スウェーデンには「フィーカ」という言葉があります。
それは紅茶やコーヒーと一緒にちょっとした甘いお菓子を食べてほっと一息つく時間のこと。
ただのお茶休憩というだけではなく、リラックスして穏やかに自分の時間を過ごすことであり、仲間とのコミュニケーションを深めるための大切な時間なのです。
この「フィーカ」という文化をスウェーデンの人々は昔から大切にしてきました。
そんな文化をもつ北欧の人たちはティーカップにも深い思い入れがあります。
北欧のティーカップは独特の味わいを深めながら作られ続け、今は世界中にコレクターがいます。
今回はそんな北欧のティーカップを作っているブランド10社をご紹介します。
【スウェーデン生まれのブランド】
北欧食器ティーカップブランド:1.Gustavsberg(グスタフスベリ)
グスタフスベリは1825年にスウェーデンのストックホルム東部にあるグスタフスベリで設立されました。
「北欧食器のヴィンテージ」と言うと一番に名前が挙がるブランドです。
そこにはウィルヘルム・コーゲ、スティグ・リンドペリ、リサ・ラーソンなど北欧モダンデザインの礎を築いたデザイナーたちが名を連ねています。
現在ではフィンランドの有名ブランド「イッタラ」の傘下グループに属し、かつての名作シリーズの復刻版を主に製造。
北欧食器ティーカップブランド:Bersa(ベルサ)
Designer:スティグ・リンドベリ
出典:invivo
「ベルサ」とはスウェーデン語で「葉っぱ」のこと。
グスタフスベリの中でも特に人気のアイテムです。
1960年から1974年にかけて生産され、現在では復刻版も生産されています。
白地にグリーンの葉っぱ模様がはえ、テーブルを明るくしてくれますね。
北欧食器ティーカップブランド:SPISA RIBB(スピサ・リブ)
Designer:スティグ・リンドベリ
出典:「北欧、暮らしの道具店」
スウェーデン語で「SPISA RIBB」=「棒を食べる」というユニークな名を持つティーカップ。
こちらもスティグ・リンドペリの代表作です。
ストライプのデザインですが、手描き風の少しいびつな線によってシャープになりすぎず、リンドペリらしい暖かさを感じます。
北欧食器ティーカップブランド:2.Rorstrand(ロールストランド)
1726年に創設されたロールストランド社は、ヨーロッパで2番目に古い歴史を持つ陶器メーカーです。
スウェーデン王室御用達のブランドで、ノーベル賞の授賞式後の晩餐会ではずっとロールストランド社の食器が利用されてきました。
グスタフスベリと同じく2001年からフィンランドのイッタラの傘下となっています。
北欧食器ティーカップブランド「Mon Amie(モナミ)」
Designer:マリアンヌ・ウエストマン
ロールストランドの名作「Mon Amie」はフランス語で「恋人・友人」を意味します。
藍色の花模様が日本の染付けのようで和テイストにもよく馴染みます。
北欧食器ティーカップブランド:「Sylvia(シルヴィア)」
Designer:シルヴィア・レコゥヴィウス
出典:Sol
「シルヴィア」はロールストランド社が創業250周年を記念して1976年に生産されました。
上品なスミレの花が優雅にデザインされています。
普段は見えないカップ裏にも同じスミレが描かれていて遊び心を感じます。
北欧食器ティーカップブランド:3.Gefle(ゲフレ)
ゲフレは1910年創業のスウェーデンの陶磁器メーカー。
以来良質なテーブルウェアーを作って来ました。
1935年にウプサラエグビーに買収され、1979年までゲフレ・ブランドの陶磁器を作り続けました。
『Agneta)」シリーズに代表されるように北欧らしい植物をモチーフにしたものが人気。
また別の人気シリーズ「Kosmos」は1967年にオランダのGulden Vorm賞を受賞しました。
北欧食器ティーカップブランド「CUBA(キューバ)」
Designer:ベリット・ターナー
出典:楽天
ぽってりとしたフォルムがとてもかわいらしい「cuba」は「Kosmos」と同フォルムで色違いのシリーズ。
どこか日本の焼き物ののような雰囲気で親しみやすいです。
この黄色みがかったブラウンの色合いは一つとして同じ物はなく、使うごとに味がでてきます。
【フィンランド生まれのブランド】
北欧食器ティーカップブランド:4. iittala(イッタラ)
1881年、ピーター・マグナス・アブラハムによりガラスメーカーとして創業。
フィンランドの大自然の中で生まれるガラス製品は、北欧の伝統と技術を受け継いだデザインで人気に。
現在ではガラスウェアだけではなく、テーブルウェアの総合ブランドとして数々の製品を生産し続けています。
北欧食器ティーカップブランド:「TEEMA(ティーマ)」
Designer:カイ・フランク
出典:楽天
TEEMAは1953-1974年に作られたキルタシリーズを原型として、1981年にカイ・フランクがリデザインしたイッタラの代表アイテムです。
カイ・フランクらしいとてもシンプルでモダンなデザイン。
現在でもカラーバリエーション豊富に生産され続けています。
北欧食器ティーカップブランド:5.ARABIA(アラビア)
アラビアは1873年にスウェーデン・ロールストランドの子会社として、フィンランドのアラビア地区に創設。
