デンマーク家具の椅子10選!巨匠による名作を

by twistdesign

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多くのデンマーク人が初任給で買う物は「家具」なんだそうです。特に「椅子」はデンマーク人にとって「快適な場所を作るもの」なのです。デンマークのご家庭には様々な種類の沢山の椅子がある家が多いです。理由は、人の体形や癖で、座りやすい椅子も違うから。日本では家具や家電は何年か使えば買い替えるのが普通です。しかし、デンマークは何十年、時には100年以上先までも見越して椅子を購入します。

今回は、そんなデンマークで生まれた名作椅子をご紹介させていただきます。

【デンマーク家具の特徴と歴史】


出典:Pinterest

近年、北欧家具は人気の衰えを知りません。北欧とは主にスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランドのことで、北欧インテリア家具はそれらの国で誕生した家具を指します。そして、北欧家具の中でもダントツで、技術やデザインに優れているのがデンマーク家具です。

一般にデンマーク家具と聞いて思い浮かべる家具は、1940年代から60年代の約30年という限られた期間にデザインされたものがほとんどです。特徴としては、「シンプル」「モダン」「ナチュラル」「機能的」「実用的」などがあげられます。デンマークでは1900年代以前はオリジナルと言える家具デザインは存在していませんでした。1900年代初頭から工業的な大量生産を前提としたバウハウスに影響を受け、それが独自の進化を遂げ、木材の材質を重視し、伝統的なクラフトマンシップを維持しながら、一般市民にも手が届きやすく使いやすい家具を作ることにいたりました。

【デンマーク家具のデザイナー】

上にも述べた通り、デンマークの家具というと1940年代から60年代の約30年にデザインされたものを指します。その30年と前後の巨匠と言われるデンマーク家具のデザイナー達は約18名です。今回は、その中でも特に名が知られていて今でも人気のある家具デザイナーのデザインした椅子10点にフォーカスして、デザイナーについての説明と共にご紹介させていただきます。

【デンマーク家具の椅子10選①】

レッドチェア(1927)
コーア・クリント/Kaare Klint(1888〜1954)


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「デンマーク近代家具デザインの父」と称される巨匠コーア・クリントによる代表作「レッドチェア」。コーア・クリントは、伝統家具の合理性や美しさを調査し、分析し、再認識して、伝統家具に伝統美と機能性の両面を持たせ、現代的に「リデザイン(再設計)」する事を説きました。

特にイギリスで18世紀に流行した家具の研究を行っており、この「レッドチェア」は、英国チッペンデール様式をリデザインしたものです。1927年のバルセロナ万博に於いて発表された際は「バルセロナチェア」という名称でしたが、赤い皮革で張られた椅子が展示されたことから「レッドチェア」と呼ばれています。

【デンマーク家具の椅子10選②】

セブンチェア(1955)
アルネ・ヤコブセン/Arne Emil Jacobsen(1902~1971)


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世界で最も有名な北欧デザイナーと言っても過言ではないアルネ・ヤコブセンによる名作の一つ「セブンチェア」。1955年に発表されて以来、現在までに全世界で700万台以上販売されており、世界で一番売れているスタッキングチェアとして知られる、家具の歴史においてアイコン的存在の椅子です。

「セブンチェア」は人の身体の形に添うように立体的なカーブでつくられていて、どんな体型でも、しっかりと支えてくれるすごい椅子です。日本にでも、オフィス、図書館や美術館などの公共施設などでもよく使われているデンマークの名作椅子です。

【デンマーク家具の椅子10選③】

イージーチェア No.45(1945)
フィン・ユール/Finn Juhl(1912~1989)


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「家具の彫刻家」と言われたフィン・ユールによってデザインされた「世界で最も美しいアームを持つ」と評される「イージーチェア No.45」。

