なぜペットの匂いは落ち着くのか?ついつい嗅いでしまうメカニズムと対処方法を紹介

by twistdesign
大好きなワンちゃん・ネコちゃんと毎日一緒にいると、ついつい体臭を嗅いでいませんか?

愛犬や愛猫を飼っている多くの人は、ペットの匂いを嗅ぐのが好きです。そして、なぜそんなに匂いを嗅いでしまうのか不思議に思っているかもしれません。

「ネコちゃんの毛に顔を突っ込んで匂いを嗅ぎたいと思うのは普通だろうか?」「ワンちゃんの肉球に鼻をあててクンクンするのは変?」

完全に正常です!

ペットの匂いを嗅ぐことには理にかなった理由があります。頭がおかしい人の行動ではありあせん!あなたがペットの匂いを楽しむタイプの飼い主なら、匂いを嗅ぐ行動は、嗅覚を中心に強い記憶を形成する人だということです。

ペットの匂いは、ペットとの楽しかった記憶を思い出させ、ペットへの愛情を高めるため、ペットの匂いを嗅ぐのが好きな飼い主が多いのです。

可愛くてしょうがないあなたのペットのニオイは、心を落ち着かせてくれますよね。疲労やストレスを癒し、リラックスできることからペットのニオイにハマってしまう飼い主さんが多いようです。

この記事では、愛犬と愛猫がどんな匂いがするか、そして匂いを嗅ぐと落ち着く理由や、効果などを説明させていただきます。

1.あなたのペットはどんな匂い?

①犬の匂い

まずは犬の匂いについて説明していきましょう。

犬はコーンチップスに似た匂いを発すると言われています。特に犬の肉球の間に集中している、やや酵母のような香りです。この匂いは、犬の皮膚に自然に存在する特定のバクテリアによって生成されるもので、何も心配することはありません。この匂いが主に犬の肉球の周りで最も強い理由は、人の臭腺と犬の臭腺は違うからです。犬は足から汗をかきます。

犬のもう一つの匂い領域は、口の周りです。特にワンちゃんが人の顔をなめるのが好きな場合、息が臭いことが多いです。犬の口臭は、食事や歯と歯茎の全体的な状態に大きく影響されます。

もちろん、犬の匂いは衛生状態にも大きく影響されます。お風呂に入ったばかりの犬は、数か月間シャワーを浴びていない犬のニオイとは大きく異なります。

②猫の匂い

ライオン、ヒョウ、トラなどの大きなネコ科の動物にはAP-2(2-アセチル-1-ピロリン)と呼ばれる化合物があり、熱いバターをかけたポップコーンのような匂いがします。もちろん近づいて匂いを嗅ぐことはできませんが。

飼い猫の匂いは大きなネコ科の動物ほど強くはありませんが、それでも匂いはします。子猫の匂いは人間を落ち着かせ、心地よくさせる効果があり、その匂いを嗅ぐと人は猫を飼いたくなってしまうのです。そして、この匂いに慣れればなれるほど猫が好きになってしまうのです。

猫の体には9つの臭腺があります。これらの香りのほとんどは心地よいもので、人が嫌いな匂いは2つだけです。その2つが何かはネコちゃんの飼い主ならわかりますよね?猫の全体的な香りは心地よく、明るく、暖かい夏の日のようなイメージです。

また、多くの雌猫、または去勢された雄猫からは、軽くフルーティーな匂いがします。嗅覚の良い方はスグリの香りと表現します。

ナッツのような香りを放つ猫は、耳のすぐ後ろにある耳介腺からその匂いを分泌しています。ナッツ以外には、ジャスミンライスや、土っぽい匂いともよく言われます。猫が膝の上にいるとお腹が空くのはそのせいかもしれません。

猫は、撫でられるのが好きな所から最も魅力的な香りを放ちます。猫を撫でると、飼い主と愛猫の両方が嬉しくなります。

2.なぜペットのニオイは落ち着くのか?

ペットの匂いとその原因について説明しましたが、なぜワンちゃん・ネコちゃんの匂いを嗅ぐのが好きな飼い主が多いのでしょう?犬や猫は花や香水のような匂いがするわけではないので、大変興味深い行動ですよね。

①人間の嗅覚と記憶の関係

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5つの人間の感覚を見直してみましょう。五感は全て連携して、我々が日常生活の中で物事を体験したり、情報を取り入れたりすることを可能にさせます。また、特定の記憶を保持し、記憶するのにも役立ちます。

五感すべてが活動すると、記憶の想起に関連する脳の領域が活性化されます。五感のうち、特に嗅覚は感情を司る脳の領域とより強く結びついていることが知られています。

これは、人はなじみのある匂いを嗅ぐと、すぐにその匂いと感情を関連付けることができることを意味します。

あなたがペットのワンちゃん・ネコちゃんについて考えている時に一番強い感情は何でしょう?それはきっと愛情です!