1916年に独立し、ビルゲル・カイピアイネン、カイ・フランク、ウラ・プロコペ、エステリ・トムラ、ライヤ・ウオシッキネンなどの優秀なデザイナーが活躍しました。
常に機能性・実用性を兼ねそろえた芸術性の高い作品を発表し続け、北欧を代表するブランド。
現在はイッタラ社の傘下で創作が続いています。
北欧食器ティーカップブランド「Valencia(バレンシア)」
Designer:ウラ・プロコペ
出典:Amazon
深い青色が大変美しいValenciaシリーズのティーカップ。
内側の白が飲み物の色を引き立てます。
北欧食器ティーカップブランド「krokus(クロッカス)」
Designer:エステリ・トムラ
クロッカスが繊細で美しく描かれているこのティーカップは、1978年 ~ 1979年の2年間しか製造されておらず、大変めずらしいシリーズ。
自然を愛する北欧デザインがいかされています。
【デンマーク生まれのブランド】
北欧食器ティーカップブランド:6.ロイヤルコペンハーゲン
ロイヤルコペンハーゲンは1775年に王室御用達製陶所としてコペンハーゲンで創業。
以来2世紀に渡って、王室と深い絆を持ちながらクラフトマンシップをモットーに世界から高い評価を集めてきました。
特に1885年にアートディレクターに就任したアーノルド・クローは磁気そのものの美しさに着目し、釉薬の下に模様が描けるアンダーグレイズ技法によって数々の名作を誕生させました。
毎年発売されるクリスマスのイヤープレートは世界中で人気です。
北欧食器ティーカップブランド「ブルーフルーテッド フルレース」
Designer:アーノルド・クロー
出典:楽天
ブルーフルーテッドには「プレイン」、「ハーフレース」、「フルレース」の3パターンのデザインあります。
その中でも「フルレース」は一番細かく繊細なデザイン。
手書きの絵付けが豪華なこちらは特別な時間に使いたい一品です。
北欧食器ティーカップブランド:7.DANSK(ダンク)
“デンマーク風”という意味を持つダンクスは1954年に創立以来、スカンジナビアモダンアートをコンセプトに製品を作り出しているブランドです。
その製品のほとんどはオーブン、電子レンジ、食器洗浄機などに対応し、現代の生活に実用的に対応しています。
北欧食器ティーカップブランド「ブルーライン」
出典:楽天
白地にブルーのラインが印象的なこのティーカップは頑丈で使いやすく、ダンクスを代表するシリーズです。
シンプルながらも丸みのあるフォルムが北欧らしいデザイン。
北欧食器ティーカップブランド:8.Kronjyden(クロニーデン)
クロニーデンは1937年に植木鉢製造会社としてデンマークで創業。
1958年に人気シリーズ「 Relief」がイェンス・クイストゴーよってにデザインされました。
その後、「Azur」、「Rune」 、「Cordial」シリーズが続いて生産され人気を不動のものに。
しかし1977年にBing&Grøndahlに買収され、その後次第に安価な外国製品に押されるようになり1988年に閉業。
現在クロニーデンの製品は生産されいないため、とても希少なものとなっています。
北欧食器ティーカップブランド「 Relief(レリーフ)」
Designer:イェンス・クイストゴー
出典:楽天
1960年代にクロニーデンから生産され、その後3社に渡って作り続けられた人気作「 Relief」。
葉っぱのモチーフが幾何学的に配置されながらも、つやなしの釉薬がやさしげな印象。
【ノルウェー生まれのブランド】
北欧食器ティーカップブランド:9.Figgjo(フィッギョ)
1941年創業のノルウェーを代表する大手陶器メーカー。
現在はシンプルな単色カラーのものを大量生産していますが、60年代はカラフルなかわいらしいデザインで人気に。
北欧ヴィンテージの中でも「かわいい北欧食器」の代名詞といえるブランドです。
特にチューリ・グラムスタッド・オリヴァーがデザインしたものは日本でも高い人気を博しています。
北欧食器ティーカップブランド「Market(マーケット)」
Designer:チューリ・グラムスタッド・オリヴァー
出典:EGGPLANT-EGG
「Market」シリーズのスナックセット。
お茶菓子がおけるようにソーサーがプレートになったこのシリーズはフィーカにぴったりですね。
北欧食器ティーカップブランド:10.Stavangerflint(スタヴァンゲルフリント)
スタヴァンゲルフリントは1946年にノルウェーのエンジニアであったTrygve Brekkeによって創業。
1968年にFiggjo社と合併し製造は続けていましたが、1979年には完全に買収され廃業となりました。
ブラウンやモスグリーンなどの落ち着いた色合いのシリーズが多く、飽きのこないデザインが人気です。
北欧食器ティーカップブランド「Brunette(ブリュネット)」
Designer:Kare Berven Fjeldsa
出典:北欧Life
深いグリーンと釉薬のつやが美しいカップの表面にはエンボス模様がデザインされており、シンプルながら味わい深いシリーズです。
グリーンの他にもアースカラーで数色発売されています。
北欧食器 ティーカップブランド10選:最後に
人気の北欧ティーカップのブランドを国ごとにご紹介しました。
かわいらしいものからシンプルモダンなものまで色々ありますが、どれも北欧デザインの精神が感じられます。
ぜひお気に入りを見つけて「フィーカ」を楽しんでみてください。