フィン・ユールは、当時主流であったコーア・クリントのメソッドを重んじる形式から抜け出し、独自のデザインを確立したデザイナーとして知られています。1940年代、デンマークでユールの奇抜なデザインの家具はあまり評価が高くありませんでしたが、デンマークよりアメリカで高く評価され、国際的に活躍したことで、デンマークでも次第に評価が高くなりました。

「イージーチェア No.45」は、巨匠フィン・ユールの出発点であり、一番の代表作です。シートとフレームが分離する構造のためアームや脚の部分に隙間があるので、まるで宙に浮いているようなデザインで、彫刻的な美しさを強調する事が出来ています。

【デンマーク家具の椅子10選④】

J39 シェーカーチェア(1947)
ボーエ・モーエンセン/Børge Mogensen(1914~1972)


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「庶民のデザイナー」として知られるボーエ・モーエンセンの代表作で、「庶民の椅子」と呼ばれる「J39 シェーカーチェア」は、シェーカー家具のリ・デザインの傑作として知られています。ボーエ・モーエンセンは、人々の住宅事情や消費意識などに合わせた家具を追求し、一般庶民が購入できる価格でありながら、質の高い家具を創ることを使命としていました。

「J39 シェーカーチェア」は、とにかくシンプルで無駄のないデザイン。シンプルなので、色々な家具との相性がよく、インテリアにも馴染みが良い椅子です。背もたれには大きく湾曲させた幅広の板を使い、また、座面の枠に前後左右の段差があることで座ると座面が凹むので座り心地が良く、強度も高いため機能的にも優れています。

【デンマーク家具の椅子10選⑤】

Yチェア(1949)
ハンス J. ウェグナー/Hans Jørgensen Wegner(1914~2007)


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日本でもよく知られている、デンマークを代表する家具デザイナー、ハンス J. ウェグナー。生涯で500種類以上の椅子をデザインし「椅子の神様」の異名を持っています。彼がデザインした家具は、20世紀の北欧デザインに大きな影響を与え、今でも世界中の人々を惹きつけてやみません。

そんな、ハンス J. ウェグナーによる代表作中の代表作「Yチェア(CH24)」は、1950年の発表以来、これまでに世界中で70万脚以上が出荷されていて、数多くあるウェグナーの椅子の中で最も売れたと言われる椅子です。ゆったりとした奥行きのある座面と背から肘まで緩やかに回り込むようなラインの肘掛けが特徴で、ダイニングでもくつろげるチェアとして愛され続けています。中国の明朝時代の椅子をヒントにデザインされ、細部を更に突き詰めることで誕生したチェアで、機械生産がしやすい形状のため、工業デザインとしても優れています。背板の合板がY字型なので、Yチェアと呼ばれています。

【デンマーク家具の椅子10選⑥】

トリニダードチェア
ナンナ・ディッツェル/Nanna Ditzel(1923~2005)


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当時、男性の家具デザイナーがほとんどでしたが、その中で活躍した数少ない女性家具デザイナーの代表がナンナ・ディッツェルです。彼女の代表作「トリニダードチェア」は、ミラノトリエンナーレで金賞を受賞したこともあります。

ナンナ・ディッツェルのデザインは自然に存在するものをモチーフとして家具のデザインを行っていることが多く、この「トリニダードチェア」も、トリニダード・ドバゴの伝統技術である透かし彫りに影響を受け、極楽鳥をイメージしてデザインされています。特徴的な扇形の座面と背もたれは放射線状のデザインになっていて、光があたると光と影のアートが映し出されます。

【デンマーク家具の椅子10選⑦】

パントンチェア(1967)
ヴェルナー・パントン/Verner Panton(1926~1998)


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独特の色彩構成と近未来的な空間形成が1960~1970年代のデザイン界に大きな影響を与えた、デンマーク近代家具デザインの「異端児」ヴェルナー・パントンによる名作「パントンチェア」。現在ではミッドセンチュリーデザインの象徴ともいわれています。