ニオイは私たちの脳に感情的な反応を引き起こす可能性が大きく、ペットの匂いは飼い主に強い愛情を思い出させます。そして、この肯定的な感情反応が、飼い主に愛犬・愛猫の匂いを嗅ぎたくさせる理由なのです。そのため、一般的には必ずしも良いニオイとは限らないにもかかわらず、多くの人がペットの匂いを嗅ぐのです。

また、犬に関して言うと、犬よって個体差はありますが、特徴的なコーンチップスの香りは、ほとんどの犬種にあります。そのため、今の愛犬の匂いを嗅ぐことで昔の愛犬を思い出す人もいるかもしれません。

②触覚によるヒーリング効果

動物とのふれあいがストレス軽減に役立つことは、さまざまな研究から明らかにされてきています。これは、動物と触れ合うことで、心と体をリラックスさせる愛情ホルモン「オキシトシン」が分泌されるためです。愛犬や愛猫の毛に顔を埋めて匂いを嗅ぐ行為もアニマルセラピーの一種と言えます。そして、人によっては、麻薬的効果がある場合もあります。

在宅勤務を行う人が増えた近年、ただペットと触れあうだけで落ち着いて仕事ができ、仕事がはかどるペットの存在が重要視されています。

3.ペットの匂いを嗅ぐことに対する注意点

ペットの匂いを嗅ぐには衛生面などに注意する必要があります。ペットの匂いを嗅ぐために飼い主が気をつけるべき点を詳しく説明します。

①危険な動物由来感染症(ズーノーシス)

人と動物の間で感染する病気を「動物由来感染症(ズーノーシス)」といい、犬から人だけでなく、人から犬にも感染します。世界には約150種類の動物由来感染症があり、日本では約50種類が確認されています。感染症の中には、人とペットのどちらか、もしくはどちらもが重症化したり、生命に危険を及ぼしたりするものもありますので、注意しなければなりません。

また、ニパウイルス感染症などの新興感染症が次々と発見されており、その多くが動物由来の感染症であることが明らかになっています。エボラ出血熱、マールブルグ熱、ハンタウイルス肺症候群など、感染力が強く重症化しやすいものもあり、有効な治療法がまだ開発されていないものもあります。

動物由来感染症を防ぐためには、完全に室内で飼う必要があります。ペットを外に放すと、ペット同士で病気が伝染するだけでなく、ノミやダニなどの虫を連れてくる可能性があります。ノミやダニは人に感染することがありますので注意しなければなりません。さらに、真菌などの皮膚病も人に感染します。

つまり、ペットを室内で飼っていて健康であれば、ペットのにおいを嗅いでもペットから病気にかかる可能性はたいへん低くなります。

②アレルギーになるかもしれない

ペットの匂いを嗅いでいると、ペットアレルギーの原因になる可能性があります。ペットアレルギーは犬や猫の毛やフケが原因です。

ペットに触れた手で顔を触るだけでも痒みやクシャミが出やすくなります。顔を直接つけて匂いを嗅ぐとペットアレルギーが発症する可能性があります。

現在はペットと触れ合って痒みやクシャミが出ていなくても、将来的にペットアレルギーを発症する可能性があります。皮膚が赤くなったり、咳が出るようになったりする場合は、すぐにペットの匂いを嗅ぐのをやめるべきです。

4.ペットの匂いを嗅ぐ際の注意点

①ペット嫌がっているなら匂いは嗅がない

犬はストレスを感じると、しぐさで相手に伝える行動「カーミングシグナル」を出します。カーミングシグナルは、まばたきが多くなる、あくびをする、体をかく、視線を合わせない、目を細めるなど様々なしぐさです。カーミングシグナルが見られる場合は、ワンちゃんが匂いを嗅がれたくない可能性が高いです。

猫の場合は気まぐれなので、甘えたい時と放っておいて欲しい時を理解する必要があります。放っておいて欲しい時に匂いを嗅ごうとすると機嫌が悪くなったり、手や足で押し戻そうとしたり、ひっかかれたりすることすらあります。

ワンちゃん、ネコちゃんの様子を見て、上記のような場合は匂いを嗅ぐのをやめてあげましょう。

②自分以外のペット匂いは嗅がない

ペットの匂いを嗅ぐことは、家族の信頼関係の証です。他のお家のペットや、犬カフェ、猫カフェのワンちゃんやネコちゃんの匂いを嗅ぐことは失礼にあたります。また、どのくらい清潔にしているか分かっていない場合病気になる可能性もあります。もちろん、野良犬や野良猫の匂いを嗅ぐのは衛生面において論外です。匂いを嗅ぐのはご自分の愛犬と愛猫だけにしいてあげてください。

5.ペットの匂いを嗅ぐメリット

ペットの匂いを嗅ぐことは、遊んだり抱きしめたりするのと同じように、飼い主さんとペットとのコミュニケーションの1つと言えます。匂いの嗅ぎ方は飼い主さんとペットそれぞれで異なり、信頼し合える仲でしかできない高度なコミュニケーションです。

また、ペットの匂いで異変に気づきやすいというメリットもあります。体のいろいろなところに触れたり匂いをかいだりすることで、怪我や体調不良に気づくことができる可能性があるのです。

体のどこかが怪我していたり、化膿していたり、皮膚炎になっていたりなど、わかりにくい病気や怪我の悪化の発見につながることがあります。

さらに、あなたのペットがいつもと違うにおいがする場合、口の中が痛く、適切に毛づくろいをできていないのかもしれません。

おわりに

ペットの匂いを嗅ぐことは、飼い主がワンちゃんやネコちゃんの毛に顔を埋めて呼吸する行為です。愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌され、幸せを感じることができます。

ペットと飼い主の両方の健康と幸福のためには、信頼関係やタイミングが重要です。ペットが嫌がっている時は無理強いせず、自分からじゃれてきた時などに行いましょう。

また、ペットの健康状態や性格、触れてほしくないところなどを定期的にチェックして把握しておきましょう。

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