど様々な役割を果たすプロダクトデザインの椅子をご紹介してきました。見た目の良さに機能をプラスした実用性のある椅子が、現在もとめられているプロダクトデザインの椅子なのです。

さて、あなたはどのような機能をもったデザインを選びますか?ここでご紹介したことを参考にしていただき、ぜひ、あなたにぴったりの椅子を見つけてくださいね。

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