パントン自身の名を冠した「パントンチェア」の、 安く生産できるパリエステル樹脂の一体成型という画期的なアイデアと、可塑性の素材でなければなしえない、流れるような究極のフォルムは、発表されるやいなや世界中で大絶賛を受けました。そして、その時代ごとに、最も優れた素材を用いるという彼のアイデアのもと、今でも新しい素材をもって生まれ変わり続けています。

【デンマーク家具の椅子10選⑧】

PK-22
ポール・ケアホルム/Poul Kjaerholm(1929~1980)


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北欧家具デザイナーの中でも「鬼才」と呼ばれていたポール・ケアホルム。建築素材に強い関心を持っていた彼は、家具の素材としては当時まだ一般的ではなかったスチールも、木などと同様に芸術的な繊細さをもつ天然素材であると考え取り入れました。1955年より家具メーカーのアイヴィン・コル・クリステンセン社と共働し、ダイニングチェアPK-1を皮切りに、様々なPKシリーズを発表しました。

1956年に発表されたPK-22は、1957年のミラノトリエンナーレにてグランプリを受賞したポール・ケアホルムの代表作です。金属のフレームを使用し、一見すると直線的で硬派な印象を受けますが、体が直接触れる部分には高品質な革を使い、左右に渡したステンレスバーが圧力を保ち支えるというシンプルな構造で、人が座ると座面と背面が人の重みで沈みこみ、包まれるような座り心地です。ケアホルムのクラフトマンシップを大切にする姿勢が伝わる椅子です。

【デンマーク家具の椅子10選⑨】

AXチェア
ピーター・ヴィット/Peter Hvidt(1916~1986)

オルラ・ムルガード・ニールセン/ Orla Mølgaard Nielsen


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1940年代半ばから70年代半ばにかけて活躍したデザインユニット、ピーター・ヴィットとオルラ・モルゴー・ニールセンは、デザインだけでなく、製造や販売にまで関わったことで有名です。彼らの代表作として最も知られているのが、1947年にデザインされた「AXチェア」です。当時、アメリカなどに数多く輸出されました。

「AXチェア」は、薄くスライスされた木材を何層にも重ね合わせ専用の方で圧着させる、薄くスライスされた木材を何層にも重ね合わせ専用の方で圧着させるプライウッド(成形合板)と呼ばれる製法で作られています。当時の北欧では最先端の技術で、デンマークの家具業界に風穴を開けました。

【デンマーク家具の椅子10選⑩】

エリザベスチェア
イプ・コフォード・ラーセン/Ib Kofod Larsen(1921~2003)


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当時のデンマークの優れた職人の為のコンクール「スネーカーギルド展」でスネーカーギルド賞を受賞しましたことでその名が知られるようになったイプ・コフォード・ラーセン。1956年にクリステンセン&ラーセン社より発表された「イージーチェア」を、英国のエリザベス2世女王とフィリップ王子がコペンハーゲンを訪れた際に一目見て気に入り購入したことから「エリザベスチェア」という愛称が付けられました。

前脚から後脚へとつながる繊細なディテール、低いシート、そしてソリのような背もたれが魅力的なこの椅子は、イプ・コフォード・ラーセンの作品の中で最も完成度の高い椅子と言われています。

デンマークでの生産が中止されてからは、アメリカやイギリス、スウェーデンなどデンマーク以外で製造・販売されていましたが、現在ではその価値が広く知れ渡る事となり、2018年からデンマークの復刻ブランド、ラザー・ペターセンで生産が最下位されました。

【おわりに】

「デンマークの巨匠による名作椅子10選」いかがでしたでしょうか?近年大人気のデンマーク家具。家具の中でも椅子は個性をアピールするのにぴったりのアイテムです。デザインや素材だけでなく座り心地や使い勝手が考慮されたデンマーク名作椅子は、くつろぎやすい快適な空間を演出します。あなた好みのデンマーク椅子が見つかるといいですね。

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